田舎館で「田んぼアート」が誕生した理由と、もうひとつの驚くべき見どころ 2021年5月更新

田んぼアート青森県の絶景スポット
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この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊ならではの旅」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
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「田んぼアート」は、”村おこしの一手”が功を奏した成功例

田舎館 田んぼアート

「田んぼアート」は、たんぼに色の異なる稲を植えて創り上げた、巨大な絵や文字のこと。

1993年に村おこしの一環として、青森県南津軽郡田舎館村の役場裏手の田んぼで行われたのが最初と云われており、四半世紀をかけて全国各地に広まった。

いなかだて たんぼアート

当初使用された稲は、古代米2種類(黄稲、紫稲)と、この地方で栽培されているブランド米の「つがるロマン」の3種類だけだったが、2014年には7色10種類にまで増え、作品が色鮮やかになってきた。

現在、田舎館村では2ヶ所で「田んぼアート」を見ることができる。

出典:田舎館村ホームページ

弥生の里展望所

弥生の里

旅人が足を運びやすいのは、「道の駅いなかだて」に隣接する田んぼアート第2会場がある「弥生の里」。

写真左の展望所からは「石アート」と「田んぼアート」の2種類の作品を見ることができる。

手塚治虫キャラクター 田んぼアート

2018年の「田んぼアート」は「手塚治虫キャラクター」だった。

美空ひばり 石アート

こちらは石で創られた「美空ひばり」。展望所の別の面から見られる。

ダイアナ王妃と鉄腕アトム 田舎館

弥生の里展望所の一番の見どころは、「石アート」のダイアナ王妃と「田んぼアート」が見られるこの面。しかも奥には岩木山が顔をのぞかせている。

見学料金と時間

■観覧期間(2019年年度)
①4月23日(火)~ 5月6日(月祝)※石アートのみ/おとな200円
②2019年6月15日(土)~10月6日 ※田んぼアートも観覧可能/おとな300円
■見学時間
9:00~17:00(最終入館16:30)
夏休み期間中は8:30~18:00(最終入館17:30)
■問い合わせ先:田舎館村役場企画観光課0172-58-2111(内線242・243)

弥生の里

弥生の里展望所は、「道の駅いなかだて」から徒歩4.5分のところにある。

田んぼアート オフィシャルサイト

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さて。ここまでの話なら、どの紹介サイトにも書いてある(笑)。

だが、なんで田舎館で古代米を使った「田んぼアート」を毎年やるんだ? それに「弥生の里」と云う限りは、なにか関連があるのでは?

いい大人なら、こういうことに疑問を感じよう。

道の駅いなかだて

実は田舎館には、「田んぼアート」を開催するに値する背景がある。

隣接している垂柳遺跡は、約2100年前の弥生時代にあった水田の跡が、656枚も発掘された場所で、その結果、稲作の北限の定説が覆ったことで有名になった。

現在はその小さな水田のうちの161枚を復元し、「弥生体験田」として農業体験ができる場となっている。

垂柳遺跡

裏手にある「田舎館村埋蔵文化財センター」では、弥生人の足跡を含むその水田遺構を、建屋の中で保存管理しており、2000年(平成12年)には国の史跡に指定されている。

2100年前というのはBC (Before Christ)。

田舎館村埋蔵文化財センター

イエス様が生まれる前の日本に暮らしていた人々の足跡が、ここで見られるってのは、考えてみればすごいことだ。

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