この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
それは喜多方ラーメンだけじゃない。
とはいえ、この記事の主役が「喜多方ラーメン」になることは確かだ。
ただここでその話を書くと、とめどなく続いてしまうので、別立てのページを用意している(笑)。
スケジュールに余裕があるなら、喜多方で1泊
喜多方は、ラーメン以外に「白壁土蔵の蔵」と「地酒」が有名だ。
それらを周るには予備知識が必要だが、今は「昭和」を蔵出ししている「ふれあい通り」のような、気軽に「ぶらり旅」を楽しめる場所もある。
SLばんえつ物語号
「SLばんえつ物語号」は、新潟県の新津駅から福島県の会津若松駅までの111キロを、片道約3時間30分かけて走行している観光列車で、4月 から11月までの土曜・休日を中心に、1日1往復が運行される。
使われているSLは「貴婦人」の名で親しまれてきたC57。鉄ちゃんからは「シゴナナ」と呼ばれていて、他では「SLやまぐち号」にも使われている。
終着・始発駅となる会津若松駅は、停車時間が長いので写真は撮りやすいと思うが、走行シーンを狙うなら、民家の少ない喜多方の近くがいいと思う。
ただ残念なことに、このカットをどこで撮影したのか覚えていない。
SLばんえつ物語 オフィシャルサイト
猪苗代ってど~よ?
中高年の場合、猪苗代と云えば「野口英世」を思い出す人が多いと思うが、若者やファミリーにとっては、「表磐梯」にある水辺のリゾート地のようだ。
よって、こういう施設に人が多く集まっている。
もっともそういう情報は「るるぶ」や「まっぷる」だけでなく、ネット上にも溢れ返っているわけで、いまさら筆者の出番もないし、書く気もない(笑)。
そうなると、マストと呼べるのは「野口英世記念館」と「猪苗代湖」くらいしか残らない。
野口英世記念館
野口英世博士の生家と資料の展示ブースに分かれ、生家には英世が左手に火傷を負った囲炉裏や、決意を刻んだ床柱などが、当時のままに残されている。
また展示室には、遺品や文書が数多く展示されているが、アニメや蝋人形などを駆使して、子供が興味を持てるように工夫されている。
ここは大人だけでなく、小学生にもお勧めのミュージアムだ。
野口英世プロフィール
現在の1000円札に描かれている野口英世は、アメリカのロックフェラー医学研究所を拠点に世界で活躍し、ノーベル賞の候補にも挙がった黄熱病の権威。
しかしその研究中に自らが感染し、1928(昭和3)年に西アフリカのアクラ(現ガーナ共和国)で51歳の生涯を閉じる。
野口英世記念館
〒969-3284 福島県耶麻郡猪苗代町三ツ和字前田81
☎0242-65-2319
入場料600円
4月~10月 9:00~17:30(入館締切 17:00)
11月~3月 9:00~16:30(入館締切 16:00)
年末年始を除き、年中無休
猪苗代湖
福島県のほぼ中央に位置する猪苗代湖は、琵琶湖、霞ヶ浦、サロマ湖に次ぐ日本で4番目に大きい湖だ。
東西南方向からはキラキラと輝く猪苗代湖の向こうに、磐梯山の雄姿が見られ、天鏡湖(てんきょうこ)と呼ばれることもある。
毎年10月になると、400羽を越えるハクチョウが湖の北岸一帯に渡来し、4月までの半年以上をこの地で過ごすことから、「猪苗代湖のハクチョウおよびその渡来地」として、国の天然記念物に指定されている。
ちなみに猪苗代湖でハクチョウに出会える場所は、長浜にある遊覧船発着所近くの「レイクサイドホテル みなとや(☎0242-65-2111)」の前。筆者が訪ねた時は、ちょうどハクチョウに給餌をしている時だった。
会津は「ついで」に見られるほどヤワじゃない。
たとえ桜の季節といえども、「鶴ヶ城」ひとつ見ただけでは、会津若松を観光したことにはならないと思う。
会津若松に行くなら、その前にけっこうマジで日本史を見直したほうがいい。