この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
冬の山中湖を満喫して帰る、「車中泊ならではの旅」。
まず、「山中湖アイスキャンドルフェスティバル」とは何ぞや? から始まる人は、以下の記事からご覧頂きたい。
このページはその「続き」になるわけだが、要はせっかく山中湖に行く以上は、「ダイヤモンド富士」と「アイスキャンドルフェスティバル」だけでなく、得意の車中泊を駆使して、より多くのコンテンツを楽しんで帰ろうという算段だ。
ただし、その前に知っておくことがある。
2014年2月に関東地方を襲った南岸低気圧により、山中湖周辺に150センチ近い雪が積もり、国道138号が数日間にわたって通行不能となったのは記憶に新しいと思う。
富士五湖の中でも特に山中湖周辺は冷え込みが厳しく、冬期はこういう路面を想定した、積雪と凍結に対する十分な備えと知識が欠かせない。
もし不安なら、後ほど以下の記事にも目を通しておくといい。
さて、ここからが本番。
今回の旅は目的がはっきりしているので、逆算して組み立てるほうがいい。
この「ダイヤモンド富士」の撮影ポイントと、日没後に始まる「アイスキャンドルフェスティバル」の会場は、下のマップの「山中湖交流プラザきらら」になる。
ということは、少しでも早く駐車場を確保するに越したことはない。
「ダイヤモンド富士」と「アイスキャンドルフェスティバル」だけでいい人には、この作戦がお勧め
「山中湖交流プラザきらら」の駐車場は収容力が大きく、トイレやお風呂の環境が整っているうえに、イベントの前後は無料開放される(年により内容が変わっているようなので要確認)。
お勧めはイベント会場にもトイレに近い第2駐車場だが、前日から車中泊客で埋まり始め、当日は午前中でほぼ満車になる。
そのため確実を期すなら、金曜日からの前泊がいい。
ただし、ここにクルマを停めると、土曜日のイベント終了までは、もうどこにも行けなくなる(笑)。
ということは、ダイヤモンド富士が見られる夕方まで、FFヒーターが効いて食事が作れ、好きなテレビでも見ながらクルマの中で快適に過ごせるキャンピングカーでなければ、現実的にこの作戦は難しい。
それに気温が下がる金曜日の夜遅くに、山中湖まで来るのは避けたほうがいい。3連休が取れるならいいが、現役世代のミニバン車中泊は、この後で説明する方法を選ぶほうが賢明だ。
なお、最寄りの温泉は
山中湖平野温泉石割の湯
こちらのページを印刷していくと10%OFFになる。
☎0555-20-3355
料金:大人900 円
10時~21時(受付最終20時30分)
木曜定休
※2022年10月より短縮営業
平日:11時~19時(受付最終18時15分)
土日祝:11時~20時(受付最終19時15分)
「きらら」の第二駐車場から約2.5キロ、車なら5分ほどだが、この季節はさすがに歩いては行けない(笑)。
ただここなら、イベント終了後でも間に合うだろう。
現役世代向けのモデルプラン
10時 道の駅富士吉田 到着
↓ 隣接
富士山レーダードーム館
↓ 約7.5キロ・クルマで10分
小作(ランチ ほうとう)
↓ 約9キロ・クルマで15分
パノラマ台
↓ 約4キロ・クルマで5分
15時 山中湖交流プラザきらら 到着
ダイヤモンド富士撮影
アイスキャンドルフェスティバル
↓ 約10キロ・クルマで15分
紅富士の湯
↓ 約5.5キロ・クルマで10分
道の駅富士吉田(車中泊)
コースの概要
この時期は17時30分くらいに日没を迎えるが、ダイヤモンド富士はそれより1時間ほど早い16時30分頃に見られる。
クルマがスムーズに「山中湖交流プラザきらら」に停められればいいが、満車で別の臨時駐車場に誘導される可能性を考えると、遅くてもその1時間前には到着しておきたい。
いっぽう道路が凍結していた場合、安全に山中湖に辿り着けるのは気温が上がる10時頃だ。
それでも自宅を8時過ぎに出ないと、間に合わない人もいると思う。
以上の要件から、観光と食事に使える時間を算出すると5時間半になる。
それぞれの移動時間や待ち時間などを考慮すると、周れる件数は3~4件が妥当な線だろう。
道の駅 富士吉田
トイレを済ませたり、観光情報を仕入れる、あるいは時間調整をしたり、友人と待ち合わせる場合にも道の駅は便利だ。
というわけで、まずはここからスタートしよう。
またあわせて、この時に夜の車中泊に適した場所も確認しておこう。暗くなると駐車場の傾斜が判らなくなる。
「富士山レーダードーム館」はそこから歩いて行けるところにある。
ランチタイム
観光地では12時のお知らせを聞く前に、食事処の暖簾をくぐろう。
そのための秘訣は、あらかじめ行く店を決めておくことだ。
富士吉田の郷土料理といえば「吉田うどん」か「ほうとう」が有名だが、ここでは「絶メシロード」とは違い(笑)、筆者の好みで「ほうとう」を紹介する。
パノラマ台
富士山と山中湖を眺望できる、エリア随一の展望所が「パノラマ台」だ。
この日は見通しが良く、山中湖の彼方に南アルプスの山並みがはっきり見えた。
イベント時の留意点
それは服装だ。
まず、湖畔には雪や水たまりがあることを覚悟し、防寒・防水性を兼ねたシューズで臨もう。
また日中は暖かくても、日没と同時に急激に気温がさがる。
こういう時に有効なのはネックウォーマーと帽子。
もし忘れてきても、今はどちらもコンビニや100円ショップで手に入る。また写真のネックライトもこういう時には有効だ。
温泉と夕食
「アイスキャンドルフェスティバル」は思っているより終了が早い。
18時30分までには花火も打ち終わるので、スムーズに退散すれば、7時過ぎには「紅富士の湯」に到着できる。
「紅富士の湯」には食事処もあるので、ここで入浴といっしょに済ませるのが一番ラクだ。
なお、下の公式サイトからは10%の入館割引券がゲットできる。スマホならQRコード、パソコンの場合は印刷して持参しよう。
Ps
最後にひとつ宣伝を。
筆者はこれまでに、こういう車中泊旅行の具体的な「コースガイド」を何冊か執筆してきたのだが、その最新版が2020年2月14日に発売されている。
この話がおもしろかったという人は、たぶん全部がそうだと思うので、ぜひ一冊手に入れていただけると嬉しく思う(笑)。
富士山 車中泊旅行ガイド
世界文化遺産・富士山の見どころをご紹介。