「クルマ旅専門家」・稲垣朝則が、20年以上かけて味わってきた全国のソウルフード&ドリンクを、レシピに老舗・行列店を交えて紹介します。
中高年の旅行者が知りたい、喜多方ラーメンのホントの話。
今やグルメ情報といえば、なんてったって「食べログ」だ(笑)。
喜多方ラーメンの特徴・歴史・名店ガイド【目次】
1.喜多方ラーメンの特徴
以下は、「ウィキペディア」に掲載された喜多方ラーメンの記事を要約し、オリジナルの画像を加えたものになる。
「札幌ラーメン」「博多ラーメン」と並んで「日本三大ラーメン」のひとつと云われる「喜多方ラーメン」は、醤油系の透明な豚骨スープが基本で、あっさりした味わいの店が多い。
ただ中には、塩を柱にしている有名店もある。
麺は「平打ち熟成多加水麺」と呼ばれる太麺で、独特の縮れがあって食感は柔らかい。具は「チャーシュー」「ねぎ」「メンマ」「なると」など、オーソドックスな素材が主だ。
2.喜多方ラーメンの歴史
2-1.元祖・喜多方ラーメンは、「源来軒」
喜多方ラーメンの歴史は、昭和2年に「源来軒」の創業者が中華麺に近い「支那そば」を打ち、屋台を引いたのが原点とされている。
「源来軒」の創業者は中国・浙江省の出身で、大正末に日本に渡航してきて、喜多方で中華麺の製造・販売を始めた。
それから「源来軒」の「支那そば」を継承する人間が増え始め、「満古登(まこと)食堂」「坂内(ばんない)食堂」など、市内の多くの「食堂」が「支那そば(中華そば)」をメニューに出すようになったという。
それは現在にも引き継がれており、喜多方市内に行けば「○○食堂」という屋号を使っているラーメン店を数多く目にする。
2-2.喜多方ラーメンをメジャーにしたのは、「まこと食堂」
実はそんな喜多方ラーメンに最初に注目したのは、市の商工観光課の職員だったというから面白い。
時代は高度経済成長期。
喜多方には古びた蔵がたくさん残っており、市内で写真館「金田写真荘」を営む金田実が、それをレトロに写した写真展を東京で開催したことで、「蔵のまち喜多方」は一躍注目を浴びる。
その結果、NHKや民放で特番が組まれるようになり、観光客の数は年間5万人から20万人にまで急増した。
しかしいっぽうでは、町の観光収益増大のために、観光客の滞在時間拡張対策が急務となっていた。
そこで市の商工観光課の職員は、団体客の昼食に目をつける。
結局は、市内の日本料理屋に団体客を受け入れるスペースなどがないことから、ラーメン店の「まこと食堂」に白羽の矢を立てることになるのだが、1杯数百円の安い店を昼食場所に紹介することには一抹の不安があったという。
そこで民放の関係者を「まこと食堂」に連れて行って意見を聞いたところ、そのラーメンが気に入られ、テレビで取り上げられることになった。
「るるぶ」などの旅行誌に、喜多方ラーメンが頻繁に登場するようになるのは、それからのことだ。今と比べれば、テレビの影響力は驚くほど絶大だね(笑)。
3.喜多方ラーメンの名店
ということで、これまでに登場した3軒の老舗の詳細をご紹介。
どこに行くか迷った時は、ここから選ぶと間違いない。味はどこも甲乙つけがたく「うまい!」(笑)。
3-1.源来軒
住所:〒966-0849喜多方市一本木上7745
電話:0241-22-0091
営業時間:10:00~PM7:30・火曜定休
駐車場:あり(20台)
ちょっと「絶メシ」ライクな外観で、店内は昔ながらの中華料理屋そのものだ。ラーメンはなんとも優しい味わいで、なぜだか癒やされる。
3-2.坂内食堂 喜多方本店
住所:〒966-0816 福島県喜多方市字細田7230
電話:0241-22-0351
営業時間:7:00~18:00・木曜定休
駐車場:あり(7台)
今や全国展開している喜多方ラーメンの代名詞的存在。平日でも混み合うので、ここは「朝ラー」がお勧めだ。
3-3.まこと食堂
住所:〒966-0813 福島県喜多方市小田付道下7116
電話:0241-22-0232
営業時間:7:00~15:00・月曜定休
駐車場:あり(6台)
塩味の「坂内食堂」、醤油味の「まこと食堂」として、喜多方ラーメンの双璧をなす行列店。味だけでなく接客応対にも老舗の雰囲気が感じられた。
ちなみに、これまで筆者が現地で暖簾をくぐった喜多方ラーメンの店は7軒。とりあえずこれだけ食べていれば、記事を書く資格はあると思う(笑)。
●坂内食堂(2009年7月・2018年8月)
●蔵々亭(2010年8月)
●まこと食堂(2011年10月・2012年4月)
●一平(2012年4月・2021年4月)
●はせ川(2012年10月)
●なまえ(2013年8月)
●源来軒(2020年7月)