この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
五色沼から行く「磐梯吾妻レークライン」は、「磐梯吾妻スカイライン」への導入路
「磐梯吾妻レークライン」は、磐梯山の噴火によってできた「磐梯三湖」の、「桧原湖」から「小野川湖」の南岸を経て「秋元湖」の北岸へと至る、13.1 キロの観光道路で、桧原湖方面から来ると、そのまま「磐梯吾妻スカイライン」へと続いていく。
「磐梯山ゴールドライン」同様、かつては有料だったが、2013年(平成25年)に無料開放されている。また例年11月上旬から翌年4月下旬までは全面閉鎖される。
「磐梯吾妻レークライン」 ドライブガイド
道路の両側は大半が広葉樹の森林に囲まれており、湖が眺められる場所は限られている。写真は涼風峠から見える「桧原湖」。
一番の見どころは「三湖パラダイス」。だが、ここでは事前知識が必要だ。
まず上のマップを見れば一目瞭然だが、ここから「桧原湖」「小野川湖」は同じ方角に見えるが、「秋元湖」は逆方向にある。つまり同時には見られない。
そのため展望ポイントを示したパネルが駐車場に用意されている。ただこの看板で大事なのは右の2つのBとCで、一番左のAはどうでもいい(笑)。
これがBから見える「秋元湖」と磐梯山。
そしてこれがCから見える「小野川湖」(手前)と「桧原湖」(奥)。これを合わせて「三湖パラダイス」と呼んでいる。
だが桧原湖方面から登ってくる旅行者の多くは、先に姿を現すCの展望台の人だかりに釣られて、路上にクルマを停める。
その結果、「秋元湖」を見ないまま「磐梯吾妻レークライン」を立ち去っているわけだ。
もっとも、このことを走行しているドライバーに、「道路標識」で知らせるのは至難の業だと筆者も思う(笑)。
我々にはツアコンもバスガイドもおらず、すべては自分次第。ゆえに「予習」が大事ということだ。
「磐梯吾妻レークライン」 車中泊ガイド
さて、ここからは車中泊絡みの話になる。
「磐梯吾妻レークライン」の途中には、かつては山伏の修験場だったといわれ、今は紅葉の名所で知られる中津川渓谷がある。
渓流沿いには遊歩道が整備されており、この「中津川渓谷レストハウス」にクルマを置いて、脇から渓流まで降りられるようになっている。
中津川渓谷にはトレッキングや風景写真を撮りに訪れる人もあるようで、「中津川渓谷レストハウス」の駐車場と野外トイレは24時間開いている。加えて屋根付きの休憩所もあるので、車中泊は比較的しやすい。
「磐梯吾妻スカイライン」から桧原湖方面に下るなら、ここで一休みするのも悪くはないだろう。