この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
見事なのは、滝よりも遊歩道。
蓼科大滝【目次】
蓼科大滝のロケーション
蓼科(たてしな)は森の中に別荘地が点在する独特の地域で、軽井沢以上に観光地という感じがしないところだ。
以前からビーナスラインは通っていたが、「北八ヶ岳ロープウェイ」を除けば、沿線に分かりやすい観光スポットがなく、白樺湖まで通り抜けてしまうのが常だった。
だが2020年に道の駅ができたことで、ゆっくり周辺を見る機会が生まれ、すぐ近くにこれほど素晴らしい自然の残る場所があることに気がついた。
なんと蓼科大滝の駐車場は、「道の駅ビーナスライン蓼科湖」からクルマでわずか1.6キロのところにある。
蓼科大滝
「蓼科大滝」は雑魚川最大と云われる滝ではあるが、さすがに「大滝」は盛り過ぎだ。
蓼科観光協会の公式サイトには、高さ25メートル、幅10メートルと記されているが、高さはたぶん2.5メートルの間違いだろう。
それにこれが「大滝」だとしたら、乗鞍高原にある3つの名爆を何と呼べばいいのか分からなくなる(笑)。
確かに「小さいながらも上品な感じ」とはいえ、もし滝道が平凡であれば、文句のひとつもいいたくなる程度なのだが、その滝へ向かう遊歩道が他とは違う。
道中では、ご覧のような苔むした神秘的な原生林が貴方を待っている。
駐車場から滝までは1キロもなく平坦で、ゆっくり歩いても10分ほどだが、足場は悪くサンダルでは危険だ。
大滝の手前にある「神様の盆栽」。
「倒木更新」と呼ばれる自然の輪廻だが、神様の仕業としか思えない見事なおさまりは感無量。京都の古刹にでも持っていけば、マスコミが放ってはおかない代物だろう(笑)。
蓼科大滝の駐車場
「道の駅 ビーナスライン蓼科湖」から「プール平」を目指して進むと、左側に「蓼科温泉浴場」の看板が見えるが、その奥に写真の無料駐車場がある。
未舗装だが奥行きは深く、30台はゆうに停められる広さだ。
こちらが「蓼科温泉浴場」。駐車場からは歩いて5分もかからない。
駐車場にはトイレもある。
滝はともかく、温泉の近くにトイレ付きの無料駐車場があるとなれば、避暑目的で蓼科を訪れる車中泊やライダーたちが見逃すわけはなく、その結果を示すこの看板が立てられていた。
なお、近くには地元で人気の「黙坊」という手打ちそばの店がある。
ここもさきほどの駐車場から歩いて行けるので、滝と温泉と3つ合わせて訪ねれば、ちょっとした蓼科ステイのアトラクションになるだろう。
筆者はそこまで調べてはあったが、残念ながら時間帯が合わず、温泉も蕎麦も味わえてはいない。