この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
どちらもトイレがあって、日帰り温泉が隣接
2021年3月更新
残念ながら、白馬八方第2・第3駐車場には上の看板が立てられ、現在は「車中泊禁止」になっている。
ただ、「ほんの一握りの利用者」の悪行にキレて、これまで町を潤してくれていた「圧倒的多数の善良な車中泊旅行者」を排除した「罪」は軽くない。
「原因」は過去の話で、「禁止」はこれからの話。
悪いのは過去に悪事をしでかした人たちであって、これから八方尾根に来て、車中泊でスキーを楽しもうと思っている人たちに、何の罪がある。
筆者は犯人ではないが(笑)、還暦を過ぎた今は、学生時代から通い尽くした白馬にさほどの未練はなく、「あっそう、それならもういいや」となる。
これは禁止の要因となった当事者たちもたぶん同じで、当の本人たちには痛くも痒くもない愚策だ。
手っ取り早く解決したいという思いだけで、こういう事態が好転しないことは、既に草津温泉や乗鞍高原で実証済み。
肝要なのは、「何が禁止なのか」を誰もが分かるようにはっきりさせること。そうすれば、車中泊をしない人もする人も、輩を見たら通報してくれるし、その「お願い」を連記しておけば、強力な抑止力にもなる。
善良な車中泊旅行者を失い、さらにコロナでリッチな外国人が消えれば、白馬の行く末はGSやコンビニまでもが消えてしまう「ゴースト観光地」になるしかないのは明白だ。
申し訳ないが、その意味でのコロナ禍は「いい薬」になると思う。
日本屈指のスノータウンが、今後どうなっていくかが興味深い。しょぼいゲレンデしかない場所で、アタマを絞って頑張ってる人たちの身になって考えてみよ!
さて。当サイトでは、過去の記録として「車中泊ができた当時の話」をそのまま掲載することにしている。
以下は、過去の記録
長野オリンピックのアルペン競技会場となった「八方尾根スキー場」といえば、筆者の世代でスキーをする人間なら、一度は耳にしたことがある国内屈指のゲレンデだ。
だが日本人のスキー人口が当時の1/3まで減ったと云われる現在、白馬村はすっかり外人天国と化しており、店の看板も多くが英語になっている。
国道を走っていると、そんなふうには感じないかもしれないが、ホテルが立ち並ぶ通りを歩けば、そこにはまったく違う「国」が在る。
その点では確かに北海道のニセコ・ヒラフとよく似ている。
さて。オリンピックができるほどのスケールを誇る「八方尾根スキー場」だけに、駐車場は充実している。
現在利用できるのは6ヶ所、うち3ヶ所にトイレがあり、その中のP2・P3駐車場は日帰り温泉施設と隣接している。
こちらの写真がP2こと、八方第2駐車場。
駐車場の収容台数は約70台。路面は舗装されているものの、春先は除雪した雪が溶けてぬかるんでいる場所がある。
旅館街と隣接しているので、飲食店も充実しており、車中泊の環境的には道の駅よりもはるかに便利だ。
雰囲気は「さんさんパーク白馬」のほうがいいと思うが、利便性ではここが勝る。夕方は温泉客で混み合うが、21時を回れば停める場所は見つかるだろう。
八方の湯
大人800円
9:00~22:00(水曜日は12:00~)・無休
※水曜日が祝日の場合は9:00~、翌木曜日 12:00~
24時間使えるトイレは、温泉に向かって左手の建物の中にある。
ちなみに、こちらはP3の八方第2駐車場。
スキー・スノーボードをする人と、ゴンドラの始発便に乗って八方尾根の自然研究路を訪ねたい人には、こちらが近くてお勧めだ。
駐車場の収容台数も約200台とジャンボ。おまけに温泉も安い。
白馬八方温泉 郷の湯 ℡0261-72-6541
料金:大人600円
営業時間:12:00~21:00(受付終了 20:30)
定休日:火曜日/7月下旬~8月中旬、12月下旬~3月末は無休