この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊ならではの旅」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
まずは、五所川原立佞武多を動画でご紹介。
五所川原立佞武多(ごしょがわらたちねぷた)とは、青森県の五所川原市で毎年8月4日~8日に開催される夏祭りのこと。
写真は立佞武多(たちねぷた)と呼ばれる灯籠山車で、高さはなんと20メートルを超える。これを人力で動かし、市内を巡行するというのは、さすがにちょっと想像できないかもしれない(笑)。
そこで最初にその様子を動画でご紹介。お囃子と掛け声入りなので、できれば音声もいっしょに再生していただきたい。
青森と同じルーツを持つ「ねぶた」が、なぜ五所川原ではこれほどノッポになってしまったのか…
まずはその疑問に答えてくれる「立佞武多の館」に足を運ぼう。
【予習・下見】立佞武多の館
有料展示室に、祭りで使われる大型の立佞武多が常時展示されており、立佞武多そのものと、歴史について学べる。もちろん祭りの時期以外でも「本物」を展示している。
立佞武多の館
開館時間9:00~19:00(4月~9月)・無休
立佞武多展示室の入場料 大人600円
正面に駐車場あり
「五所川原立佞武多」の見学スポット
椅子に腰を落ち着けるより、動いて見るほうが面白い!
マップは「五所川原立佞武多」の巡行コースで、筆者が選んだ立佞武多の見どころは★マークを付けている2つの場所だ。
ひとつはマップ上部の「立佞武多の館」前。夕方には、年に一度、この時期にしか見られない「立佞武多の出動」が行われるので、少し早めに行くといい。
祭り開始直後。ここはスタート地点に近いため、ほぼ正面から立佞武多が巡行してくる様子がうかがえる。交差点付近は道も広く、立見でも人と人の間からカメラを出せる場所は探せる。
そしてどこよりも早く、メイン3体の立佞武多が同時に見られる。
もうひとつの「見どころ」は、マップ左の通りだ。ご覧の通り、この筋は道が細く、立佞武多巡行の「難所」にあたる。
手すりのような電線と、出っ張った看板を器用にかわして進む立佞武多に、観衆からは拍手と歓声が贈られ、まるでライブのような一体感が味わえる。
パレードに関して云うと、「青森ねぶた祭り」よりもまとまりがよく、「おらが町の祭り」としては圧倒的に素晴らしい(笑)。参加自由のイベントではなく、「練習を重ねた晴れ姿を披露するぞ!」という心意気を強く感じた。
一眼レフで撮影するなら、18ミリの広角レンズでちょうどいい。
立佞武多は「想像のはるか上をいくデカさ」だ。しかも歩道に陣取ると、すぐ脇を通るため、標準レンズのデジカメでは簡単にファインダーからはみ出してしまう。筆者が「立見」を勧めるのはそれもあっての話。レンズの広角度合いが足りない分は、自分の足で補おう。
この写真は一眼レフに18ミリの広角レンズを装着して撮影したが、27ミリクラスの標準レンズなら、むしろスマホの方がうまく撮れる。
会場周辺の駐車場事情
総合的に判断すると、車中泊の旅人にお勧めなのはショッピングセンターELM(エルム)だ。駐車場は数ヶ所に分かれており、驚くほどのキャパがあるので、まず満車で停められないという心配はない。
五所川原立佞武多の期間中は、祭り見学者用に無料開放されており、気兼ねなく長時間駐車もできる。そのうえ平面駐車場なので、キャブコンでも安心だ。
入浴と食事
ショッピングセンターの一画には、日帰り温泉「エルムの湯」とイトーヨーカドーがあり、ELMの中の食品売り場にも、美味しそうな弁当類が売っている。入浴と軽い食事の時間を踏まえて、午後3時にはエルムに到着するくらいのスケジュールでいいだろう。
なお、エルムと「立佞武多の館」は1キロほど離れているため、歩くと15分ほどかかる。
祭りの期間中は片道200円のシャトルバスが運行されているので、面倒ならそれを利用するといい。
その他のお勧め観光スポット
鶴の舞橋は、無料で散歩ができる時間つぶしに最適なスポットだ。
見物後に使える車中泊スポット
エルムの無料駐車場には24時間使える公衆トイレがないため、最寄りの車中泊スポットは、約10キロ・20分ほどのところにある「道の駅つるた」になる。
ただし、この道の駅の駐車場は普通車の収容台数が80台と小さめで、出遅れると満車になる可能性がある。
確実性が高いのは、五所川原から国道で約30キロ・45分と少し離れるが、普通車183台のキャパを誇る「道の駅いなかだて」だ。
ここには有名な「田んぼアート」があるので、どのみち寄ってみるだけの価値はある。