この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、原稿作成のためのメモ代わりに書き残してきた「忘備録」を、後日リライトしたものです。

この記事を元に、帰宅後整理した最新のコースガイドがあります。

アクアラインから南房総へ
4月1日の3時過ぎ… 日本一周旅の太平洋岸の積み残しエリアである東海~関東方面への取材に出た。
具体的な旅先は、房総半島と富士・箱根・伊豆、そして知多・渥美半島になる。もちろん、いずれも過去には足を運んでいる場所だが、「この1年間では行けていない」。
カーネルには直近1年の情報を掲載するようにしている。
初日の車中泊地は新東名高速道路の「浜松SA」。ここはうちから約280キロ、東京湾アクアラインルートで行く房総半島入口にある、木更津までのちょうど中間点にあたる。
金曜日というのに人は多く、駐車場はほぼ満車。明日から連休だったっけ?と勘違いするような活況だった。
それにしても、さすがは楽器の町、というかYAMAHAの町(笑)。フードコートにはト音記号?をあしらったようなテーブルが一際目立つ。また売店には数々のハーモニカが品揃えされ、さらにグランドピアノが置かれたミニコンサート・ルームまで設けられていた。
東名高速道路上のサービスエリアは、他の高速道路とは「格段の差」がある。特にNEOPASAと記されたSAには上記の天神屋があり、シャワーとコインランドリーが利用できる。しかも新東名のSAは、全てNEOPASAなのだ。
また新東名の路面は水を吸収するため走りやすく、政府は速度制限を100キロオーバーにすることを検討しているというが、確かにこの道は「高規格・高速道路」であることに間違いない。ハイエースで走るには、ちょっともったいないかも(笑)。
翌朝は4時経ち。
東名高速に合流後、横浜経由でアクアラインを目指す。といっても、コースを決めるのはカーナビで、筆者は表示とおりに走るだけ…(笑)。
横浜ベイブリッジあたりからスピードは徐々に下がり、アクアラインのトンネルでは、既に7前から渋滞が始まろうとしていた。
海ほたるに到着したのは7時40分頃。天気は小雨で、予報通り芳しくない。ただ、海ほたるの駐車場の高さ制限は2.5メートルなので、ハイルーフでもこのように屋根ありの場所に停められる。特にミニバンなどの普通車は、雨の日の車中泊にはここが便利でいいと思う。
もうここまでくれば、先を急ぐこともないというわけで、「朝が来た」の最終回を見ながら朝食を食べることにした。
本当は若死されたというアサのお姉さんだが、ファンからの要望があり、ドラマではあおいちゃんを最後まで登場させたと聞く。
確かに「篤姫」以来、久しぶりに見る落ち着きと品を感じさせる名演技ぶりだったと筆者も思う。これも岡田君のおかげなのでしょう(笑)。
さて。筆者が房総半島を訪ねるのは2012年6月以来。
この時は梅雨の最中で天気があまり良くなく、撮影は苦戦を強いられたのだが、運よく1日だけ青空に恵まれた。
また昨年の7月にも取材を予定して上京してきたのだが、やはり雨に祟られ、房総半島を飛ばして茨城県の潮来から北上することになった。
そして今回…
またしても天気は曇り。雨はかろうじて逃れられそうだが、きれいな青空には巡り会えそうにない。
そこでこの日は天候に関係ない道の駅を周ることにした。
最初に足を運んだのは、2015年12月にグランドオープンしたばかりの道の駅「保田小学校」。ここは「絶賛」に値する施設だと思うので、近いうちにその詳細を記載するつもりだが、今後の道の駅の新築やリニューアルのモデルケースになると確信した。
こういう拠点を設ければ、著名な観光資源がなくても「村おこし」はできると思う。
その後は「きょなん」、「とみやま」、「とみくら」と海岸沿いの道の駅を辿り、館山へと向かった。
館山の海岸で偶然目にしたのは、この光景。
はてどこかで見たような…
実は先日BSで放送された、間関平と大和田獏がキャンピングカーで房総半島を旅する番組で、このホース・トレッキングが取り上げられていた。一帯は砂丘になっており、なるほど馬がよく似合う。
こちらは道の駅南房パラダイス。ここはサーフポイントに近いこともあり、ハワイがテーマになっているようだ。
白浜が近づくにつれ、天気に異変が生じてきた。そう、ここでついに雲が切れて青空が見えてきた。これは予想外の予報外。晴れ男の面目躍如だ!(笑)。
野島崎では、まるでドピーカンのような写真も。
外房らしく、やや荒れ気味の磯で大物がヒットしないものか…と30分ほど待ってみたが、今日はどうやら「彼の日」ではなかったようだ。
そして間もなく、再び空は雲に覆われ、夕日の撮影は絶望的になった。
ということで野島崎を離れ、午後6時前に本日の宿泊地である「風和里しばやま」に到着。
温泉は昼間に保田小学校に近い「和楽の湯」に入ってきたので、早々と途中のスーパーで仕入れてきた地物の「コチ」と「ヒラメ」を肴に、地ビールで疲れを癒した。それでも労働時間は14時間。これからはそんな日々が秋まで続く。
明日は九十九里浜を北上して、銚子でまた美味い魚を探すとしよう。


