車中泊旅行歴25年で、上高地にも14度足を運び、その四季を知るクルマ旅専門家がまとめた、上高地の最深部にある寝心地抜群の「徳澤キャンプ場」に関する記述です。
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この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
~ここから本編が始まります。~
「徳澤キャンプ場」は、上高地の最深部にある寝心地抜群のテントサイト
徳澤キャンプ場 DATA
徳澤キャンプ場
〒390-1516
長野県松本市上高地
☎0263-95-2508
キャンプ料金:おとな1500円
予約不要
焚き火禁止
ゴミ持ち帰り
※小梨平で廃棄可能
レンタル品あり
食材販売なし
徳澤キャンプ場の筆者の歴訪記録
※記録が残る2001年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2001.05.04
2003.05.24
2007.08.12
2007.10.06
2009.09.20
「徳澤キャンプ場」での現地調査は2009年9月が直近で、この記事は友人知人から得た情報及び、ネット上で確認できた情報を加筆し、2024年8月に更新しています。
「徳澤キャンプ場」の歴史と概要
まず「徳澤キャンプ場」の寝心地の良さには訳がある。
かつてこの地は牧場だった。
明治18年に開拓された上高地牧場には、最盛期には400頭ほどの牛馬がいたというが、時代とともに牧場の維持が難しくなり、場所を移し広さを変えながら、昭和4年にこの徳沢の地に落ち着いた。
しかしその後も経営状況は芳しくなく、昭和9年に牧場は閉鎖。
跡地はキャンプ場に、番人小屋は登山者向けの休憩舎となった。
昭和25年に、休憩舎は「徳澤園」として本格的な山小屋の営業を始める。
そして昭和31年に前穂高岳を舞台にした山岳小説「氷壁」(井上靖)が発表されると、「徳澤園」は「氷壁の宿」として、全国の登山ファンに広くその名を知られる存在となった。
「徳澤園」は現在でも、蝶ヶ岳や穂高、槍ヶ岳を目指す登山者たちの憩いの場として活躍している。
さてここからは、その歴史ある徳沢キャンプを紹介していこう。
上高地バスターミナルから約6キロあるものの、道はほとんどアップダウンがないので、60リットルクラスのリュックを背負っても、寄り道をしなければ90分ほどで到着できる。
サイトは「ハルニレの高原」という表現がピッタリくる景観だ。
地面は草地で柔らかいが、年数が経過しているため、ここが牧場の跡地だというのは聞かなければ気づかない。
水はけもまずまずで、寝心地は評判通り上高地で一番いいと思う。
ただし照明は一切ないため、夜間はヘッドライトか懐中電灯が不可欠だ。
また混んでくると、四方を他人のテントに囲まれて、自分のテントがわからなくなるかもしれない(笑)。
モンベルやアライテントの人は、よく目立つ目印を用意していくほうがいいだろう。
キャンプ料金は大人1泊1500円。
ただテントをそのままにして穂高や槍ヶ岳に登り、山荘で泊まって翌日に戻って来る場合は1000円になる。
キャンプの予約は不要で、きれいな水場とトイレが使える。ここまでは小梨平キャンプ場と大差はないが、ゴミは全て持ち帰りで食材の販売もない。
代わりに徳沢園の「みちくさ食堂」が利用できる。
営業時間は朝7時から夜19時30分で、その間は喫茶やビールの購入もできるが、食事についてはランチタイムと、キャンパー用のテイクアウト予約時間に限られている。
詳細はこちらの公式サイトで。
いずれにしてもここまで来ると、一番軽くて役に立つキャンピングギアは「マネー」になる(笑)。

出典:上高地公式ウェブサイト
なおお風呂は「徳沢園」ではなく、近くに建つ「徳沢ロッヂ」が利用できる。
外来入浴
15時~20時(受付最終19時30分)
大人¥1000(タオル付)/子供(小学生以下)¥500
宿泊及び徳澤キャンプ場のレンタルテント利用客が優先。そのため混雑時には利用できない場合があるので、事前に電話(☎0263-95-2526)で確認してから行くほうが確実だ。