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クルマで旅した信州の軌跡
まずは「百聞は一見に如かず」で、筆者がこれまでクルマで旅した信州の主なところを、写真で紹介していこう。
※インデックスをクリックすると拡大写真が現れ、下にタイトルと説明文が表示されます。
この100枚に及ぶ写真集は、パソコンに眠るストックフォトの整理を兼ねて、自分自身のために編集したものでもあるのだが、これで冒頭の紹介が、あながち”ビッグマウス”でもないことが伝わったと思う(笑)。
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信州には4つの魅力がある
現代人は「リゾート」と聞けば、「洗練された行楽地」をイメージするのだが、本来の「リゾート」は、少し違う意味で使われているらしい。
リゾートとは、「再び」を意味する”re”と、「出かける」を意味するフランス語の”sortir”を略した”sort”が合わさった言葉で、余暇や休暇を過ごすために「何度も通う場所」のこと。
なるほど自然が豊かで、関東・東海そして近畿からでもアクセスしやすい信州は、確かにロケーション的には「リゾート」と呼ぶに相応しい。
だが「リゾート」と呼ぶ以上、そこには”何度も通いたくなる理由”が必要だ。
信州の概要
長野県には、他にも「信州」「信濃」と3つの呼び方が混在しており、とりわけ宣伝がらみでよく使われるのが「信州」だ。
「信州」というのは、かつての令制国の「信濃国」のこと。
「信濃国」の「国」は、上州や甲州などに使われている「州」と同じ意味を持つ言葉で、信濃の「信」と「州」を合わせて、いつしか「信州」と呼ばれるようになった。
その「信州」の範囲は、現在の長野県の県域とほぼ一致する。
信州のエリア区分
面積もさることながら、地域ごとの文化や慣習の違いが大きい信州は、上のマップに記された「北信」「東信」「中信」「南信」の4つのエリアに分けられている。
大半の観光ガイドは、このエリアに沿って編集されており、それをもとに旅をする人が多いし、当サイトもインデックスに同様のページを用意している。
ただ冷静に考えてみると、
我々は「その地にあるものを観に行っている」のではなく、「観たいと思うものがあるところに行っている」はずだ。
ということは、エリアより先に”信州で観るべき、食べるべき、あるいは身を委ねるべきもの”が何であるかを探る必要がある。
観光バスや公共交通機関を利用する旅は、時間とコストを有効活用するため、エリア優先になるのは致し方ない。
しかし車中泊のクルマ旅で信州をめぐる我々は、この野鳥のように、自由に気の赴くままに行動することができるのだから。
信州が持つ4つの魅力
というわけで、ここからは”信州が持つ魅力”を深堀りしていこう。
前述した信州に「何度も通いたくなる理由」は、たぶんここに起因してくる。
山に惚れる
人が山と接する方法は「十人十色」。
「北アルプス」で遭難事故が後を絶たないにもかかわらず、麓の「上高地」には登山経験はもちろん、服装や装備、あるいは季節等による入場制限は一切ない。
ゆえに訪れる人は思い思いの方法で山と接し、山を愛せる。放任主義にも思えるが、それが本当の自由だ。
車中泊のクルマ旅を愛好する人間にとって、この環境が気に入らないはずはない。
また山で学んだことは、どこの旅においても活かされる。
大切なのは「自分の旅のスタイル及び体力や年齢とのマッチング」だ。
そのためには「信州の山では何が楽しめるのか」を知ることから始めよう。
ベストスポットは「上高地」
「上高地」は、「槍ヶ岳」に端を発する「梓川」の上流域に広がる細長い平坦地で、中部山岳国立公園に属し、国の特別名勝・特別天然記念物にも指定されている。
通年マイカー規制が導入されているが、バスやタクシーの便が良く、信州を代表するネイチャーフィールドとして、年間約150万人もの観光客が訪れる。
以下の「上高地 車中泊旅行ガイド」には、初めての人に向けた「上高地」へのアクセスから、ハイキング・キャンプ・トレッキング、さらにはスノーウォーキングにいたるアクティビティーまで、現地で何ができるかを詳しくまとめている。
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温泉に惚れる
