この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。

角館で格別に美しいのは、武家屋敷に咲く枝垂れ桜。
角館の桜の楽しみ方【目次】
角館には2つの桜の見どころがある
既にご承知の方も多いと思うが、角館には「武家屋敷通りの枝垂れ桜」と「桧木内川(ひのきないがわ)堤の桜並木」の2つの桜の見どころがある。
「みちのくの小京都」と呼ばれ、年間約200万人もの観光客が訪れる角館(かくのだて)は、明治まで11代にわたって続いた佐竹北家の城下町だ。
幕末の戊辰戦争では、目前まで反政府側の「奥羽越列藩同盟軍」に迫られたが、かろうじてその戦禍を免れている。
現在も残る当時の町なみは、「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されており、江戸時代から変わらぬ四季折々の情景を描き続けている。
その「重要伝統的建造物群保存地区」が、とりわけ華やかになる季節が、約400本と云われる枝垂れ桜が一斉に花を咲かせる、4月下旬〜5月上旬だ。
角館の最初の桜の見どころにあたる「武家屋敷通りの枝垂れ桜」は、京の都から嫁いできた二代目城主・佐竹義明の正室が、興入れの際に持参した3本の苗木がルーツとされている。
そしてもうひとつの角館の桜の見どころが、この「桧木内川堤の桜並木」だ。
左岸に並ぶ約400本のソメイヨシノは、1934年(昭和9)年に現在の上皇である第125代・明仁(あきひと)天皇の誕生記念に植樹されたもので、満開を迎えると約2キロにわたる桜のトンネルが完成する。
角館は1990年(平成2)年に、この「桧木内川堤の桜並木」と「武家屋敷通りの枝垂れ桜」が「さくら名所100選」に選定されたことで、一躍日本でも指折りの桜の名所に躍り出た。
だが厄介なのは、枝垂れ桜とソメイヨシノの開花時期が少しずれることだ。
通常、角館の枝垂れ桜はソメイヨシノより1週間ほど早く満開を迎える。
つまり、両方が満開のタイミングに当たることは稀有で、旅行者はどちらかを優先せざるを得ないことになる。
であれば、各地に名所がたくさんある川堤の桜並木は、ここまで来なくても見られるわけで、角館では日本でオンリーワンとも呼べるこの景観を、その目でぜひ確かめるべきだろう。
大切なのは『角館の「枝垂れ桜」の満開予想』をチェックすることで、以下のサイトでそれを見ることができる。
ネットに出回っている満開予想は、ソメイヨシノの場合が多いので、混同しないようにしよう。
また桜の予想には「開花予想」と「満開予想」があることをお忘れなく。
車中泊旅行者にとってのベストプラン
まず駐車場は8時~16時30分まで普通車1日500円で利用することができる、「市営桜並木駐車場」を利用するのがいちばん楽だ。
なによりロケーションがよく、土地勘がない観光客でも迷わない。
もちろん桜の季節の週末は朝10時頃には満車になるので、できるだけ早く到着する必要があるのは云うまでもないのだが、車中泊の旅人には「裏技」がある。
桜以外の角館のお勧めスポット
角館を楽しむ秘訣は、同一コンテンツの重複を避けることだ。
わかりやすく云えば、桜と武家屋敷ばかりを見ていたのでは、「木を見て森を見ず」になるということ。
そのためには、「角館では何が見られるのか」を事前に整理して出かける必要があるのだが、それをわかりやすくまとめている資料は本当に少ない。
類似の施設を複数紹介することで、読者に選択肢を提供するといえば聞こえはいいが、実は同時に迷いまで与えてしまう。
筆者が観光客なら、現地のベテランガイドさんが自信と根拠を持って案内してくれるように、武家屋敷はココ、食事はココ、お土産はココと、多彩な見どころを持つ角館を要領よく周りたい。
角館 車中泊旅行ガイド
東北の桜の名所をめぐる旅


車中泊でクルマ旅 総合案内
クルマ旅を愉しむための車中泊入門

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