車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家が、マイカーで行ける3つの諏訪湖の絶景展望スポットを紹介しています。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊旅行ガイド
この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
~ここから本編が始まります。~
諏訪湖は「神秘的な絶景」が見られる、ちょっとマニアックな湖。
筆者の諏訪湖の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2010.05.06
2013.09.22
2014.03.06
2015.03.06
2015.07.02
2015.10.24
2016.07.18
2021.03.08
2021.06.25
2022.06.20
2022.11.22
2024.07.22
「諏訪湖」の現地調査は2024年7月が直近です。
クルマで行ける、諏訪湖の絶景展望スポット【目次】
車中泊旅行者の一等地は、「諏訪湖SA上り線(東京方面行き)」
必要なものが勢揃い! 楽天市場の「車中泊グッズ」大特集
その前に、諏訪湖の特徴を簡単に。
諏訪湖は諏訪市、下諏訪町、岡谷市にまたがって広がる長野県内最大の湖で、とりわけ、打上数、規模ともに全国屈指と評される「諏訪湖祭湖上花火大会」が8月に開催されることで有名だ。
ただ、残念ながら筆者は人混みが苦手で、「諏訪湖祭湖上花火大会」を直接現地で見たことはない。
なので代わりに、観光ツアーでは観ることができない「車中泊で行く諏訪湖ならでは」といえる自然現象について、簡単に紹介してみたい。
釣りをする方ならご存知だと思うが、「わかさぎ」が湖の真ん中で釣れるということは、諏訪湖が浅いことを意味している。
諏訪湖は長野県から愛知県・静岡県を経て太平洋へと流れ出る「天竜川」の水源だが、流出しているのは1本だけで、逆に31本の川から水が流入してくる。
つまり長きにわたり、水とともに土砂が運び込まれ、それが累積して底が浅くなりやすい条件下にあったわけだ。
それは、かつて諏訪湖が諏訪大社・上社の間際まで迫っていたという話とも符号するし、事実、現在の最大水深はわずか7メートルほどしかない。
そして極寒地の水深が浅い湖は結氷する。
真冬の絶景「御神渡り」は、諏訪湖の冬の風物詩
結氷する理由は単純で、浅い方が全体の温度が均一になりやすく、深い湖ほど湖全体の温度が下がるのに時間がかかるため、凍りにくいからだが、そのおかげで見られる珍風景が、この「御神渡り(おみわたり)」だ。
全面結氷した氷が盛り上がって割れるのは、気温の上下により氷が膨張と収縮を繰り返す複雑なメカニズムも絡んでいる。
”神様の通り道”と呼ばれる「御神渡り」は、1443年から記録されており、500年以上の歴史を誇る諏訪湖の冬の風物詩だが、毎年見られるわけではなく、直近では3年ぶりに2021年の1月に観測された。
実は筆者もまだ生の「御神渡り」には出会えておらず、「知床の流氷」「滑川のホタルイカの身投げ」とともに、ぜひ生きているうちにお目にかかりたいと願う光景だが、共通しているのはいつ見られるかの予想がしづらいのが難点だ。
ちなみに近くで見られそうなスポットは、以下の通り。
●赤砂崎公園
●ハーモ美術館
●下諏訪町立諏訪湖博物館・赤彦記念館
●岡谷湖畔公園
●諏訪湖間欠泉センター
●SUWAガラスの里
車中泊旅行者には、2021年にRVパークができ、電源が使えて連泊できる「赤砂浜公園」が、「御神渡り」の撮影を狙うにはうってつけと云えそうだ。
ちなみに高台からこの写真のような光景が期待できるのは、これから紹介する「立石公園」のようだ。
季節を問わず、そこそこの景色が楽しめる「立石公園」
季節を問わず、そこそこの景色が楽しめるのは、市内中心部から1.5kmほど離れた高台に位置する「立石公園」で、「信州サンセットポイント100選」のほか、「新日本三大夜景・夜景百選」にも選ばれている。
また若者の間では、大ヒットアニメ映画「君の名は」に描かれた架空の湖「糸守湖」に似ていると話題を呼び、聖地巡礼スポットとして一躍有名になった。
てなことがネット検索すると山のように出てきて、似たりよったりのことがツラツラ・長々と書かれている(笑)。
ということは、特に週末の日中と夜間は若者で賑わっている場合が多いと思うので、中高年が行くなら彼らの苦手な早朝がお勧めだろう。
なお駐車場は普通車のみ約20台で、大型バス駐車場はない。
立石公園 オフィシャルサイト
雲海と富士山がらみの諏訪湖絶景が現れる「高ボッチ山」
この写真を見てしまうと、「立石公園」の話などどこかに吹き飛んでしまいそうだが、残念ながらこの絶景は「晩秋」にしか見られない。
しかも気温は氷点下で、指先の感覚がなくなるほど強烈な寒さの中での眺望になるため、しっかりした防寒が必要だ。
もちろん、夏でも高ボッチ山には登れる。
ただ富士山と雲海の見えない高ボッチ山は、ちょいと古いが「クリープを入れないコーヒー」より虚しかった(笑)。
車中泊旅行者の一等地は、「諏訪湖SA上り線(東京方面行き)」
湖畔のホテルの上層階を以外では、ちょっと小銭はかかるが、もっとも簡単で楽に諏訪湖を見下ろせる場所はここだろう。
なんだ、諏訪湖SAかよ。
確かにさほど標高があるわけではないので、スケールでは先の2つには敵わない。
しかし、あざ笑うにはまだ早い。
車中泊の旅人は、夕方に着けば冒頭で見せた茜色に染まる諏訪湖、さらに夜景、そして朝方には靄がかかった諏訪湖を眺めることができる「一等地」だ。
おまけに日帰り温泉まで併設している。
諏訪湖は上下線のいずれからも見られるが、眺めがいいのは諏訪湖に近くて障害物が少ない「上り線(東京方面行き)だ。