車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、「道の駅 木曽ならかわ」の車中泊に関する記述です。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊スポットガイド
この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
~ここから本編が始まります。~
木曽の木工伝統工芸品がズラリと並ぶ「道の駅 木曽ならかわ」は、都会人好みの垢抜けた道の駅
道の駅 木曽ならかわ DATA
道の駅 木曽ならかわ
〒399-6302
長野県塩尻市大字木曽平沢22272-7
☎0264-34-3888
営業時間
9時~17時
「道の駅 木曽ならかわ」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第15回
登録日/1999年8月27日
2022年12月リニューアル
農産物直売所「ならかわ市場」を「木曽くらしの工芸館」内に移転し、正面駐車場に24時間トイレを設置
「道の駅 木曽ならかわ」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2010.07.21
2013.09.22
2015.04.13
2020.10.31
2022.11.22
2024.07.21
※「道の駅 木曽ならかわ」での現地調査は2024年7月が直近になります。
道の駅 木曽ならかわ

「道の駅 木曽ならかわ」のロケーション
「道の駅 木曽ならかわ」の前を通る国道19号は、いわゆる「木曽路」と呼ばれる、岐阜県・恵那市から長野県・塩尻市にかけての「旧中山道」をトレースしている主要幹線道路だ。
道中にはかつての宿場町が点在しているが、「道の駅 木曽ならかわ」は「旧中山道」沿いでは、長野県側の終点となる「塩尻」にもっとも近い道の駅になる。
ちなみに最寄りの「宿場町」は、少し南にある「奈良井宿」で、「馬籠宿」「妻籠宿」、あるいは「木曽福島」に比べると知名度は低いが、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定された古い町屋が、約1キロにわたってずらりと並ぶ景観は、まさに江戸時代にタイムスリップしたかのようだ。
以下の記事には、その「奈良井宿」及び、隣接している「道の駅 奈良井 木曽の大橋」の詳細をまとめている。
「道の駅 奈良井 木曽の大橋」との大きな違いは、物販飲食施設の充実度だ。
これから説明するが、「道の駅 木曽ならかわ」は信州でもっとも施設が充実している道の駅のひとつに挙げられる。
そのため道の駅に泊まり慣れた旅人には、簡素な「道の駅 奈良井 木曽の大橋」より、はるかに興味をそそられることだろう。
「道の駅 木曽ならかわ」の施設
「道の駅 木曽ならかわ」は、2022年にリニューアルを受け、3月に農産物直売所の「ならかわ市場」を「木曽くらしの工芸館」内に移転し、その跡地に24時間トイレと新たな駐車場を設置している。
ちなみにこちらがリニューアル前の姿で、写真の左側に見える「ならかわ市場」が、新しい24時間トイレに建て替えられた。
もちろんトイレには、ウォシュレットが完備されている。
ただしトイレ横の新しい駐車場には傾斜があるので、車中泊には適していない。
しかし「道の駅 木曽ならかわ」には、こちら側の隣に「仮眠場」と記された大型車用の駐車場があるため、そこの利用者にとって、この新しい24時間トイレは何よりありがたいものになったと思う。
こちらは「木曽くらしの工芸館」の外にある食事処「与志田」。
そばをメインに、山菜や川魚・馬刺し・漬物等の、信州や木曽の特産品を使った地元ならでは定食類が食べられる。
営業時間は10時~17時で、火曜日定休(ハイシーズンは無休)。
さて。
注目の「木曽くらしの工芸館」は、エントランスからおしゃれで、入口で左右の「農産物直売コーナー」と「漆器直売コーナー」に分かれ、その一画に立派な「ワイン・地酒コーナー」がある。
