この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
「道の駅 とみうら 枇杷倶楽部」は、車中泊にはさほど適していないが、立ち寄ってみる価値はある。
道の駅 とみうら 枇杷倶楽部【目次】
4.「道の駅 とみうら 枇杷倶楽部」の最寄りの温泉&買物施設
1.「道の駅 とみうら 枇杷倶楽部」のロケーション
”南房総のランド・オペレーター”をキャッチフレーズにする「道の駅 とみうら 枇杷倶楽部」は、南房総の東京湾側にある人気観光地、館山の玄関口に位置しており、房総半島先端の白浜野島崎に向かう前の休憩地、あるいは情報収集地としてお勧めだ。
千葉県は長崎県に次ぐビワの名産地で、中でも富浦町は道の駅の愛称に「枇杷倶楽部」とつけるほど栽培が盛んで、県の栽培面積の約70%を占めるという。
富浦町で収穫される、皇室御用達の「房州びわ」が旬を迎えるのは6月初旬。
だが「道の駅 とみうら 枇杷倶楽部」では、通年「ご当地ソフト」でその味が楽しめる。
2.「道の駅 とみうら 枇杷倶楽部」の施設概要
「道の駅 とみうら 枇杷倶楽部」は、2000年の全国道の駅グランプリで最優秀賞を受賞し、2015年には全国モデル道の駅に選定されている。
というのが自慢で、裏に回らないと分からないが、駅舎は広いフラワーガーデンの中に建っており、オープンエアのテラスでも食事や喫茶が楽しめる。
それはそれで素晴らしいと思うが、「車中泊スポット」という観点から見ると、「道の駅 保田小学校」はもちろん、「道の駅 富楽里とみやま」にも敵わない。
「道の駅 とみうら 枇杷倶楽部」最大の問題点は、どこからどこまでが道の駅なのかが、利用者に分かりづらいこと。
公式サイトをみると、ここまで紹介したところだけが道の駅の施設のように記載されているが、どうも実際は違うようだ。
そこで正確に調べるため、わざわざ大阪から3度目の取材に足を運んだ。
2-1.「道の駅 とみうら 枇杷倶楽部」の駐車場
イラストのレイアウト図が見つからないので、航空写真で説明するが、駐車場の表示を見る限り、黄色の枠内が「道の駅 とみうら 枇杷倶楽部」の敷地になる。
これがその証拠。立てられているのは航空写真に★を打ってあるところで、見えている施設は「房総の蔵 お百姓市場」だ。
余談になるが、ここでもう一度航空写真を見てほしいのだが、グーグルでさえ「とみうら 枇杷倶楽部」の位置を間違えている。
ってことは、そのくらい「わかりにくい」という証(笑)。
向いに建っているのは「南房総市・観光インフォメーションセンター」だ。
さて。写真のA駐車場は地上から見るとこの広さ! ここを「道の駅 とみうら 枇杷倶楽部」の駐車場にしなければ、収容台数80台と書かれたデータとは符合しない。しかもフラットで、車中泊に適している。
だが普通に考えると、「道の駅 とみうら 枇杷倶楽部」の駐車場は、上のBとCと判断するのが常識人だと思う(笑)。
航空写真のB駐車場。写真で見てもわかるほどの傾斜だけに、車中泊にはそぐわない。
航空写真のA駐車場。この奥にトイレがあってフラットなので、間違いなくここが車中泊の一等地になるのだが、10台ほどしか停められない。
そんなところで車中泊をしていたら、夜遅くトイレを使いにやってくる人たちはどう感じるだろう。
昨今、喧しいほど囁かれている車中泊のマナーは、よく見ると盗電のような犯罪とか、ゴミ持ち帰りのように「長期の旅人には現実的にできないこと」が目立つわけだが、本来のマナーというのは、こういう場所を空けておくとか、ドアの開け締めは静かに行うみたいな話なのでは?
そんなわけで、筆者は車中泊旅行者にとって「道の駅 とみうら 枇杷倶楽部」は、世間の評判ほどいい道の駅ではないと感じている。
そしてなによりの疑問は、この駐車場の敷地内に建つ「とみうらマート」は、道の駅の施設なのか違うのか?
ロケーションからすると、ここは「道の駅 とみうら 枇杷倶楽部」の施設でなければおかしい。違うというなら、駐車場の線引も変わるはずだ。
しかし、公式サイトにその紹介はない。
2-2.「道の駅 とみうら 枇杷倶楽部」の売店・レストラン
当サイトでは、先に気になる「とみうらマート」から紹介しよう。
入口横の路面店では、鮮魚と干物が売られている。海に近い道の駅だけに、イメージはともかく、やはり魚がないのは寂しいものだ。
店内は2階が鮮魚中心の食事処で、一階の写真左側に売店がある。
ちなみに写真右の「房州きよっぱち」は、かつて駐車場内に店を構えていたが、今は「とみうらマート」の中で営業をしている。
こちらが2021年3月の様子。
事業主は同じかもしれないが、「房州きよっぱち」は「ひものや」に看板が変わっていた。
いっぽう売店には、特産品である「房州びわ」の加工品や、冷凍の干物も並んでいるが、筆者のお勧めはこの「だしの素」。
他の道の駅でもたまに見かけるが、粉末なので冷蔵する必要がなく、車中泊でも使いやすい。
そのうえ味には「帆立」や「あご(トビウオ)」などのバリエーションがあり、総じておいしい。
さて。こちらが本家本元の「とみうら 枇杷倶楽部」の内部。
おっさんが見ても、垢抜けているのがよくわかる(笑)。
「とみうらマート」とバッティングしないよう、こちらはドライフラワーなどの雑貨が、品揃えの中心になっているのだろう。
2-3.「道の駅 とみうら 枇杷倶楽部」の休憩室ほか
圧巻なのは、吹き抜けになったこのロビー。ホテルと同じように別に喫茶を頼まなくても自由に利用することができる。
裏庭は花壇になっていて、そこでも自由に寛げる。
ただ、可燃物のゴミ箱は見当たらなかった。
3.「道の駅 とみうら 枇杷倶楽部」の車中泊好適度チェック!
南総城山温泉 里見の湯
道の駅から約9キロ・15分
☎0470-25-1126
平日:大人1,080 円
土日祝:大人1,480 円
10時~23時(受付最終 22時30分)・無休
※近くて安い温泉は、しおさい・黒潮の湯
コンビニ
セブン・イレブンまで約700メートル
スーパーマーケット
約3キロのところに「おどや船形店」がある。