映画「のぼうの城」の舞台となった忍城は、ドラマ「陸王」のロケ地

忍城埼玉県の史跡
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この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、日本全国で1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、「車中泊ならではの歴史旅」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
車中泊クルマ旅で、日本の歴史舞台を訪ねてまわる
クルマ旅の専門家が、大河ドラマや映画に描かれた日本の歴史舞台を車中泊でめぐる旅をご紹介。
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城そのものより、エピソードのほうが面白い。

忍城

忍城【目次】

1.忍城プロフィール

2.映画「のぼうの城」

3.行田市郷土博物館で新発見

4.忍城 駐車場&アクセスマップ

5.忍城周辺の観光&車中泊スポット

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1.忍城プロフィール

忍城

忍城は日本100名城ではなく、「続」日本100名城に名を連ねる室町時代からの古城。

北を利根川、南を荒川に挟まれた扇状地に建ち、点在する広大な沼地と自然堤防を生かした要害堅固な城で、幾度も城攻めを受けたが、一度も落城しなかったことから、関東七名城のひとつに挙げられていた。

その名城ぶりを語る逸話が、1590年(天正18年)に豊臣秀吉の小田原征伐に伴って勃発した、豊臣方の水攻めだ。

2万対500とも云われた戦力差があったにもかかわらず、石田三成率いる豊臣軍の攻撃に耐え抜いたことから、「浮き城」または「亀城」の別名がついた。

のぼうの城

その実話をスペクタクルに映画化したのが、後述する「のぼうの城」だ。

この戦いでも忍城は落城はしなかったが、小田原城が先に陥落したことにより、降伏・開城となる。

徳川家康の関東入部後は、家康の四男・松平忠吉が忍城に配置され、以後、忍藩10万石の政庁となる。

忍城の城下町は、中山道の裏街道宿場町と、利根川の水運を利用した物流ルートを兼ね備えていたことから繁栄を遂げ、その後の城主も、老中・阿部忠秋、松平忠堯(奥平松平氏)と主に徳川の親藩・普代が務めてきた。

明治維新後は廃藩置県と同時に廃城となり、土塁の一部を残して取り壊されたが、現在は本丸跡に御三階櫓が再建され、水堀や沼地の一部は水城公園として整備されている。

2.映画「のぼうの城」

忍城

プロフィールをご覧いただけば、忍城が江戸幕府にとっても重要な存在だったことが分かるが、筆者のように遠路はるばるやってくる人の動機は、やはり忍城が映画「のぼうの城」の舞台であることにあると思う。

その「のぼうの城」は、和田竜による歴史小説を原作に、2012年に公開された歴史映画というよりはスペクタクルに近い。

恥ずかしながら筆者は、この映画を見るまで忍城のことを知らなかったのだが、以来いったい本物はどういう城なんだろう、と気になって仕方がなかった。

それから10年の歳月が流れ、ひょんなことから忍城を訪ねるチャンスが舞い込んだ。

映画のストーリーは、くどくど書くより素晴らしいメイキング映像が見つかったので、そちらで紹介したい。

ただし13分30秒と長いので、ギガが気になる人はホドホドにね(笑)。

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3.行田市郷土博物館

行田市郷土博物館

最初に「1番大事なこと」から記そう。

忍城のランドマークといえる「御三階櫓」の入口は、この行田市郷土博物館の中にある。つまり200円支払って、この博物館に入館しないと、行くことができない構造だ。

忍城

「セコッ!」と思うかもしれないが(笑)、大半のお城の天守や櫓は有料なので、料金の200円は安いほうだ。

ただ、時間がない人にとって、このやり方は余計な時間がかかるので、ちょっと迷惑。「忍城が観たい人=行田市の産業や歴史に興味がある」という方程式は成り立たない。我々は修学旅行生や社会見学にきた生徒じゃないんだから(笑)。

行田市郷土博物館

かつての忍城本丸跡地に、1988年(昭和63年)に開館した行田市郷土博物館は、「行田の歴史と文化」をテーマにした展示を行っている。

行田市は日本屈指の足袋(たび)産地(行田足袋)として知られ、「和装文化の足元を支え続ける足袋蔵のまち行田」として、日本遺産に認定されている。

さて、足袋といえば…

大河ドラマ「いだてん」の主人公・金栗四三。もだけど、やっぱ筆者のような若者は「陸王」だよね~(笑)。

館内にドラマに登場する「勝ち虫」の展示があったので、「えっ、もしかして?」と調べて見たら、なんと忍城はそのロケ地だった!

正直云って、これが入館した最大の成果だったかもしれない(笑)。

行田市郷土博物館
おとな200円
9時~16時30分(受付最終16時)
月曜及び毎月第4金曜定休(テーマ展・企画展期間中は開館)

4.忍城 駐車場&アクセスマップ

忍城 駐車場

忍城には2ヶ所の無料駐車場があるが、近いほうが「第2」で、遠いほうが「第1駐車場」になる。

忍城 第一駐車場

筆者が利用したのは、こちらの第一駐車場。博物館の入口までは多少遠くなるが、忍城の城内を見て歩くなら、むしろこちらのほうがいいかもしれない。

グーグルナビに早変わり!
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5.忍城周辺の観光&車中泊スポット

渋沢栄一

忍城周辺の見どころでホットな場所と云えば、2021年放送のNHK大河ドラマ「青天を衝け」の前半の舞台になった、深谷市にある「血洗島」だ。

忍城から、ドラマの主人公・渋沢栄一の記念館までは、約23キロ・30分ほどで行くことができる。

また忍城と血洗島の両方を周る際に利便性が良いのは、無料のバラ園を併設している「道の駅 めぬま」だろう。

車中泊で訪ねる、日本の名城

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