この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の中のひとつです。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

関西・東海から、箱根に通じるルートは3つある。

出典:和心亭豊月
関西・東海から行く、箱根へのアクセスルート 【目次】
1.3つのルートの概要
西から箱根を目指すルートは大きく3つあるが、使い分ける秘訣は「旅をどこと抱き合わせるか?」になると思う。
自宅から直接行く場合は、東名高速道路の「沼津インター」または、新東名高速道路の「長泉沼津インター」から、オレンジの国道1号でアクセスするのが最短ルートで、伊豆半島を先に回ってから箱根に登る場合は、同じくオレンジの国道1号か、黄色の有料道路「伊豆スカイラン」でアクセスできる。
また富士山を先に巡ってから箱根を目指す場合は、東名高速道路の「御殿場インター」から行きやすい緑の国道138号を走るといい。
2.国道1号ルートのメリット・デメリット
国道1号を使うメリットは、最短で車中泊スポットがある「元箱根地区」まで行けることだが、自宅から直接箱根に向かう場合、吹田インターからだと約400キロ、途中休憩を挟んで5時間はゆうにかかる。
デメリットは三島市内が渋滞しやすいこと。そのため通過する時間帯が悪ければ、プラス30分は必要になる。これは伊豆半島の修善寺から来る場合にも当てはまることなので、アタマに入れて行動しよう。
3.「伊豆スカイラン」ルートのメリット・デメリット
デメリットは、云うまでもなく余分にコストがかかること(笑)。
といっても、伊東と修善寺の中間に位置する「冷川(ひえかわ)インター」から、終点「熱海峠」までの通行料金は、普通車で片道790円。目的地の「元箱根地区」へは、そこから一般道でアクセスできる。
メリットは、渋滞が回避でき、途中の休憩所からは富士山の絶景を間近に堪能できること。コスパはけして悪くはない。
写真は伊豆スカイライン途中の「滝知山駐車場」で撮影した。晴れていれば、ぜひここで休憩を。
4.国道138号ルートのメリット・デメリット
このルートの場合、メリットとデメリットは表裏一体だ。
国道138号で御殿場から乙女峠を超えて箱根に入ると、リゾート開発の進む芦ノ湖北岸に到着するのだが、車中泊スポットがある「元箱根地区」は、芦ノ湖の南岸にあるため、芦ノ湖を半周する大回りなルートになる。
しかし、その道中に箱根の見どころが点在している。
つまり観光しながら元箱根に行くなら好都合、とも言い換えることができる。
静岡県側に朝霧高原、山梨側に富士五湖を持つ富士山は、四季を通じて見応えがあり、すでに20回近くリピートしているが、山中湖からのアクセスに優れた御殿場には、車中泊に好適な「道の駅 ふじおやま」があって、箱根を加える際の拠点にしやすい。

