車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家がまとめた、「道の駅 信州蔦木宿」の車中泊に関する記述です。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊スポットガイド
この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
~ここから本編が始まります。~
温泉併設が併設する「道の駅 信州蔦木宿」は、八ヶ岳・清里観光に使える甲州街道のベスト車中泊スポット
道の駅 信州蔦木宿 DATA
「道の駅 信州蔦木宿」
〒399-0214
長野県諏訪郡富士見町落合1984番地1
☎0266-61-8222
食事処・農産物直売所「てのひら館」
8時~20時30分(ラストオーダ:20時)
情報ステーション
8時 ~午後22時(夜間閉鎖)
天然温泉「つたの湯」(温泉交流館)
10時~22時(受付最終21時30分)
火曜定休・1月1日休館
標高 716メートル
「道の駅 信州蔦木宿」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第14回
登録日/1998年4月17日
「道の駅 信州蔦木宿」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2010.07.20
2012.09.13
2012.11.10
2015.02.28
2015.03.12
2015.04.25
2020.10.07
2021.03.12
「道の駅 信州蔦木宿」での現地調査は2021年3月が直近で、この記事は友人知人から得た情報及び、ネット上で確認できた情報を加筆し、2024年9月に更新しています。
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「道の駅 信州蔦木宿」のロケーション
「道の駅 信州蔦木宿」は、長野県諏訪郡富士見町にある国道20号(旧甲州街道)の道の駅で、その名はかつて「甲州街道」の江戸から数えて42番目の宿場が置かれていたことに由来している。
しかし近年は、一帯がショッピングや陶芸などの創作活動が楽しめる、総合リゾート型の避暑地として開発が進んでおり、「道の駅 信州蔦木宿」はどちらかと云えば時流から外れたノスタルジックな存在だ。
それは「道の駅 信州蔦木宿」から5.5キロほど離れた山梨県の小淵沢にある、同じく温泉併設の「道の駅こぶちさわ」と比較してみれば一目瞭然(笑)。
早い話が「道の駅 信州蔦木宿」は時代劇、「道の駅こぶちさわ」はトレンディードラマみたいなもので、それぞれを支持する客層も、あらかた中高年とカップルやファミリー層に分かれている。
もちろん還暦をはるかに過ぎて、年金受給者の仲間入りをしている筆者は、和風テイストの「道の駅 信州蔦木宿」のほうが、妙にかしこまらずに落ち着ける。
地元の関西でいえば、「ユニバーサル・スタジオ」に行くより「東映太秦映画村」を選ぶみたいなところかな(笑)。
いずれにしても両者は、
長野県側の「諏訪湖」または「ビーナスライン」と、山梨県側の「八ヶ岳」「清里」を行き来する際の「旅の宿」に適しており、個性は違うが、どちらで車中泊をしようが大差はなかった。
「道の駅 信州蔦木宿」の施設
これが「道の駅 信州蔦木宿」の航空写真になる。
それを地上から見た感じがこちらだが、車中泊にいちばんお勧めなのは❷の駐車エリアになる。
近くで見るとこんな感じで、なぜか路面はタイル張りみたいになっているのだが、路面はフラットで何より大型車ともっとも距離が置ける場所だ。
常識的には、この❶が24時間トイレとゴミステーションに近くていいわけだが、日帰り温泉と公園を併設している「道の駅 信州蔦木宿」は、地元住民にも人気が高く、営業時間中は昼から閉館まで、絶え間なくクルマで埋まっていることが多い。
