車中泊旅行歴25年で、上高地にも14度足を運び、その四季を知るクルマ旅専門家がまとめた、小梨平キャンプ場の情報です。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊旅行ガイド
この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
~ここから本編が始まります。~
憧れの上高地に、ひとり1泊1500円で泊まれる、まるで夢のような場所。
小梨平キャンプ場 DATA
小梨平キャンプ場
〒390-1516
長野県松本市安曇上高地4468
☎ 0263-95-2321
※冬期0263-94-2536
営業期間
11月下旬〜4月中旬
料金
ケビン 1名1泊5500円~
キャンプ 1名1泊1500円
キャンプは予約不要
※夏期繁忙期のみ予約制
チェックイン午前6時
チェックアウト午後1時
浴場・食堂・売店あり
入浴:おとな700円
14時~18時
食堂
7時~17時20分
売店
7時~18時
「小梨平キャンプ場」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2001.05.04
2003.05.24
2007.08.11
2011.05.12
2016.02.12
2018.04.27
※「小梨平キャンプ場」での現地調査は2018年4月が直近で、この記事は友人知人から得た情報及び、ネット上で確認できた情報を加筆し、2024年8月に更新しています。
小梨平キャンプ場

小梨平キャンプ場のロケーション
「小梨平キャンプ場」は、「上高地バスターミナル」から「河童橋」方面に800メートルほど進んだ、「上高地ビジターセンター」の前に広がる林間サイトだ。
筆者はロッジ(A型キャビン2階建て)に1度、キャンプサイトには2度泊まっているが、嬉しいことに「小梨平キャンプ場」は、人気オートキャンプ場が超満員になるお盆でも比較的空いている。
なぜなら…
「上高地」では通年マイカー規制が実施されており、このキャンプ場に行くには、リュックサックにキャンピングギアを詰め、シャトルバスかタクシーを利用しなければならない。
また「上高地」は、一度入山したら簡単に買出しには出られないので、食糧もすべて持参していく必要がある。
すなわちいつものレジャー感覚でキャンプをするには、文字通り”荷が重い”。
とはいえ
上高地のバスターミナルまで来れば、リヤカーを借りてキャンプ場まで荷物を運ぶことはできる(有料1時間につき300円)。
ここでは「穂高」や「槍ヶ岳」を目指す登山者も利用するため、ファミリーキャンパーが普段なかなか出会うことのできない、コンパクトで実用性を重視したアルペン・キャンプを間近に見ることが可能だ。
その装備を参考にギアをスリム化していけば、筆者が紹介する上高地の本当の魅力に接するチャンスも生まれる。
その意味でここは、レジャーキャンプから本気のアウトドアの宿泊手段としてのキャンプへ、ステップアップしたい人の「登竜門」と呼べる場所だと思う。
小梨平キャンプ場の施設
施設は水洗トイレと綺麗な炊事棟、さらにはゴミ箱に食堂、お風呂までが完備されており、「高規格」と呼べるレベルにある。
それが、大人1人1泊たったの1500円で利用できるのだから衝撃だ。
焚火(直火)が許されているというのも嬉しい。
炊事棟の水は夏でも刺すような冷たさで、ゴム手袋があると役に立つ。
サイトは備え付けのテーブルの周辺から埋まるが、数が少ないので、夫婦なら独占せずに相席で半分づつ使うといった配慮が好ましい。
ただしその周辺は窪地になっており、雨が降ると水溜りになりやすい。
また遊歩道に近い場所は、日中は観光客からサイトが丸見えで落ち着かない。
敷地は広く、支流沿いにもテントが張れる場所がある。
なお、ここには豪華なロッジ(現地ではケビン)もあるので、キャンプの経験がない人でも利用することができる。
またキャンプ場のお風呂とは別に、「河童橋」の向こうにある「上高地温泉ホテル」では日帰り入浴を受け付けており、時間が間に合う人にはお勧めだ。