この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
「道の駅 箱根峠」の駐車場は、駐車台数が少ないうえに傾斜があり、車中泊に好適な場所は限られている。
道の駅 箱根峠【目次】
1.「道の駅 箱根峠」のロケーション
現在は「都心に一番身近な温泉郷」として、宿泊利用者数が全国一位の温泉リゾートに成長した箱根。
だが、芦ノ湖周辺の開発が進んだのは、箱根登山鉄道や小田急ロマンスカー、さらには箱根新道、箱根ターンパイクが開通した昭和以降の話になる。
「道の駅 箱根峠」があるのは、そのリゾート開発が進む芦ノ湖北部エリアではなく、江戸時代に東海道の要衝として「天下の険」と謳われた、芦ノ湖南部の「箱根関所」のすぐ近くだ。
関所のある箱根峠の麓には古くから宿場が並び、箱根七湯はこの時代に発展したという。
2.「道の駅 箱根峠」の施設概要・レイアウト
神奈川県の「道の駅」第1号として、1995年にオープンした「道の駅 箱根峠」は、旧東海道に沿って作られた国道1号の、まさに峠の途中といえる標高810メートルの高台に建っている。
そのためご覧の通り敷地に傾斜があり、坂の上と下にある猫の額のような平地に、かろうじて駐車場を設けている。
2-1.「道の駅 箱根峠」の駐車場
こちらが坂の下にある普通車用の駐車スペースで、キャパは15台ほど。
道の駅の中央部よりは緩やかだが、それでも傾斜はゼロではない。
またトイレが坂の上の駐車場の近くにあるため、ここからは少し歩いて坂を登って行く必要がある。
いっぽうこちらは坂の上の駐車スペースで、左側の普通車用区画には7台程度が停められる。
「道の駅 箱根峠」の駐車場では、もっとも傾斜が緩やかでトイレに近く、車中泊の一等地はここになるのだろう。
ただし正面は本来大型車用のスペースなので、もしトラックが来れば、大騒音の餌食になる(笑)。
だが、実際はレアケースのようだ。
というのは、道の駅から国道1号を5分ほど下ったところに、トイレ付きの無料駐車場「箱根エコパーキング」があり、大半のトラックはここを利用している。
もちろん普通車も車中泊はできるが、ここよりもっといいスポットがすぐ近くにある。
2-2.「道の駅 箱根峠」の売店・レストラン
「道の駅 箱根峠」の売店と食堂は、観光地とは思えぬほど小さい。
1995年オープンという時代性と、立地を思えば致し方なかったのかもしれないが、現代の道の駅を見慣れた旅人が、「物足りなさ」感じるのは当然だろう。
とはいえ、よく見ると箱根らしい代物も見つかる。
「細工箱」や「からくり箱」とも呼ばれる「ひみつ箱」は、内部や表面に仕掛を施し、一定の操作を行わないと開かないように作られた小物入れで、日本では19世紀末に箱根の大川隆五郎が初めて考案したとされている。
温泉地らしく入浴剤も。
正直なところ箱根の温泉は安くない。夫婦なら日帰り温泉で3000円以上払うより、これを買って帰って自宅で温泉気分を味わうのも、クルマ旅ではありかもしれない(笑)。
「道の駅 箱根峠」では、食べ物より雑貨に注目してみよう。
軽食とはいえ、食堂のメニューはとてもリーズナブル。もしかしたら、「道の駅 箱根峠」は、箱根界隈でもっとも安く昼食が食べられる場所かも。
ちなみに気候と天気のいい日は、道の駅の裏側に設けられた芦ノ湖が見下ろせるデッキ席がお勧めだ。
2-3.「道の駅 箱根峠」の休憩室ほか
小さな道の駅では、ややもすると物販スペースに転用されやすいが、売店の向かいには、きちんと情報休憩室が維持されている。
そして可燃物のゴミ箱もちゃんとある。
なお2021年2月現在、「道の駅 箱根峠」のトイレにはウォシュレットが完備されている。
2019年の様子を紹介するブロガーの記事には、和式の便座の画像が載せられているが、当時はまだ改装されていなかったのだろう。
あまり若者の車中泊旅行者には評判の良くない「道の駅 箱根峠」だが(笑)、現場が成すべきことは確実に良くできていると思う。
いい場所が空いているなら、ここでの車中泊は悪くない。
3.「道の駅 箱根峠」の車中泊好適度チェック!
ホテルむさしや
☎0460-83-6348
大人1100円
11時~18時(受付最終時)
コンビニ
セブン・イレブンまで約3キロ。
スーパーマーケット
芦ノ湖周辺にスーパーマーケットはなし。