温泉の閉館時間が近づけば空いてくるが、代わりに続々とトラックがやってくるので、最前列をとらないと、夜間はさすがにトラックのエンジン音が喧しい。
夕方は少なくても、深夜になると満車近くまで増えることもあるので、ここで車中泊をする際は、それを見越して最初からしっかり離れた場所を選ぶことが大事だ。
車中泊旅行者が快適なところは、トラックの運転手にも共通するわけだが、トラック・レーンに停まっているとはいえ、これだけの台数に一晩中エンジンをかけたままにされると、騒音はすざましく、たまったもんじゃない。
近所に民家がないからいいものの、高速道路のSA並みと思っておくほうがいい。
なお「道の駅 信州蔦木宿」は地デジの電波が不安定で、夜は比較的よく映るのだが、朝は電波が弱くなってワンセグでも拾えなくなることが多いようだ。
タブレットで観ているのは朝ドラの「おちょやん」で、「杉咲花」をヒロインに2020年11月から2021年5月まで放送された、NHK「連続テレビ小説」第103作。
実はこれは「テレビ・ストリーミングアダプター」という技術で、自宅のTVチューナーでキャッチしたテレビ電波を変換し、インターネットにあげて専用のアプリを使って旅先でキャッチしている。
これは地デジだが、同じようにBSも見られるから驚きだ。
BSアンテナが要らないこのスグレモノは、プロ野球好きの筆者の車中泊の旅では、もはや必須と呼べるアイテムになっている。
ただしギガは、ネットで動画を見るのと同じように消費する。
さて。
❸については最後に触れるので、ここでは割愛して、続いては建物を紹介する。
「道の駅 信州蔦木宿」の駅舎は、写真の左から24時間トイレ・休憩室、中央の薬医門の奥にあるのが日帰り温泉「つたの湯」、そして右のいちばん大きな建物が売店と食堂になる。
外観は古びて見えるが、24時間トイレにはウォシュレットが完備している。
24時間トイレの横に用意された、周辺の観光パンフレットを揃える「情報ステーション」は、休憩室も兼ねている。
24時間トイレと「情報ステーション」を結ぶ屋根付きの通路は、長野県では「稀有」なゴミステーションになっている。
これは以前のゴミ箱。
トラックを含めて車中泊をする人が多いことから、朝になると可燃物用に用意されたポリバケツからゴミが溢れかえり、掃除のおばちゃんが早くから来て片付けていた。
それは普通なら、音を上げてゴミ箱を撤廃してもおかしくない状況だった。
だが、ゴミステーションは今も健在だ。
しかも半分が可燃物用で、それでもまだ足りないため、予備に袋まで置いてある。
つまりこれが人気のある道の駅の現実の姿で、それを正面から受け止め、おばちゃんの手間を省くために、ちゃんとお金をかけて改善している。
今は手が汚れて人が嫌がる仕事を省くために、ゴミ箱を置かない道の駅が増えているが、道路利用者の休憩施設である「道の駅」を運営するなら、このくらいの覚悟があって当たり前。
黙々と働くおばちゃんが、笑ってそう話す声が聞こえた気がした。
右サイドの売店には、そこそこ土産物が揃っている。
珍しい鹿の角を加工したキーホルダー。道の駅ではありふれたお菓子類より、こういうもののほうが目を引く。
隣は外観からメニューが想像できそうな、「道の駅 信州蔦木宿」の食事処。
全体的に庶民価格だが、「温泉セット」はさらにお値打ち感に満ちている。
筆者が注文したのは、1000円のチャーハン・醤油ラーメンセット。
トラックのドライバーが多いせいか、ボリュームがあってうまいし、チャーシューの大きさにもご注目を。
そして最後に、❸の隣接する河川敷の話をしよう。
「道の駅 信州蔦木宿」は「釜無川」に面しており、駐車場から徒歩で川辺に降り、景色や川遊びを楽しむことができる。
若いブロガーたちはこの後に続けて、「昔はここでキャンプができたらしい」と綴っているわけだが、「生き字引」とも云える筆者がその真実を語ろう(笑)。
確かに、その昔ここではキャンプをすることができた。
写真は2010年に初めてここを訪ね、その河原で車中泊キャンプをした時の写真だ。
