車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、「道の駅 風穴の里」の車中泊に関する記述です。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊スポットガイド
この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
~ここから本編が始まります。~
「道の駅 風穴の里」は、松本から乗鞍高原・上高地に向かう途中にある道の駅だが、駐車場の傾斜がきつく車中泊には適さない。
道の駅 風穴の里 DATA
道の駅 風穴の里
〒390-1504
長野県松本市安曇稲核3528-1
☎0263-94-2200
9時~17時(食堂:午前9時30分~16時)
11月中旬~4月中旬は木曜定休
「道の駅 風穴の里」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第14回
登録日/1998年4月17日
「道の駅 風穴の里」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2008.05.03
2012.09.17
2013.04.27
2013.09.25
2014.09.22
2015.03.14
2018.04.25
2022.09.25
2024.07.26
※「道の駅 風穴の里」での現地調査は2024年7月が直近になります。
道の駅 風穴の里【目次】

「道の駅 風穴の里」のロケーション
「道の駅 風穴の里」は、長野自動車道「松本インター」から国道158号で約30キロ・40分、沢渡バスターミナルまで約13キロ・15分、乗鞍観光センターまで約19キロ・20分のところにある、中規模クラスの道の駅だ。
驚いたことに、松本から乗鞍高原・上高地、さらに安房トンネルを超えて岐阜県の奥飛騨温泉郷の平湯に至るまでの間に、道の駅はこの1軒しかなく、安曇野を含む一大観光エリアにしては、甚だ寂しい限りだと思う。
「道の駅 風穴の里」の施設
上記の理由により、いうまでもなく「道の駅 風穴の里」は、四季を通して車中泊旅行者で賑わっているわけだが、昔からゴミ箱が設置されている点を除けば、車中泊に適しているとは思えなかった。
だが…
第二トイレの壁際にあった、唯一のセールスポイントともいえるゴミ箱が、2018年4月に訪ねた時には撤去されていた。
ゴミ箱は店内に移され、夜間の利用ができなくなっている。
2022年9月には、もう風前の灯(笑)。
車中泊をしなければ気にすることもないのだが、こうなると深夜に到着して、早朝のうちに上高地行きのシャトルバスが出る沢渡へ移動したい現役世代の旅人にとっては、もはや「ないに等しい」のも同じ。
ゴミが出る事情が他の道の駅とは違うだけに、この対応には疑問が残った。
さて。
「道の駅 風穴の里」の駐車場は、収容台数が少ないうえに傾斜がある。
傾斜は上の写真の奥から手前にかけて下り、さらに右から左にかけても下っており、ハイエースが駐車している列はダブルでその影響を受ける。
また大型車との距離もずいぶん近く、深夜は本当に煩かった。
なお国道をはさんだ向かいに建つ、そば屋の横にも駐車場はあるのだが、こちらにはトイレがない。
前を走る国道158号は夜間も通行量が多く、トラックもよく通るので、夜トイレに行きたくなる中高年は、避けたほうがいいだろう。
いっぽうトイレは屋外に2つある。
ただし、ウォシュレットがあるのは多目的トイレのみ。
2つあるのは観光バスでやってくるツアーを意識してのことと思うが、これでは冬は辛いだろう。
そんなわけで、乗鞍高原や上高地を目指す旅人は、もう少し走って現地の駐車場まで行ってしまうほうがいいと思う。
上高地へのアクセスに関する留意点
ご承知の通り、現在は上高地までマイカーで行くことはできない。
そのため、マイカー旅行者は「沢渡地区」にある「有料の乗り換え駐車場」にクルマを置いて、バスかタクシーで上高地まで往復しなければならない。
「有料の乗り換え駐車場」で車中泊をすれば、駐車料金は2日分の1200円が必要(日付が変われば料金も変わる)になるわけだが、道の駅で前泊すれば1日分の600円が浮く。セコいようだが、庶民はこういう節約を重ねなければ、毎月の遠出が難しいのはよくわかる。
ちなみに、道の駅から沢渡の筆者がお勧めしている「松本市営・沢渡第2(第3)駐車場」までは約13キロ、15分。
一見余裕があるように思えるが、グリーンシーズンの金曜日や連休前日には、深夜から早朝にかけて、全国から続々と登山客・マイカー観光客がやってくる。
早起きが苦にならず、朝6時前にはラクに移動できるという人は問題ないが、8時頃からでないと動けない人には、既に「駐車場の空き待ち」が待っている可能性が高い。
その心配があるなら、600円を「駐車場の確保代」と思い、沢渡まで行って車中泊をするほうがいい。駐車場はどんなに早くても昼前までは空かないはずだ。
ところで。
休憩施設としての「道の駅 風穴の里」は悪くない。
早朝からの活動を目指して「前泊」で長野県入りをする場合、9時開店の「道の駅 風穴の里」に立ち寄るのは時間的に難しいかもしれないが、もし営業時間中に立ち寄れるのなら、上高地のガイドマップはここで手に入れていくといい。
上高地バスターミナルには、無料のマップは置いていない。
2018年4月にリューアルされた売店には、地元のユニークなアイテムも置かれており、思いのほか楽しめる。中でもこの「とうじかご」には心が揺れた。
近くの奈川は、この籠を使うハレの日の郷土料理「とうじ蕎麦」で有名だ。
ただ2024年7月に気にかかっていた「とうじかご」を、やはり買いたいと思って立ち寄ったのだが、もう売ってはいなかった。やはり「欲しい」と思った時が「買い時」ってことだね!
