箱根の絶景スポットの双璧は、大観山と大涌谷

箱根 大観山神奈川県のネイチャーフィールド
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この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の中のひとつです。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
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カルデラがもたらす、箱根の絶景。

箱根

箱根の絶景スポットの双璧は、大観山と大涌谷【目次】

1.箱根は「ジオパーク」

2.箱根ナンバーワンの絶景地は、「大観山(たいかんざん)展望台」

2-1.芦ノ湖

2-2.箱根ターンパイク

3.リアルな火山の呼吸が感じられる「大涌谷」

3-1.くろたまご

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1.箱根は「ジオパーク」

芦ノ湖スカイライン

関西・東海方面からアクセスすると、箱根の山塊が織りなすワインディングと同時に、車窓から「富士山」や「芦ノ湖」の絶景が見えるため、箱根がリゾート地であるというイメージは、まったく湧かない。

理由は、箱根一帯がカルデラだからだ。

大涌谷

カルデラは「火山活動によってできた大きな陥没地(かんぼつち)」のことで、日本では雄大な外輪山を持つ阿蘇が有名だ。

箱根のカルデラは阿蘇に比べると半分程度だが、カルデラと中央火口丘で構成された世界でも珍しい三重式火山で、2012年9月に「箱根ジオパーク」に認定されている。

箱根ジオパーク オフィシャルサイト

ここからは、その「ジオサイト」と呼ばれている箱根の絶景スポットの「双璧」について、詳しく紹介していこう。

2.箱根ナンバーワンの絶景地は「大観山(たいかんざん)展望台」

箱根大観山

標高1015メートルの高台にある「大観山展望台」は、「箱根ターンパイク」の中継地点にある、アクセス・足場ともに優れた無料のフォトスポットだ。

大観山

眼下に「芦ノ湖」が広がり、その奥に「富士山」が見える構図はダイナミックで、富士五湖の眺望と比べても遜色はない。

大観山スカイラウンジ

またすぐ裏手には「スカイラウンジ」が建っているので、風の強い日や冷たい日でも苦労することなく、コーヒーカップを片手に眺望できる。

大観山駐車場

晩秋から早春にかけての条件が合う日は、早朝の「芦ノ湖」に雲海が浮かぶが、「大観山展望台」の駐車場にはトイレがないため、車中泊は難しい。

ただ車中泊に適した「箱根町園地」からでも約5キロ、10分もあれば到着できるので、そこから出動しても十分に間に合う。
箱根町園地 車中泊好適度をクルマ旅のプロがチェック 2022年3月更新
クルマ旅のプロがまとめた、芦ノ湖湖畔にある「箱根町園地」の車中泊に関する記述です。

2-1.芦ノ湖

芦ノ湖

標高約720メートル地点にある「芦ノ湖」は神奈川県最大の湖で、約3100年前に起きた神山の水蒸気爆発による土石流が、当時「仙石原」を流れていた川を堰き止め、その上流に雨水が貯まってできたとされる。

芦ノ湖海賊船

ガイドブックでは、「芦ノ湖」といえばこちらの海賊船(笑)。

前述した「箱根町園地」の一画には「海賊船のりば」があり、風光明媚な芦ノ湖のクルージングが楽しめる。

芦ノ湖海賊船 オフィシャルサイト

芦ノ湖

だが、ネイチャーフィールドの「芦ノ湖」には、こういう「顔」もある。

「芦ノ湖」は、ブラックバスが日本で初めて放流された湖として知られているが、他にもニジマス・ヒメマス・ヤマメなどのトラウト類やワカサギが釣れる。

もちろん芦ノ湖では禁漁期間が設けられており、釣りができるのは3月2日から12月14日までで、禁漁区域もある。またワームは禁止で、日の出の1時間前から日没1時間後までの間しか、釣りはできない。

遊漁券は大人1300円。近くの釣具店やコンビニなどで手に入る。また「箱根町園地」の奥にはレンタルボート屋もある。

2-2.箱根ターンパイク

箱根ターンパイク

有料(高速)道路を意味する「箱根ターンパイク」は、小田原から箱根を経由して湯河原に至る、延長およそ16キロメートルの観光道路で、箱根ターンパイク株式会社 (HTPL) が保有・運営している私道だ。

箱根ターンパイク

「箱根ターンパイク」は2007年(平成19年)以降、ネーミングライツ(命名権)を採用しており、かつては「東洋タイヤ」や「マツダ」が冠についていたが、2018年(平成30年)からは「アネスト岩田」が命名権を取得し、正式名は「アネスト岩田 ターンパイク箱根」となっている。

気になる通行料金は、箱根小田原本線区間が730円、湯河原に通じる箱根伊豆連絡線区間が150円。ただし両区間は独立しているので、料金は別々に支払う必要がある。

また現在は、全線5時30分から22時30分(最終入場22時)までの営業となっており、営業時間外は完全封鎖されて通行できない。

なお、小田原へは無料の「箱根新道」でも行くことができる。

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3.リアルな火山の呼吸が感じられる「大涌谷」

大涌谷

「大涌谷」は、約3000年前の箱根火山最後の爆発によってできた、神山火口の爆裂跡で、写真のようなガレ場に遊歩道が設けられており、沸き立つ湯釜や白煙を吹き上げる噴気孔など、火山のダイナミックな活動を間近で見ることができる。

大涌谷

大涌谷への立ち入り規制の推移

2011年3月に発生した「東日本大震災」以降、地震の増加が見られた大涌谷は、2013年に群発地震および噴気地帯の変化が顕著になり、2015年5月に2001年以来14年ぶりの蒸気暴噴を記録する。

そのため気象庁は、噴火警戒レベルを1(平常)から2(火口周辺規制)にあげ、箱根ロープウェイは全線運休、周辺道路は通行止め、もちろん自然探勝歩道も閉鎖された。

箱根ロープウェイ

ただ翌年7月には火山ガス濃度が低下し、箱根ロープウェイも営業再開して、立ち入り規制が一部解除される。

しかし2019年5月に、気象庁は再び噴火警戒レベルを2に格上げし、大涌谷付近に避難指示を発令する。

箱根ロープウェイは全線運行停止となったが、10月には噴火警戒レベルが1に引き下げられ、再び平常を取り戻した。

以降、大涌谷は小康状態を保っており、2021年3月現在は通常通りの営業が行われている。

とはいえ、余談は許されないので、行く前には以下のサイトで営業状況を確認されることをお勧めする。

箱根ジオミュージアム オフィシャルサイト

大涌谷や箱根火山の歴史は、この「箱根ジオミュージアム」で詳しく知ることができる。

3-1.くろたまご

大涌谷

大涌谷では温泉で卵を茹でて販売しているが、殻に鉄分が付着するため、酸化して黒くなる。

聞くところでは、お湯でつくった普通のゆで卵よりも、大涌谷の温泉でゆで上げた「くろたまご」は、うまみ成分が約20%ほど高いというデータもあるとか。

延命地蔵尊

また大涌谷には延命・子育ての「延命地蔵尊」というお地蔵様がおり、「くろたまご」を食べると寿命が7年伸びるらしい。

くろたまご

だが若い筆者はまだ、そのご利益が感じられるまでには至っていない(笑)。

大涌谷くろたまご館 オフィシャルサイト

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