こちらは2012年の様子で、まだキャンプは許されていた。
中には「勝手にやっているんだろ」という云う人がいるかもしれないが、下の写真をよく見ていただきたい。
手前の立て看板には「焚き木、(ご自由にお使いください)」と書かれている。
つまり、気の利いたサービス付きの容認だった(笑)。
要は、この頃に来ていたのは「キャンプがうまい」人達だったということ。
うまいからゴミも最小限に抑え、洗い物も道の駅でせずにサイトで済ませる。
山でキャンプをした経験があれば、いとも簡単な話だ。
ゆえに道の駅も、重い雑木の枝をうまく無料で処分できる方策として歓迎し、まさにWinWinの関係がそこにはあった。
お馴染みのこの看板が立てられたのは、それから先。
筆者の記録にあるのは2015年の2月だが、もっと早かったかもしれない。
理由については様々な解釈があるが、筆者流に云わせれば「へたくそキャンパー」がこぞってここへ来たからにほかならない。
そりゃタダでゴミも捨てられ、温泉もあるとなれば当然だが(笑)、ビギナーは区画された『壁と屋根がない団地のような』今どきの高規格オートキャンプ場では、そこに明記されたルールに沿って、まわりを見様見真似でどうにかできても、こういう場所では『身についたキャンプのマナー』がなければ、未熟さが丸出しになる。
だが、そういう人達に占拠されると、道の駅の態度を変えざるを得ない。
ましてや、今のようなレジャー・キャンパーが大量異常発生している時代には、禁止のままのほうがいい。
ただ熱りが覚めれば、また以前のように開放してもらいたいものだ。
ちなみに先ほどのゴミ箱を見ればわかる通り、「道の駅 信州蔦木宿」は、相当我慢強い道の駅だと思う。
ここまで耐える「道の駅 信州蔦木宿」から「キャンプ禁止」と訴えられれば、誰だって納得するしかあるまい。
もし時間があれば、そういう視点から冒頭で紹介した「道の駅こぶちざわ」と比べて来て見ていただきたい。
キレイとかオシャレよりも、大事なものが道の駅にはある。
ゴミ箱も置かず、自分たちのところだけがキレイだとしても、旅人から評価されるとは限らないいい事例だ。
「道の駅 信州蔦木宿」の車中泊好適度
「道の駅 信州蔦木宿」のゴミに対する対応
可燃ゴミ:トイレの前にあり、24時間利用可能。
缶・ビン・ペットボトル:同上
なお、車中泊の旅行中に発生するゴミは「家庭ゴミ」ではない。
しかるに「家庭ゴミの持込み禁止」は地域住民に向けた正しい勧告ではあるが、車中泊の旅行中に発生するゴミは該当しない。
こう説明すれば分かりやすいと思う。
近くのスーパーで買ってきた「弁当」は、道の駅についた時点では「ゴミ」ではなく「食品」だ。
それを道の駅に駐めたクルマの中で食べると、残った容器がゴミになる。
ということは、正確には「道の駅で発生したゴミ」であって、
道の駅のスタッフが、出勤前にコンビニで買ってきた弁当を昼食に食べた後、その容器を事務所のゴミ箱に捨てるのと同じ話で、誰が食べたかは関係ない。
すなわち、「事業ゴミ」として道の駅が処分するのが筋ということになる。
明日自宅に帰る車中泊の旅行者が、それを「持ち帰り」するのは自由だが、それは「マナー」と呼ぶものではなく、あくまでも「道の駅の負担を軽減してあげるための協力」であって、基本は堂々と捨てさせてもらってかまわない。
車中泊旅行中のゴミの処分については、以下にもっと詳しい記事を掲載しているので、時間があればぜひ。上に記した話が「自分勝手」かどうかは、法律に照らし合わせれば一目瞭然だ(笑)。
「道の駅 信州蔦木宿」の温泉&周辺買い物施設
つたの湯
道の駅に併設
大人700円
10時~21時(受付最終20時30分)火曜定休
コンビニ
「セブン-イレブン小淵沢インター店」まで約5キロ。
スーパーマーケット
約8キロ離れたところに「西友富士見店」がある。
「道の駅 信州蔦木宿」のアクセスマップ
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