車中泊歴25年の現役クルマ旅専門家が、エンジンを切った状態で使える、ベバスト(Webasto)のFFヒーターについて解説しています。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊入門ガイド
この記事では、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、既に1000泊を超える車中泊旅行を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、四半世紀に及ぶ経験を元に、日本各地を車中泊でめぐるための「know-how」を紹介しています。
~ここから本編が始まります。~
これがあれば、極寒のゲレンデでも車内はTシャツでOK!
「百聞は一見に如かず」とは、まさにこの2枚の画像。
これらは信州・鹿島槍スキー場でナイターを楽しんだ後、ゲレンデの駐車場に停めたキャンピングカーの中で実際に撮影したものだ。
エンジンを切った状態で使えるベバスト(Webasto)ヒーターは、省エネと安全性を兼ね備えたドイツ生まれの製品で、日本RV協会による会員向けアンケートの、「ユーザーが好む装備類」ランキングで、3年連続第1位に選出されているスグレモノ。
使ってみると、確かに経済的かつ効率的に車内を暖かくする性能は素晴らしく、ほとんどのキャンピングカーで使われているのも頷ける。
筆者もFFヒーターを使用するようになってからは、ダウンシュラフを積み下ろして、少し厚手の毛布だけを使うようになった。

出典:梅田電機工業所
さて。
FFとは、「密閉式・強制給排気型」という日本の定義を記号化したものらしい。
その仕組みは、まず❸のクルマの燃料タンクからポンプで送られてきた燃料と、❷の車外から吸入した空気の混合ガスに、グロープラグで着火し、燃焼室で燃やして熱交換機を暖める。続いて、❶の内蔵モーターで空気吸入ファンを回し、車内の空気を取り入れながら熱交換機で暖めて、❹再び車内に送り込む。
その際に完全燃焼した微量の排気ガスは車外に排出するが、アイドリング時に比べると、燃料消費量、CO2排出量とも約10分の1程度と省エネで、8時間使用しても燃料消費量は1リットルあまり…
しかもガソリンでもディーゼルでも使えて、音もかなり静かだ。
さらにベバストはセンサーで吸入空気の温度を感知し、あらかじめダイヤルで設定している温度に達したところで、燃焼を自動的にストップする。
写真は「べバコン」と呼ばれるオプションのコントローラーで、これをつけると設定温度をデジタル表示で1度づつ調整できるほか、タイマー予約でオンオフができるようにもなる。
少々高くはなるが、暑すぎたり寒かったりのない「正確な快適温度」が把握できるメリットは大きい。
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