この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
温泉が併設する「道の駅 喜多の郷」は、ラーメンでお馴染みの福島県・喜多方市にある昔からの道の駅
道の駅 喜多の郷【目次】
「道の駅 喜多の郷」のロケーション
「蔵の街」とも呼ばれる喜多方だが、やはり訪れる旅人のお目当ては日本三大ラーメンのひとつに名を連ねる「喜多方ラーメン」だと思う。
喜多方は人口37,000人あまりの小さな町だが、市内には120軒ほどのラーメン店があるといわれ、対人口比の店舗数では日本一を誇っている。
確かににクルマでも徒歩でも町中を通れば、「老麺」と書かれた何軒もの暖簾が目にとまる。
ただ、どの店の「喜多方ラーメン」もボリュームがあって、並の胃袋ではハシゴするのは難しい(笑)。
その意味からすると、「道の駅 喜多の郷」で車中泊をして、初日と翌日に一軒づつ周るというのがオーソドックスな「喜多方ラーメン」の食べ歩き法と云えそうだ。
喜多方には「朝ラー」という言葉があり、早朝から営業している店も多い。
いっぽう「道の駅 喜多の郷」は、福島県の会津と山形県の米沢を結ぶ国道121号沿いにあり、裏磐梯へのアクセスにも優れた立地にある。
しかも温泉併設ということで、昔から車中泊旅行者には人気があった。
ただ会津と米沢に素晴らしい道の駅が誕生した現在は、以前ほどの一極集中ではなくなりつつある。
「道の駅 喜多の郷」の施設
「中山森林公園」に隣接する「道の駅 喜多の郷」には、「観光案内所」「ふるさと亭」「四季彩館」「蔵の湯」の4つの建物があり、駐車場は大きく3ヶ所に分けられる。
ただトイレが入口近くにあるため、車中泊には白い観光案内所前のスペースが便利だ。ただし、ここには微妙な傾斜がある。
ちなみに観光案內所には、周辺のパンフレットやマップがふんだんに揃っており、初めて喜多方を訪れる人には、車中泊場所の下見を兼ねて、観光前に足を運んでみることをお勧めしたい。
レストランの「ふるさと亭」。
営業時間は午前10時から午後6時まで(ラストオーダーは午後5時45分)。もちろんここでも喜多方ラーメンは食べられる。
併設する売店。
さすがに1997年オープンだけあって古臭さは否めないが、ここではちょっと気になるお酒を発見。
小原酒造の蔵粋(くらしっく)は、白壁土蔵の蔵の中で、モーツァルトを麹に聴かせて発酵させた日本初の音楽酒。
味わいはふくよかで、筆者は酒蔵まで足を運んでいる。
さて、こちらは「四季彩館」(左)と「蔵の湯」の前の駐車スペース。
フラットで奥まっているため、車中泊に慣れた旅人の姿が多い。
まだ若かったミニバン時代の筆者も、喜多方に来ればこちらで寝ていたが、今はすっかりトイレの近くが似合う歳になってしまった(笑)。
見学無料の「四季彩館」の館内。
公式サイトによると、「四季彩館」は蔵のまち喜多方の歴史、文化、風土の情報を展示した施設ということだが、正直なところ見ただけではピンとこない。
ただ2020年になっても、2013年に放送された「八重の桜」の主役、綾瀬はるかの凛々しいポスターが、色あせもせずに見られたのは嬉しかった。
最後に、とっておきの情報を。
ご覧の通り「道の駅 喜多の郷」では「お花見車中泊」ができる。喜多方の桜が満開を迎えるのはGWの前後。
お花見車中泊に最適なのは、道の駅の入口近くにある「中山森林公園」に隣接する第二駐車場で、ここでは「ワンランク上の車中泊」が楽しめる。
「道の駅 喜多の郷」の車中泊好適度チェック!
「道の駅 喜多の郷」の温泉&周辺買物施設
実は一時期「蔵の湯」は温泉が出なくなり、沸かし湯になっていた。だが2018年に新しい源泉を掘り、現在は再び温泉として営業している。
泉質は炭酸カルシウム・単純温泉。pH値は7.53とほぼ中性だが、「メタケイ酸」を多く含むため保湿効果が高く肌はすべすべになる。
蔵の湯
☎0241-21-1139
大人500円 ※17時以降は300円
9時~午後21時(受付最終20時)・第1水曜定休
コンビニ
約500メートルのところにセブン・イレブンがある。
スーパーマーケット
「ブイチェーン喜多方店」まで約5キロ