車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家が、夏の八方尾根・自然研究路トレッキングの概要を紹介しています。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊旅行ガイド

この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
~ここから本編が始まります。~
雪渓を超えた先に広がる、北アルプスの絶景に感激する。

料金は2010年当時のもので、現在は3300円です。
八方尾根・自然研究路 DATA
八方尾根・自然研究路
八方ゴンドラリフト八方駅
〒399-9301
長野県北安曇郡白馬村八方4258
☎0261-72-3280
八方アルペンライン通し券
おとな往復3300円
夏季営業は6時30分~16時50分
「八方尾根・自然研究路」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2010.07.19
「八方尾根・自然研究路」での現地調査は2010年7月が直近で、この記事は友人知人から得た情報及び、ネット上で確認できた情報を加筆し、2024年8月に更新しています。
八方尾根・自然研究路 目次

八方尾根とは

田園風景が続く白馬の山麓から、見上げるように聳え立つ北アルプスの山々。
写真の左から右に下って伸びる「八方尾根」は、「白馬連峰」と呼ばれる主峰のひとつ、「唐松岳」から延びる水平距離約7.5キロ、標高差約1900メートルのなだらかな稜線を指している。

ウインターシーズンには、本州屈指の難度を誇るゲレンデとして、日本はもとより今は海外からも多くのスキーヤーたちがこの地に集うが、高山植物で彩られる、夏山シーズンの「八方尾根」も悪くない。

今回もっともたくさん見られた野草は、まるで線香花火のような咲き方をする「シモツケソウ」だった。
八方尾根・自然研究路のコース概要

出典:白馬観光開発株式会社
「八方アルペンライン」の終点、「八方池山荘」から標高2060メートルの「八方池」までの約2.5キロは、適度に整備されたトレッキングルートになっており、「八方尾根・自然研究路」と呼ばれている。
これから、その手軽に日帰りできる風光明媚な山歩きのコースを、写真とともにガイドしよう。
マップはゴンドラの始発駅になる八方駅でも手に入るが、名刺サイズほどに小さくたたまれているので見逃さないように。
まあ、別になくても迷子になる心配はなさそうだけどね(笑)。
ちなみに筆者が現地を訪ねたのは、まだ若かりし14年前の2010年7月なので、多少は建物などが変わっているかもしれないが、そこはご容赦を。たぶん山道は変わっていないと思う。

自然研究路へのアプローチは、この「八方駅」で「ゴンドラリフトアダム」に乗り込むことから始まる。

クルマは「八方駅」周辺の有料駐車場に停めることもできるが、

旅館街を7分ほど歩いて下れば、無料で利用できる八方第2、第3駐車場がある。

できればそこから歩くほうが、旅館街を歩いて通るので楽しいと思う。

さて。
八方アルペンラインとは、「八方尾根ゴンドラリフト」「アルペンクワッドリフト」「グラートクワッドリフト」の3つを結ぶ経路のことで、総延長は3445メートル。
標高差1060メートルを一気に登り、わずか40分ほどで標高1830mの第1ケルン・八方池山荘へと運んでくれる。
大人往復3300円だが、好天に恵まれればきっと安く感じられるだろう。

2つ目のアルペンクワッドリフト。
足元に高山植物を見ながら、涼風の中を進んでいく。

オリンピックのスタートハウスが見えれば、まもなく「アルペンクワッドリフト」の終点。いよいよガスに煙る白馬の山々が見え始める。

最後の「グラートクワッドリフト」への乗り換え道からの光景。ここはお勧め撮影ポイントのひとつだ。

楽チンで眺めの良かった「グラートクワッドリフト」の終点は「八方池山荘」で、そこから先は自らの足だけが頼りのトレッキングになる。

道は木道や石畳で、緩やかな勾配が続くが、ソールの薄いシューズでは厳しい。

雪渓が現れれば、まもなく第二ケルン。
「八方池山荘」からここまでは、ゆっくり歩いて45分ほどだ。
途中の道沿いには希少な高山植物の姿が見られることも多いので、景色とともに自然の恵みを味わいながら歩こう。

ほんの数本だけではあったが、小さなクルマユリを見つけた。

第二ケルンに到着。いよいよクライマックスは間近だ。
ちなみに「ケルン」とは、登山で霧が出た時に道に迷わないように石を積んで作った道標のこと。

そしてゴールの「八方池」に到着。
「八方池」は雪に押し流された土砂の堆積でできた自然の池で、サンショウウオやモリアオガエルなどが生息しているという。

なお、このように湖面に映し出される山の写真を撮りたい場合は、池の周囲の木道まで降りるといい。
基本的に晴れていれば、ガスがかかっても待てば山が顔を出す可能性は高い。

マップを見れば分かる通り、「八方池」から先も「唐松岳」まで登山道は続いているが、ここからさらに約2時間30分を要する本格的な登山コースだけに、それなりの装備が必要になる。
山は下る方が足への負担が大きくなるので、たとえ午前中であっても無理は禁物。特に中高年は少し余裕を残して帰るくらいでちょうどいい。
最後に、真夏は日焼けと喉の渇きに対する準備を万全にしてからお出かけを。
グッドラック! 健闘を祈る(笑)。
「ゴンドラリフト八方駅」のアクセスマップ



































