25年以上の車中泊経験を持つクルマ旅のプロが、冬の車中泊の寒さ対策の第一に挙げられる「クルマの防寒」について詳しく解説しています。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊入門ガイド
この記事では、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、既に1000泊を超える車中泊旅行を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、四半世紀に及ぶ経験を元に、日本各地を車中泊でめぐるための「know-how」を紹介しています。
~ここから本編が始まります。~
基本は、侵入してくる冷気を遮断すること

窓ガラスの防寒
厳冬期の車中泊では、クルマを防寒しなければ寒さを完全に食い止めることはできないが、その一番の秘訣は「窓」にある。
冷気は窓ガラスから車内に浸透してくる。
それがどれくらい冷たいかは、夜暗くなってからエンジンを切って、運転席に座ってみれば身に沁みてわかるのだが、要はすべての窓を内張りすれば、冷気の浸透が遮断できるわけだ。
内張りに使う素材で簡単に入手できるのは、割れ物の運搬時などにも利用されるエアパッキン、俗にいう「プチプチ」だ。
中に封じ込まれた空気が、ここでは高い断熱効果を発揮してくれる。
ただ「プチプチ」は、付けたり外したりするのに適していないため、車中泊ではキャンプに使う「銀マット」を加工して使う人が多い。
こちらのほうが窓に付け外ししやすく、見映えも良いという理由からだが、内張りには車内のプライベートな空間を外から隠すという効果もあり、「銀マット」はその点でも理に適っているといえるだろう。
参考までに、DIYで上のウインドウシェードを作る方法を紹介しておこう。
ただ、長く使うことを前提にするなら、市販されている既成品の「マルチシェード」がお勧めだ。
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このいちばんポピュラーで装着の簡単な内張りは、当サイトでも何度か紹介している株式会社アイズの製品で、多少値は張るものの、国産車のほとんどの車両サイズが用意されており、DIY をする手間を考えれば、それに見合う価値は十分にある。
「マルチシェード」は4種類の素材を組み合わせてキルティング加工されているが、中のポリエステル綿には、空気の断熱層を作り、車内の温度を暖かく保つ効果がある。
マルチシェードの、吸着力が落ちた吸盤を蘇らせる裏技

よくネットなどに紹介されているのは、熱湯に浸す方法だ。
ただ筆者の経験では、やり方に問題があったのかもしれないが、それほど効果は感じられなかった…
それより、同じ吸盤を使用して圧倒的に効果があったのは、吸着面にハンドクリームを塗る方法だった。
素肌以外にも効くとは、「ニベア」恐るべし(笑)。
吸盤は古くなるとフチにわずかな凸凹ができて吸着力が衰えるのだが、ハンドクリームには、その隙間を埋め、吸着力を復活させる効果があるという。
使用するクリームの量は、吸盤ひとつに対して米粒大ほどでいい。
具体的には、まずハンドクリームを塗る前に、吸盤と窓ガラスをきれいにしよう。
吸盤はできれば洗剤で洗うほうがいい。それからよく乾燥させ、ハンドクリームを吸盤の内側全体に薄く塗る。
この方法の利点は、ハンドクリームさえ手に入れれば旅先でも簡単に修復できる点にある。吸盤は緊急時ならそのまま丁寧に拭いてやればいい。
それでも駄目なら買い換えよう。
吸盤は今は100円ショップでも売っているようだが、ホームセンターに行くほうが確実だと思う。
スライドドアからの冷気を防ぐ
スライドドアがあるクルマは、そのステップからも冷気が上がってくる。
ただそれを防ぐための専用品を作るのはナンセンスな話だ。
いちばん簡単で効果的な方法は、大きなビニール袋に、着てきたダウンジャケットなどのアウターを入れて、ステップの上から詰めること。
ドアを開ける時には外す必要があるが、増える荷物は袋1枚だけで済む。
冬の車中泊のベテラン達は、居住空間をキープするため、徹底した「転用」を模索している。
冬の車中泊の寒さ&安全対策
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