この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
諏訪湖は、湯処と見どころが集中する南信州のベスト観光スポット。
諏訪湖 車中泊旅行ガイド【目次】
諏訪湖の「落とし穴」
複数の温泉地に、歴史と由緒を持つ社殿、さらに銘酒を醸す酒蔵群が、一周わずか16キロほどの狭い湖畔エリアに集中している諏訪湖は、確かに南信州随一の観光地と云えるだけのものを有している。
ただ、日本には「木を見て森を見ず」という故事がある。
インターネットを含めた入手しやすい諏訪湖の観光情報は、交通公共機関を利用してやってくる、せいぜい週末1泊2日の若者を対象した内容が大半で、歩いて周れる範囲にある「重箱の隅を突くような線の細い内容」が多い。
ゆえに、そこに目を奪われてしまうと全体の目的を見失いやすい。
圧倒的な行動範囲を誇る車中泊の旅人なら、スカッと晴れて高台から富士山ごと望めるような日は、諏訪湖界隈の観光を後回しにして、その絶景を優先することは容易い。
極端な話、温泉めぐりや「2社4宮」と呼ばれる諏訪大社の参拝は、曇や小雨の日に出かけたって変わらない。
味わうべきは「さわやか信州」。
諏訪湖温泉郷?
通常この地域にある温泉は「上諏訪温泉」「下諏訪温泉」と表し、「諏訪湖温泉」と表記するのは稀だ。
だが「上諏訪温泉」と「下諏訪温泉」は、わずか5キロほどしか離れておらず、車中泊の旅人には「諏訪湖温泉郷・上諏訪温泉地区」、「同・下諏訪温泉地区」と表示してくれるほうがわかりやすい。
さらに云えば、「諏訪湖温泉郷・毒沢鉱泉地区」と「諏訪湖温泉郷・岡谷温泉地区」を加えるのが、実情にもっともマッチした表現になる。
諏訪湖界隈ユニークガイド
黙って聞いてると、とにもかくにも諏訪湖では「ナンチャラめぐり」で忙しい。いったい何周させてくれるわけ?(笑)。
それだけならまだいいが、それぞれの由緒も軽いというか軽薄に扱われているものが多く、正直云って、旅慣れた人間はそれを読んだだけで辟易する。
諏訪湖の車中泊事情と車中泊スポット
諏訪湖の界隈には道の駅がない。
それゆえ車中泊での旅は難しい… 昨今騒がれている「車中泊のマナーうんぬん」の怪情報に惑わされ、安全にとか安心にという脅迫概念に囚われている人には、ここは適さない場所だと思う。
諏訪湖界隈の車中泊スポットはバリエーションに満ちており、道の駅こそないものの、無料で静かに泊まれる公園が幾つか存在する。
ただし、その大半は「旅の宿」であって「逗留地」にはならない。