箱根温泉の共同温泉と車中泊事情

宮城野温泉会館神奈川県の温泉
「正真正銘のプロ」がお届けする車中泊旅行ガイド
この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の中のひとつです。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
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関西方面から箱根に行く車中泊旅行者にとって、箱根温泉めぐりはたやすくない。

箱根

箱根温泉の共同温泉と車中泊事情【目次】

1.箱根温泉の歴史と、温泉町の生い立ち

1-1.江戸時代までの箱根温泉

1-2.明治時代以降の箱根温泉

2.箱根温泉の共同温泉

3.箱根温泉の車中泊事情

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1.箱根温泉の歴史と、温泉町の生い立ち

大涌谷

1-1.江戸時代までの箱根温泉

箱根温泉は、静岡県と神奈川県にまたがって広がる火山群「箱根山」の、麓から中腹にかけて点在する温泉地の総称で、もっとも古い歴史を持つ「箱根湯本温泉」の開湯は、奈良時代とされている。

だが、箱根温泉が人々に広く知られるようになるのは、江戸時代以降のお話。

出典:箱根関所資料館

徳川家康は江戸幕府を開くと、東海道を足柄峠経由から箱根峠経由に変更し、芦ノ湖畔に箱根関所を設置した。

目的は「入鉄砲に出女」の取締り。諸大名の謀反を警戒し、江戸への鉄砲の持ち込みと、江戸に住まわせた諸大名の妻女が関外に出るのを防ぐことにあった。

江戸時代の箱根には 、湯本・塔之沢・堂ケ島・宮ノ下・底倉・木賀・芦之湯のいわゆる「箱根七湯」の湯治場があったが、新たな東海道ができたおかげで脚光があたり、中でも一番東海道に近い「箱根湯本温泉」は、その恩恵を受けて大いなる繁栄を遂げた。

ただ温泉地としての評価は、江戸時代の温泉番付によると前頭格だったようだ。当時の相撲には横綱の格付けはなく、大関が最高位で、東には草津温泉、西には有馬温泉が君臨している。

1-2.明治時代以降の箱根温泉

出典:箱根温泉公式ガイド「箱ピタ」

箱根が「都心に一番身近な温泉郷」として、宿泊利用者数全国一位の温泉リゾートへと発展したきっかけは、戦後の西武と東急・小田急による精力的な観光開発競争にある。

それによって新たな温泉地の開発も進み、現在は既存の「箱根七湯」に加え、大平台・ 小涌谷・二ノ平・強羅・宮城野・仙石原・姥子・湯ノ花沢・芦ノ湖・蛸川の9つの温泉を合わせて 「箱根十七湯」と称されている。

またそれに早雲山・大涌谷・湖尻の3つを加え、「箱根二十湯」と呼ばれることもあるようだ。そりゃ、クルマ旅の旅人が混乱するのは当たり前。

これでは、ツアー以外の個人客は、どこへ行けばいいのか分からない(笑)。

2.箱根温泉の共同温泉

宮城野温泉会館

有名な温泉には、温泉組合や市町村が管理している「共同温泉」「共同浴場」、あるいは「共同湯」とも呼ばれる日帰り温泉施設がある。たいていは1000円以下のリーズナブルな料金で、車中泊の旅人を支える「インフラ」になっている。

しかし箱根温泉の、特に元箱根地区まで来ると、それを探すのが難しい。

だが実は箱根温泉には、現在5軒の共同浴場が残されている。

そのうち筆者が入湯したことがあるのは、クルマが45台収容できる広い駐車場を持つ「宮城野温泉会館」のみだ。あとは数台分のキャパしかなく、クルマで回るのはリスキーかもしれない。

なお、塔ノ沢温泉にあった「上湯温泉大衆浴場」は、2018年に閉鎖されている。

湯本温泉の共同浴場

弥坂湯
神奈川県足柄下郡箱根町湯本577
☎0460-85-5233
大人650円
9時~20時30分・木曜定休
駐車場:2台
参考サイト

大平台温泉の共同浴場

姫之湯
神奈川県足柄下郡箱根町大平台583
☎0460-82-2057
大人550円
9時~21時・木曜定休
駐車場:8台
参考サイト

宮ノ下温泉の共同浴場

太閤湯
神奈川県足柄下郡箱根町宮ノ下223
☎0460-82-4756
大人500円
10時~21時(受付最終20時)・水曜・第3火曜定休
駐車場:3台
参考サイト

宮城野温泉の共同浴場

宮城野温泉会館
神奈川県足柄下郡箱根町宮城野922
☎0460-82-1800
大人650円
10時~21時(受付最終20時)・木曜定休
駐車場:45台
参考サイト

二ノ平温泉の共同浴場

亀の湯
神奈川県足柄下郡箱根町二ノ平1080
☎0460-82-2344
大人550円
11時~21時(受付最終20時)・無休
駐車場:10台
参考サイト

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3.箱根温泉の車中泊事情

箱根

冒頭でも書いたが、箱根温泉のお湯は際立って素晴らしいというわけではなさそうで、あえて温泉めぐりを目的に車中泊に行くのはどうかと思う。

筆者はこれまで北海道の知床にある「うとろ温泉」から、九州は鹿児島の「指宿温泉」まで、全国の主だった温泉地に足を運んでおり、「温泉車中泊コースガイド」というムックも執筆しているのだが、温泉地で最重要なのは「居心地」だと思っている。
失敗しないための、車中泊温泉旅行ガイド
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それに照らし合わせると、箱根温泉の近くには車中泊で落ち着ちて過ごせる場所が見当たらず、温泉旅に好適とは云えそうにない。

箱根町園地

箱根には温泉のほかにも、「関所」や「駅伝」という面白いコンテンツがあり、それを楽しむには芦ノ湖の南岸にある「箱根園地」で車中泊をするといいのだが、近くの「芦ノ湖温泉」には「共同温泉」がなく、簡単には手頃な日帰り温泉が見当たらない。

函嶺洞門駐車場

ただ、それでも温泉にこだわりたい人には、箱根湯本温泉に車中泊ができる「函嶺洞門(かんれいどうもん)駐車場 」があるにはある。

ただし目の前を国道1号が走り、裏側を「箱根登山鉄道」が通る、賑やかなロケーションにあるため、いくらトイレがあって無料だとはいえ、ここで泊まる気にはなれなかった。

東京方面から来る人は、途中でこの「函嶺洞門駐車場 」にクルマを停めて、箱根湯本温泉を楽しみ、それから芦ノ湖まで登ってくることができるが、関西・東海方面から箱根に来る旅人は、箱根湯本温泉にはわざわざ山を降らなければ行けない。それなら翌朝芦ノ湖を出発し、小田原方面に行く際に立ち寄るほうがスマートだと思う。

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