それはさておき、道の駅のレストランの名物は「十割そば」らしい。
いつでも食べられるかどうかは疑問だが、盛り蕎麦680円というリーズナブルさに釣られて、食べてみることに。
麺はコシがあってツルツル・つやつや。
しかし「やられた~」感は否めない。
確かに、のぼりに「手打ち」とは書かれていなかった(笑)。
最後は道の駅の向かいの店舗について。
国道を挟んだ反対車線側には、かつて乗鞍高原にある人気の石釜パン工房「ル・コパン」の支店があったが、ずいぶん前に閉店してしまった。今は本店も廃業しており、美味かっただけに残念だ。
現在は「そばかふぇ ぐりんでる」がここで営業している。
見かけからは、おいしいそばが食べられそうに思えないが(笑)、以前は奈川に店があり、「そば通」にはよく知られた存在のようで、さきほどの「とうじ蕎麦」も食べられると聞く。
筆者はまだ行けていないが、次回はここを目当てに訪ねてみたい。
2022年9月 実食!
車中泊に適さないと分かっている道の駅に、リピートすることなどまずないのだが、書いた手前、わざわざそのためだけにクルマを駐めて暖簾をくぐった。
ただ「とうじ蕎麦」は週末のみで要予約と云われ、写真の「鴨汁そば」を注文。
運ばれてきたのは、冷たく冷やされた「粗挽きそば」。
見た目からも分かるように、石臼で挽かれた蕎麦の実の細かな粒が混ざっているのが、二八なので食感は見た目よりもツルッとしていて上品だ。
それを鴨のダシがほどよく効いた熱々の汁に、サッとつけていただくのだが、そばの表面には熱が伝わりつつ、芯には冷たさが残る「頃合い」を見極めて口に運ぶのが、なかなか難しい(笑)。
「このくらいかな」
「いや、ちょっと遅かったか」
なんてことをしているうちに、あっという間に「至福のひととき」は終わった。
だが、実は本当の「至福」が訪れたのはそれから。
「鴨汁」のそば湯は、これまで筆者が口にしてきた中では最高の逸品だった!
大人気もなく、そば湯を一滴残らず飲み干して支払った1600円のお勘定は、はるばる来た値打ちを十二分に感じさせてくれるものだった。
そばかふぇ ぐりんでる
TEL:0263-94-2825
11時~14時30分(15時閉店)
定休日:シーズン中は木曜、シーズンオフは不定休
2024年7月 更新
安曇野から乗鞍高原に向かう途中に立ち寄ったら、なんと店が変わっていた!
7月にオープンしたばかりのようだが、以前の「そばかふぇ ぐりんでる」は評判が良かっただけに、不思議に思って道の駅で確認したら、大将が病気のために店を続けることができなくなり、2024年4月25日に惜しまれながら閉店したという。
7月20日に新しくオープンした「みどの」も、ネットではなかなかの評判のようだが、この日は準備中で暖簾をくぐることはできなかった。
どんな店かは以下の記事を参考に。
「道の駅 風穴の里」の車中泊好適度
「道の駅 風穴の里」のゴミに対する対応
可燃ゴミ:駅舎の中の入口にあり、営業中は利用可能。
缶・ビン・ペットボトル:自動販売機の横にあり、24時間利用可能。
なお、車中泊の旅行中に発生するゴミは「家庭ゴミ」ではない。
しかるに「家庭ゴミの持込み禁止」は地域住民に向けた正しい勧告ではあるが、車中泊の旅行中に発生するゴミは該当しない。
こう説明すれば分かりやすいと思う。
近くのスーパーで買ってきた「弁当」は、道の駅についた時点では「ゴミ」ではなく「食品」だ。
それを道の駅に駐めたクルマの中で食べると、残った容器がゴミになる。
ということは、正確には「道の駅で発生したゴミ」であって、
道の駅のスタッフが、出勤前にコンビニで買ってきた弁当を昼食に食べた後、その容器を事務所のゴミ箱に捨てるのと同じ話で、誰が食べたかは関係ない。
すなわち、「事業ゴミ」として道の駅が処分するのが筋ということになる。
明日自宅に帰る車中泊の旅行者が、それを「持ち帰り」するのは自由だが、それは「マナー」と呼ぶものではなく、あくまでも「道の駅の負担を軽減してあげるための協力」であって、基本は堂々と捨てさせてもらってかまわない。
車中泊旅行中のゴミの処分については、以下にもっと詳しい記事を掲載しているので、時間があればぜひ。上に記した話が「自分勝手」かどうかは、法律に照らし合わせれば一目瞭然だ(笑)。
「道の駅 風穴の里」の最寄りの温泉&買い物施設
最寄りの温泉は2017年4月にリニューアルオープンした「竜島温泉せせらぎの湯」。デリシアから道の駅方面に少し進んだところにあるが、国道から外れた川沿いにあるため、夜は相当わかりづらいと思う。
竜島温泉せせらぎの湯
〒390-1520 長野県松本市波田3452
☎0263-94-1126
大人:520円
入浴・休憩/ 10:00~22:00(入館締切21:00)・毎週月曜定休
なお、沢渡周辺と乗鞍高原には、日帰り入浴ができる温泉がたくさんあるので、そちらから道の駅に行く場合は、事前に入浴を済ませてからのほうがいい。
上高地と乗鞍高原周辺の問題点は、近くにスーパーマーケットがないことだ。
比較的大きなスーパーは、松本方面から来る途中にある松本電鉄上高地線「波田」駅前の「デリシア」。ここは真新しいコインランドリーも併設している。そこから道の駅からまでは10キロほどの道のりだ。
ただし、デリシアは国道158号からは見えないところに建っている。目印は波田町役場。松本方面から来る場合は、その交差点を左折し、踏切を超えてスグのところにある。
デリシア 波田駅前店
〒390-1401松本市波田4417-28
☎ 0263-92-5545
営業時間9:00~23:00・無休
「道の駅 風穴の里」のアクセスマップ
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