400年の伝統を誇る数々の工芸品の陳列は、見る者を圧倒するほどのスケールだ。
販売だけでなく、製造工程や技術が伝わる展示もいい。
2階には60万円もする家具まであった。
だが
何より筆者を喜ばせたのはこちらだ。
長野オリンピックのメダルには、日本の工芸を代表する木曽漆器の技術が用いられており、ここでは金・銀・銅の実物メダルの両面に使用された漆加工の細部を、制作工程順に見ることができる。
2024年に開催されたパリオリンピックでは、栄光の証を永遠に伝えるはずのメダルが、早々と劣化して問題になっていることを思うと、約25年前のオリンピックメダルに、傷がついても目立ちにくく丈夫な木曽漆器の技術が使われていたことを、改めて誇りに感じる。
またその展示を、今なお続けている「道の駅 木曽ならかわ」の姿勢も立派だ。
ここまでくると、もう直売所というよりは立派なミュージアムだろう。
いっぽう、こちらは農産物直売所。
野菜の品揃えは少し物足りないが、加工品がたくさん揃えてある。
「ワイン・地酒コーナー」にいたっては、もはやデパート級だ(笑)。
思わず手が出た木曽の名酒「七笑」の純米大吟醸だったが、その旨さ以上に印象的だったのは、レジのおばちゃんの嬉しそうな顔だった。
きっとイケる口なんだろうね(笑)。
最後は車中泊について。
実は「道の駅 木曽ならかわ」のメインの駐車場は、「木曽くらしの工芸館」の裏手に設けられており、車中泊にも静かでフラットなこちらのほうが適している。
24時間トイレはこの中庭の右側奥にあり、入口横に可燃物のゴミ箱も置かれている。
もちろん中はウォシュレットが完備。
はっきり云って、北海道並みの「サービス三流」と云える長野県の道の駅において、「道の駅 木曽ならかわ」はいい意味での例外だ。
今後もメゲずに頑張って欲しいと願う。
「道の駅 木曽ならかわ」の車中泊好適度
「道の駅 木曽ならかわ」のゴミに対する対応
可燃ゴミ:24時間利用可。
缶・ビン・ペットボトル:同上
可燃物のゴミ箱は、「木曽くらしの工芸館」の表玄関と裏側のトイレ前の2ヶ所に置かれており、いずれも24時間利用できる。
そもそも、車中泊の旅行中に発生するゴミは「家庭ゴミ」ではない。
しかるに「家庭ゴミの持込み禁止」は地域住民に向けた正しい勧告ではあるが、車中泊の旅行中に発生するゴミは該当しない。
こう説明すれば分かりやすいと思う。
近くのスーパーで買ってきた「弁当」は、道の駅についた時点では「ゴミ」ではなく「食品」だ。
それを道の駅に駐めたクルマの中で食べると、残った容器がゴミになる。
ということは、正確には「道の駅で発生したゴミ」であって、
道の駅のスタッフが、出勤前にコンビニで買ってきた弁当を昼食に食べた後、その容器を事務所のゴミ箱に捨てるのと同じ話で、誰が食べたかは関係ない。
すなわち、「事業ゴミ」として道の駅が処分するのが筋ということになる。
明日自宅に帰る車中泊の旅行者が、それを「持ち帰り」するのは自由だが、それは「マナー」と呼ぶものではなく、あくまでも「道の駅の負担を軽減してあげるための協力」であって、基本は堂々と捨てさせてもらってかまわない。
車中泊旅行中のゴミの処分については、以下にもっと詳しい記事を掲載しているので、時間があればぜひ。上に記した話が「自分勝手」かどうかは、法律に照らし合わせれば一目瞭然だ(笑)。
「道の駅 木曽ならかわ」 最寄りの温泉&周辺買物施設
10キロ圏内には日帰り入浴施設は見当たらない。最寄りと思われるのは約25キロ・30分のところにある。
そのため、途中で入浴を済ませてから行くのがお勧めだ。
みはらしの湯
☎0265-76-8760
おとな600円
営業時間:10時~21時(受付最終20時)
第1・第3・第5火曜 定休
コンビニ
セブンイレブンが約200メートルのところにある
スーパーマーケット
「スーパーマーケットまると」まで約10キロ
「道の駅 木曽ならかわ」のアクセスマップ
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