この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
8ナンバー車が「道の駅 草津運動茶屋公園」で車中泊をするなら、観光時は湯畑近くの「草津パーキング」の利用がお勧め
「裏技」を含む、草津温泉界隈の上手な駐車場の利用法【目次】
道の駅草津運動茶屋公園
クルマ旅では、駐車場は観光時にクルマを停めるだけの場所ではなく、時にはそのまま宿泊地になることもある。
もちろん理想は両方兼ねられることだが、草津温泉の場合、タダではそれが難しい。
「道の駅 草津運動茶屋公園」は、湯畑まで約1.3キロ離れているだけでなく、途中に長い坂が待っている。
というか、そもそも道の駅にクルマを置いて、温泉めぐりや観光に出かけること自体がマナー違反なわけで、ここははじめから論外だ。
天狗山第一駐車場(西の河原公園駐車場)
いっぽう、長らく車中泊の旅人を無料で受け入れてきた「天狗山第一駐車場」は、ついに車中泊禁止の措置がとられた。
とはいえ、日中は無料で駐車できることに変わりはない。
見づらいかもしれないが、マップの左上にある「天狗山第一駐車場」は、「西の河原露天風呂」および「草津温泉スキー場」利用者向けに用意された無料駐車場(冬季は有料)で、収容可能台数は300台、草津温泉屈指のキャパを誇っている。
ここから公園の中を歩いて「西の河原露天風呂」までは約7分、さらに温泉街を抜けて「湯畑」までは約20分で行ける。
なんだ「たいしたことないじゃないか」と思うかもしれないが、途中にはこのような長い坂があって、帰りにはそれを登らなければならない。
バリアフリーの迂回路もあるが、当然歩く距離は長くなる。
中には「自転車を積んでいけばいいのでは?」と考える人がいるかもしれないが、それが電動アシスト付きなら問題はない。そうでなければ、たぶん徒労に終わることだろう。
また西の河原通りにある「長寿屋」の前では、店頭で通行人にまんじゅうを試食をさせてくれるのだが、その客引きが気分を害するほどしつこい(笑)。
SNSでも散々な書かれ方をしているようだが、まさにその通りだと思う。
ちなみに、草津温泉のまんじゅうといえば「松むら」か「ちちや」が有名だだが、両店ともにそういうことは一切しない。
湯畑観光駐車場
というわけで
1泊2日で湯めぐり手形を使って温泉をハシゴし、湯畑周辺で食事をしたり土産品を見て回るのなら、有料とはいえ「湯畑観光駐車場」がお勧めだ。
「湯畑観光駐車場」は、その名の通り湯畑の近くにある。
ただし湯畑に行くには急な石段か、長い坂を下らなければならず、帰りはちょっと息があがる。
しかし立体駐車場なので、ミニバンまでなら屋根付きの中に停められ、雨の日にはかなり重宝するはずだ。
こちらは2階の平面スペース。観光バスが利用するので高さの心配はない。
だが、筆者は日帰り利用はしなかった。
なぜならここは、クルマの大きさではなく、ナンバーでキャンピングカーを判別している。
つまりハイエースどころか、軽キャンでもバスコンと同じ料金を徴収される。
しかし、幸いにも入庫前にそのことを係のおじさんが親切に教えてくれて助かった。
そりゃ、こんな荒っぽい識別をされれば誰だって怒るさ(笑)。
これまでにずいぶんキツイ嫌味やクレームがあったであろうことは察しがついた。
そこで8ナンバーに乗る車中泊旅行者のために朗報をお届けしよう。
草津パーキング
「湯畑観光駐車場」からバスターミナルを挟んだところに、「草津パーキング」という平面駐車場がある。こちらは30分100円、2時間で400円になる。
バスターミナルを通り抜ければ、両者の距離は100メートルほどしかない。また「草津パーキング」から湯畑までは、坂を下るだけなので道もわかりやすい。
前述したように、8ナンバーカーにとって日中の「湯畑観光駐車場」は鬼門だが、15時から翌日10時までは「車中泊のベストスポット」になる。
ということは、時間帯で両者をうまく使い分けるのが最善策ということだ。
また「道の駅草津運動茶屋公園」で車中泊をした後、1時間ほど湯畑界隈を散策したい人にも、この「草津パーキング」が安くていい。
大滝乃湯駐車場
最後に「裏技」といえるかどうかは使い方次第だと思うが(笑)、湯畑まで歩いて行ける、大滝乃湯の無料駐車場についても記載しておこう。
大滝乃湯の駐車場は大きく2ヵ所に分かれており、写真は温泉館の手前の駐車場になるが、分かりやすいので満車の時も多い。
いっぽうこちらは、温泉館の奥にある駐車場。いずれも無料だが、もちろん夜間は閉鎖されるので車中泊はできない。
入口には「大滝乃湯専用駐車場」と書かれているので、温泉を利用するのは当然として、900円も払うのだから、その前後に湯畑を見に行くくらいのことは許されると筆者は勝手に思っている(笑)。
駐車時間は、常識からすれば入浴込み2時間程度…
そのくらいは温泉好きのおじさん・おばさんは平気で館内にいる。
つまり使い方は違えど、結果はどちらも変わらない。