車中泊キャンプ歴25年の現役のクルマ旅専門家が、薪ストーブを使った昔ながらの冬キャンプの様子と、薪ストーブ購入時の留意点を詳しく紹介しています。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊入門ガイド
この記事では、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、既に1000泊を超える車中泊旅行を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、四半世紀に及ぶ経験を元に、日本各地を車中泊でめぐるための「know-how」を紹介しています。
~ここから本編が始まります。~
ロッジシェルターとダッチオーブンと薪ストーブで楽しむ、クラシックな冬キャンプ
必要なものが勢揃い! 楽天市場の「車中泊グッズ」大特集オートキャンプの第一次ブームは1980年代後半
筆者が家族とともにテントでキャンプを始めて、既に30余年が過ぎた。
最初は季節を選びながら、子どもたちの成長とともにフィールドの難度を高めて行ったわけだが、彼らが巣立ち、キャンピングカーとなった現在でも、年に一度は「やりたい」と思うのがウインターキャンプだ。
最初の頃は、電源サイトのある高規格オートキャンプ場に行き、「石油ストーブ」と「ホットカーペット」を使っていた。
シェルターの中をストーブで暖め、テントの床にホットカーペットを敷けば、水道が凍るほどの厳冬期でも、全く寒い思いをせずにキャンプは楽しめる。
それは現在でも変わらないのだが、筆者はそんな「モダン・オートキャンプ」の走りにあたる時代にキャンプを覚えた。
当時はあのスノーピーク社も、まだリビングシェルすら開発してはいなかった。
主流はロッジシェルターと薪ストーブの組み合わせ
代わりに全盛を誇っていたのが、小川のロッジテントだ。
当時の小川テントには、薪ストーブが組み込める仕様になったミネルバSWというモデルがあり、ロッジテントの屋根に煙突を突き出し、時折白い煙を出しながら、いいオヤジ達が仲間とキャンプを愉しんでいる姿に憧れた。
トヨタのCMではないが、そんな様子を見て「いつかは薪ストーブ」と思っていたのは、たぶん筆者だけではないだろう。
それから数年が経ち、SWではないが、今は製造を終了しているミネルバ2と、ホンマの薪ストーブを手に入れた。
さすがにテント泊は卒業し、車中泊になっていたが、この2つがあれば、記憶から消えることのなかった「憧れの親父キャンプ」が可能になる。
昼間からサイトに陣取り、ダッチオーブンで酒の肴を作りながらチビチビ飲み、眠くなれば、シェルターの片隅に広げたコットの上に寝転んで昼寝をむさぼる。
そのうえ雪でも積もろうものなら、気分はまさに「絶好調・最高潮」(笑)。
「車中泊は道の駅でするもの」、逆に「キャンプはテントで寝るもの」と決め込んでいる人もいるが、世の中にはこういう車中泊も存在する。
薪ストーブとダッチオーブンはベストマッチ
ちなみに、薪ストーブとダッチオーブンの相性はすこぶる良く、特にオーバルのダッチオーブン「スポーツマン・クッカー」には最適とも云えるコンロになる。
もちろんここにあるダッチオーブンは、マイ・コレクション。
一時期は16台も家にあって、床が沈むかと思った(笑)。
本来ならその話もゆっくりしたいところだが、今日は先を急ごう。
代わに.HYAKKEIというアウトドア系のウェブサイトに、以前寄稿した記事をリンクしておくので、時間があればぜひ。
失敗しない薪ストーブの「買い方」と「セッティング」
まずは薪ストーブにお勧めのシェルターだが、今はロッジ型シェルターが極めて少なく、写真のような廉価品が見当たらない。
このシェルターは14,800円で手に入れた”掘り出し物”だったが、正統派にはこちらがお勧めだ(笑)。
続いて薪ストーブは、煙突から煙が逆流しないよう、セットではなく、バラ売りで必要なパーツをそろえる。
このセット商品には注意が必要!
筆者のように薪ストーブをセットするには、このセットのままだとシェルターと煙突の距離が近すぎて使えない。
また横にパイプを1本足すと、高さが足らず煙がストーブに逆流する恐れがある。
ちなみに煙突の長さの目安は横1:縦2だ。
正しい構成は以下の4パーツの組み合わせ
●時計型薪ストーブ本体
●ポール3本 これを横1本+縦2本の合計3本使用する。
●エビ1個(横と縦のパイプを連結)
●煙突1個
さらに煙突が倒れないよう、パイルドライバーで固定する。
あとはテントが熱で焦げないよう、コンパネで「トンネル」をDIYする。またストーブと直結する横の煙突の高さを水平に調節する「台」も必要だ。
筆者は、ホームセンターで手に入る三脚式のコンパクトチェアの、座面の生地を剥がして台にしている。
なお、メッシュ付きのシェルターを使う時は、ストーブの煙突周りをロープやペグでしっかり固定し、突風などで揺れて当たらないように気をつけよう。
当たらなくても近づくだけで溶けてしまう場合がある。
昨今のキャンプブームのおかげで、現在は様々なキャンプ用薪ストーブも開発されているようだが、時代とともにキャンプもスタイルが変わるのは当り前。
筆者たちのキャンプスタイルは、平成の終わりとともに「クラシック」になり、このページはやがて、令和の「古典」になるのだろう(笑)。
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