安くて質の良い温泉といえば、東北あるいは九州を推す人は多いが、信州と答える人は意外に少ない。
インパクトの強い「山」と「蕎麦」の影に隠れているが、実は長野県は北海道に次ぐ日本で2番目に温泉地の多い都道府県で、裏返せばそれだけ秘湯・名湯の数も多いということになる。
関東・東海・近畿地方からのアクセスを考えても、そんな信州の温泉めぐりを楽しまない手はないと思う。
ベストスポットは「湯田中渋温泉郷」
「湯田中渋温泉郷」のはずれにある、「地獄谷野猿公苑」のニホンザルがLIFE誌の表紙を飾った話は有名だ。
以降、ここの野猿たちは「スノーモンキー」と名付けられ、見学に訪れる外国人は珍しくなくなった。
だが観光客の多くは「野猿公苑」にだけ足を運び、本家本元の「後楽館」にある「お猿の湯」に立ち寄ることはほとんどない。
「野生猿との混浴」という、ありそうでなさそうな湯浴みこそが、秘湯・地獄谷温泉の妙味だというのに…(笑)。
もっとも「スノーモンキー」の話は、湯田中渋温泉郷のネタのひとつに過ぎない。
ここには「宮崎駿」監督も注目した、あの「湯屋」を彷彿させる宿もある。
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歴史に惚れる
信州の歴史を語るうえで欠かせないのは、やはり「武田信晴(信玄)」だろう。
2007年の大河ドラマ「風林火山」を筆頭に、戦国時代の話になれば「レギュラー」として必ず登場する(笑)。
「甲斐の虎」と諸国から恐れられた「信晴」は、現在の山梨県甲府に本拠地を置いていたが、京へのルートと海を求めて信濃侵攻を繰り返した。
信濃土着の豪族だった「真田氏」は、その「晴信」の有能な家臣で、武田家滅亡後の信濃を面白くする「立役者」となる。
ベストスポットは「松代」
甲斐の「武田軍」と越後の「上杉軍」が、信濃の覇権をかけて5度にわたる合戦を繰り返した川中島の周辺は、古くから交通の要衝にあたる地で、そこに目をつけた「信玄」は、松代に城を築かせ支配を強めた。
武田氏が織田・徳川連合に敗れて滅び、江戸時代になると、松代に上田から「真田氏」が移封されて松代藩が誕生する。
その頃には、「真田氏」はすっかりおとなしくなってしまったが、幕末にその松代藩が、維新の志士達に多大な影響を与えた奇才「佐久間象山」を排出する。
ご存知の通り、「勝海舟」は「佐久間象山」の指南を受け、その「勝海舟」に弟子入したのが「坂本龍馬」だ。
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蕎麦に惚れる
信州に来て、”そばの美味い店”を人に尋ねるのは野暮な話だ。
「信州そば」には様々なカテゴリーが確立されており、各々に美味い店が存在する。
つまり最初にそのカテゴリーを知ることが肝要だが、都合の良いことに信州には”ご当地そば”が根付いている。
そこで代表的な信州の”ご当地そば”をピックアップしてみた。
バックボーン
筆者が信州に詳しい理由
ご承知の方もあると思うが、筆者はこれまでに「車中泊コースガイド」というムック本を10冊以上手掛けている。
その中のひとつが、2015年7月に発売された「信州車中泊コースガイド」だ。
20世紀から、家族で何度も「上高地」や「乗鞍高原」に足を運んでいたこともあり、大阪在住でありながら、信州にはけっこう馴染みがあったのだが、この本を書いたおかげで、長野県全域を改めてしっかり取材する機会に恵まれた。
それをもとに構築したのが、前述した”4つの魅力”と”7つの旅路”で、この「信州車中泊コースガイド」は、自分史上一番の出来とも思える会心作になった。
ただ、発売から約10年…
景色は変わらなくても、道や施設は歳月とともに変化するため、書籍というのはどうしても色褪せていく。
ただ、せっかくのコンテンツを化石にしてしまうのは惜しいと思い、できるかぎり令和の情報に更新して、ネット上で蘇らせることにした。
もちろん自費で取材しているので「完璧」とまではいかないが、プロの目というのはそう簡単には衰えない(笑)。
まして筆者と同じ”アラウンド還暦”世代なら、価値観も共有できるに違いない。
なお原本をご希望の方には、Amazonではまだ中古品が手に入るようだ。ただし少しプレミアがついた価格になっている。