車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家が、お酒好きにお勧めの「諏訪五蔵酒造めぐり」を紹介しています。
「クルマ旅のプロ」がお届けする、車中泊グルメガイド
「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、25年以上かけて味わってきた、全国各地のソウルフードの、素材・レシピ・老舗・行列店等を紹介しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
~ここから本編が始まります。~
長野県は新潟県に次ぐ、日本で2番目に酒蔵の多い都道府県。
諏訪五蔵酒造めぐり

長野県の酒造りの歴史
グルメでは蕎麦のイメージが断然強い長野県だが、実は現在の長野県には80軒もの酒蔵があり、新潟県の89軒に次いで国内2位の数を誇っていることをご存知だろうか。
しかし、その生産量は全国のトップ10にも入らない。
それは小規模生産の蔵元、すなわち「地酒」が多いことを意味している。
日本酒は朝廷や神社への供物として造られたのが始まりといわれている。
「古事記」が編纂された奈良時代の初期には、既にあったと伝わる「諏訪大社」の膝下も例外ではない。
さらに鎌倉時代から江戸時代にかけての諏訪が、温泉宿場町として栄えたことを加味すれば、需要の高いこの地域が酒どころになるのも頷ける。
当時、分かっているだけでも193、総数では500から600もの酒蔵が諏訪にあったのでは?という話もあるから驚きだ。
諏訪五蔵酒造めぐり
さて。諏訪湖の湖畔を走る国道20号沿いには、今でもわずか500メートルの間に、5軒もの酒蔵が並んでいる場所がある。
「真澄」「本金」「麗人」「舞姫」「横笛」の5銘柄を醸す酒蔵グループ「諏訪五蔵」は、全国の酒造りに影響を与えた老舗の蔵から、家族経営でこだわりの銘酒づくりを信条とする蔵まで、その個性はさまざまだ。
だが、ともに霧ヶ峰高原の伏流水と、長野の酒造好適米「美山錦」を使い、気候や酒造りを知り尽くした諏訪杜氏の伝統を貫く酒蔵として協力しあい、「諏訪五蔵酒造めぐり」を実施している。
諏訪五蔵酒造めぐりの詳細はこちら。
ちなみに、各酒蔵で試飲できる日本酒は3から5種類ほど。猪口とはいえ、全部味わえば20杯近い量になる。
そのうえ歩いて移動するため、想像以上にお酒がまわるので、チャレンジされる方は飲み過ぎにご注意を(笑)。
人気の蔵は「真澄」の宮坂酒造
「真澄」は、日本酒好きにはよく知られた宮坂醸造の地酒だ。
1662年(寛文2年)創業の宮坂醸造は、長野でも指折りの歴史をもつ老舗蔵で、業界では「真澄酵母」とも呼ばれる「きょうかい7号」の発祥蔵としても知られている。
その「きょうかい7号」は、上質な酒を造るための清酒酵母として、今も広く全国の蔵元で利用されているそうだ。
ちなみに「真澄」は、宮坂醸造が醸す全てのお酒に共通する銘柄で、「極上」の大吟醸から、「ちょっと贅沢」な吟醸で「季節の真澄」と称される「うすにごり」「生酒」「ひやおろし」など、幅広いラインナップが愉しめる。
筆者は蔵を訪ねる以前から「真澄」のことは知っていて、南信州に来るとスーパーで見つけて嗜んできた。
ちなみに『ちょっと贅沢な「ひやおろし」』は、4合瓶(720ミリボトル)で2000円弱。純米吟醸酒なので辛口というよりは旨口、香り高い丸みのある味わいで刺身によく合う。
お酒の味を他人に伝えるのは難しいが、ある程度は原料と造り方から想像できる。
それを以下の記事にまとめているので、あわせてご覧いただければ幸いだ。