この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
駅舎は解体されるが、その他は健在で引き続き車中泊は可能。
筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2008.05.04
2010.07.20
2012.09.15
2015.04.25
2016.07.18
2019.07.31
2022.06.21
霧ヶ峰高原 ドライブイン「霧の駅」【目次】
「霧の駅」のロケーション
白樺湖から続くビーナスラインと、諏訪市内に通じる県道194号の交差点にある「霧ヶ峰高原 ドライブイン霧の駅」は、普通車200台を収容でき、屋外に24時間利用できるトイレがあることから、夜も多くの車中泊旅行者で賑わってきた。
しかも夏はドライブインの駐車場から、まさにエアコンの「♪きりがみね~♪」を彷彿させる爽やかな光景が見られる。
なお、ビーナスラインについての説明は、以下の記事に詳細をまとめている。
そこから語ると長くなるので、ここでは割愛させていただき、先へ進もう。
「霧の駅」の施設と現状
信州でも屈指を誇るドライブコースのほぼ中間地点にあり、赤字とは無縁に思われていた「霧の駅」が、経営不振から休業に追い込まれたのは2018年のこと。
以降なかなか再建の目処が立たないようだが、休館にいたる詳細は以下の記事で確認できる。
ただ2019年6月に訪ねた時は、日中に休憩で立ち寄る人がいるので、店は閉まっているがトイレは清掃されており、夜間は照明が切られるものの利用は可能で、車中泊もできるようだった。
地元の情報では、2020年から細々と再建の動きはあるようだが、ネットでは2021年6月時点でも、その確認はできなかった。
ところが…
2022年6月の現地取材で分かったこと
1年ぶりに訪ねてみると、霧の駅の駅舎はフェンスで囲まれ、解体の準備が勧められていた。
以下は2022年5月28日に公開された「信濃毎日新聞」の記事。
諏訪市郊外の霧ケ峰高原にあるドライブイン「霧の駅」が(2022年5月)31日を最後に営業を終了することが27日、分かった。高原の中心部のビーナスライン沿いにあり、約40年にわたり営業してきたが、建物が老朽化したことなどから解体することが決まった。土地所有者の下桑原牧野農業協同組合は「現時点で新たな活用の予定はない」としている。
紆余曲折はあったのだろうが、おそらくコロナにとどめを刺されたのだろう。
いよいよ「霧の駅」もここまでか、と思ったのだが…
「百聞は一見に如かず」とはよく云ったもので、実際に行ってみると実態はそうではなかった。
ややこしいので、よく読んでいただきたいのだが(笑)、
「霧の駅」の敷地内には、本館とは別に写真の「旅の駅 霧ヶ峰ビーナス」と、下の画像の「霧ヶ峰農場直売所」の2つの物販飲食店があり、本館閉館後も営業していたという。
2019年に訪れた時は日没前で、既に両方とも閉店していたため気づかなかった。
それに全館休館と信じていたし(笑)。
まあ普通はそう思うだろう。経営母体が違うと云われても、利用者から見ればここは全部「霧の駅」だ。
四六時中、無人だと気味が悪いが、昼間に人がいるなら、ここでの車中泊は十分可能だと判明した。
なお、敷地内に残された公衆トイレは様式だがウォシュレットはなく、改修されているようでもないので、たぶん夜間は照明がつかないままだと思う。
「旅の駅 霧ヶ峰ビーナス」の中にもトイレはあるが、営業中しか使えず、同じくウォシュレットまでは備えていない。
ちなみにウォシュレット付きのトイレは、霧の駅から美ヶ原方面に5分ほど走った、八島湿原の駐車場にある。
筆者は素晴らしいロケーションにある「霧の駅」を行政が再整備して、補助金が受けられる道の駅にし、収益の見込めるRVパークを併設すべきだと思うのだが…
ここで採算が合わないのなら、美ヶ原で合うとは到底思えない(笑)。
「霧の駅」の最寄りの温泉と周辺買物施設
ヒュッテ霧ヶ峰
霧の駅から約1キロ
☎0266-57-0333
おとな500円
14時~22時・不定休
コンビニ・スーパーマーケットともに、約15キロ離れた茅野市街まで出ないとない。