車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家が、乗鞍高原にある「のりくら温泉郷」を分かりやすく解説しています。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊温泉旅行ガイド
この記事は「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、15年以上かけてめぐってきた全国の温泉地を、「車中泊旅行者の目線」から再評価し、車中泊事情や温泉情緒、さらに観光・グルメにいたる、各温泉地の魅力を紹介しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
~ここから本編が始まります。~
「のりくら温泉郷」は乗鞍高原にある「乗鞍三湯」の総称だが、旅行者目線からすれば、実質的には「乗鞍高原温泉」と変わらない。
乗鞍高原の筆者の歴訪記録
※記録が残る2001年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2001.10.07
2002.10.14
2003.07.28
2003.10.03
2007.10.05
2008.05.02
2012.09.17
2013.09.24
2014.10.09
2016.07.15
2018.04.26
2019.08.09
2022.09.22
2024.07.27
※「乗鞍高原」での現地調査は2024年7月が直近です。
のりくら温泉郷の概要

「のりくら温泉郷」の実態
「乗鞍高原」には近くにいい見本となる「奥飛騨温泉郷」があるのだが、他にも関東なら「那須」や「箱根」、九州なら「霧島」など、「温泉郷」というのはそのクラスの規模を持つ温泉地を連想させる表現だと思う。
だが…
公式サイトを見ればわかるが、ここを「のりくら温泉郷」と呼ぶには、規模も源泉数も明らかに過小だ。
「温泉郷」の定義にきちんとしたルールがないにせよ、少なくとも温泉を楽しみに来れば、不必要にガッカリさせられる人は多いと思う。
3つあるうちの2つの「源泉」には、入浴できる施設が1軒づつしかなく、実態はもっとも温泉宿の数が多い「乗鞍高原温泉」=「のりくら温泉郷」になる。
そのうえ、「乗鞍高原温泉」には店が軒を並べる温泉街も存在しない。
そもそも…
旅行者には、「乗鞍高原温泉」のほうが分かりやすい。
「乗鞍岳」「乗鞍高原」と、他では全部漢字で表記しているのに、温泉だけが「ひらがな表記」というのは不自然だ。
乗鞍高原は夏はトレッキング、冬はスノースポーツが楽しめる”アウトドア・リゾート」として知られ、そのひとつのコンテンツとして温泉がある。
云ってみれば「白馬」に近いイメージだ。
実際に現地に足を運ぶと、町のつくりもそのようになっていて、建物はいかにも温泉宿というよりは、スキー客が泊まるロッジのような雰囲気のものが多い。
温泉だけをあえて「ひらがな表記」にしている理由は知る由もないが、筆者は「乗鞍高原」には、チャラチャラした部分がないからいいと思っている。
それだけに、若い女子に媚びを売るような「ひらがな表記」は、せっかくのイメージを損なう愚策としか思えない。
ちなみに過去のウィキペディアには、
『2005年前半頃まで「乗鞍高原温泉」をそのまま宣伝で用いていたが、現在は温泉の宣伝に「のりくら温泉」を用いている。』と記されていた。
2024年現在でも、「湯けむり館」はホームページに「乗鞍高原温泉」の表記を使用しており、公共施設でありながら「のりくら温泉郷」という文字は、公式サイトのどこにも見当たらない。
地元でも受け入れられていないネーミングに、何の意味と価値がある。
もし客数を増やしたいのであれば、こんな”子供騙し”ではなく、「温泉手形」を発行するなど他にも打てる手はあるはずだ。
ちなみに「のりくら温泉郷 温泉手形」でググると、こんなページがヒットした。
終わってるやろ、もう全部(笑)。
乗鞍高原の温泉は、お湯と宿自体は悪くないのだが、プロデュースがお粗末すぎて”大損”をしている。
「乗鞍高原温泉」のお湯
「乗鞍高原温泉」は、1976年(昭和57年) に湯川の上流で自然湧出のまま渓谷に流れていた温泉を、「乗鞍高原」に引き湯したのが始まりとされ、「湯川源泉」という名前はそこからきている。
泉質は「酸性硫化水素泉」で、硫黄分が空気に触れると固形化して白濁するため、湯の花ができる。またpH3.2と酸性が強いため、レジオネラ菌は生息できない。
湯川源泉は白骨温泉の源泉地の上流にあたるため、両者のお湯はよく似ている。
ということは、ここでも「3日入れば3年風邪をひかない」かも(笑)。
「のりくら温泉郷」の源泉
以下は過去のウィキペディアからの転用。
「のりくら温泉郷」は長野県松本市安曇の乗鞍高原一帯にある温泉の総称で、源泉地によって以下の4つの温泉に分類される。
●のりくら温泉(乗鞍高原温泉)
源泉は北西方向にある湯川源泉。泉質は酸性硫化水素泉で、白濁色。
●すずらん温泉
源泉は乗鞍高原内の鈴蘭地区。泉質は単純泉。2001年に湧出。
●安曇乗鞍温泉
休暇村乗鞍高原が引湯しており、源泉は付近の地下約1300m。泉質は炭酸水素塩温泉。2003年に湧出。
●わさび沢温泉
源泉は鈴蘭地区西方のわさび沢。泉質はマグネシウム-カルシウム-炭酸水素冷鉱泉。2004年に引湯。
なお「わさび沢温泉」は2018年に供給公社が解散し、現在は供給自体がストップしているので入湯することができない。
「乗鞍高原温泉」のお勧め日帰り温泉
最後に「乗鞍高原温泉」で筆者が実際に入湯してきた日帰り温泉をご紹介。
「安曇乗鞍温泉」には、「休暇村乗鞍高原」が管理する日帰り温泉「安曇乗鞍温泉館 天峰の湯」に行けば入湯できるが、日帰り入浴の受付時間が短いのでご注意を。
安曇乗鞍温泉館 天峰の湯
☎0263-93-2304
おとな800円
12時~16時(受付最終15時)
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