車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、黒部ダム行きの電気バスが発着するアルペンルート「扇沢駅」の駐車場と車中泊に関する記述です。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊スポットガイド


~ここから本編が始まります。~
黒部ダムの観光は、長野県側の「扇沢駅」から往復するのがベストチョイス。

扇沢駅 DATA
扇沢駅
〒398-0001 長野県大町市
☎0261-22-0804
有料と無料の駐車場あり
「扇沢駅」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2002年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2002.10.07
2009.07.26
2013.09.27
2024.07.25
※「扇沢」での現地調査は2024年7月が直近です。
扇沢駅 駐車場&車中泊ガイド

早起きの苦手な人が連休や夏休みに行くなら、扇沢での車中泊がお勧め!
黒部ダムへのアクセスルートは2つある
まだ「黒部ダム」に行ったことがない人には、意味がよくわからないと思うので、まずはこの話から始めよう。
「黒部ダム」は、富山県の立山と長野県の扇沢を結ぶ「立山黒部アルペンルート」の途中にあり、両方からアクセスできる。
ただし「立山黒部アルペンルート」はマイカーで通ることができないので、上のマップに書かれた、ケーブルカーやバスなどを細かく乗り継いで行かなければならない。

車中泊旅行者のようにマイカーがある場合、「立山駅」から「黒部ダム」まで行くと、往復するだけで空いていても3時間や4時間はかかり、連休や夏休みともなれば、乗り換えのたびに順番待ちの行列に並ばされるので極めて効率が悪い。
「立山駅」と「扇沢駅」には、「アルペンルート」を通っている間にマイカーを回送してくれるサービスがあるが、7人乗りのミニバンでも3万円近くかかる。

そもそも、夏の「立山黒部アルペンルート」の見どころは、日本一高所にある「みくりが池温泉」で有名な「室堂」と「黒部ダム」だけだ。

しかも「室堂」に行く人の中には、そこから雄山や剣岳を目指す登山者も多い。
ゆえに「立山黒部アルペンルート」の全行程を制覇することにこだわらないのなら、「室堂」には「立山駅」から、「黒部ダム」には「扇沢駅」からアクセスするのが合理的だ。

日本が世界に誇る「黒部ダム」は、その歴史や建設エピソードを知って出向けば、十分な時間が過ごせるだけの見どころを秘めている。
ゆえに、駆け足で記念撮影だけしてトンボ返りするのはもったいない。
早起きの苦手な人が連休や夏休みに行くなら、扇沢での車中泊がお勧め!

さて。ここからは長県側のアルペンルートの玄関「扇沢駅」の駐車場情報と、周辺の車中泊事情について紹介しよう。
扇沢の駐車場

出典:立山黒部アルペンルート 公式サイト
このマップの通り、扇沢駅には第1~第4までの有料駐車場と、その下に無料の「扇沢 大町市営駐車場」がある。
無料駐車場 230台
有料駐車場 350台
臨時駐車場 600台〜800台
※混雑時のみ対応
乗用車 駐車料金
第1・第2駐車場/12時間まで1000円(超過12時間まで1000円)
第3駐車場/24時間まで1000円(超過24時間まで1000円)
※駐車料金の精算は自動精算機で、利用できる紙幣は千円札のみ。

こちらが有料駐車場。
手前が「車いす専用駐車場」で、真ん中が第1と第2駐車場。さらにその下に第3駐車場が見えている。

24時間トイレは「第一駐車場」と「扇沢駅」の間にある階段の踊り場にある。

建物は古そうだが、中はちゃんとウォシュレットに改修されていた。
有料駐車場は全部で350台のキャパがあるが、連休や夏休みは10時までには満車となり、約8キロ離れた臨時駐車場に誘導される可能性が高い。
そこからは、無料のシャトルバスで「扇沢」駅まで送迎してもらえるが、駐車場整備協力金として1台1000円が徴収される。
それにハマるのは最悪のシナリオで、可能性がありそうなら「前泊」が好ましい。
ちなみに、有料駐車場は「車中泊禁止」と書いているサイトもあるが、今回筆者が現地を見てきたかぎり、車中泊に関する規制の表示は見つからなかった。
公式サイトも同様で、結論としては車中泊を特に禁止しているようには見えない。
ただこの環境で1泊2000円以上つくというのは、けして安いとは云えないね。

なので車中泊をするなら、最初に入口が現れる「扇沢 大町市営駐車場」がいい。

ただ無料なのでやはり一番混んでいる。そのうえ未舗装なので、雨が降るとご覧の通り水たまりだらけになる。
また有料駐車場にある24時間トイレまでは、徒歩なら5分以上はかかる。
行けば確実に眠気は覚めるだろう(笑)。

なお食事または買い出しは、入浴とともに大町市内で済ませてから行こう。
扇沢駅のレストランは15時で閉店する。





































