車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家が、”裏磐梯のエントランス”にあたる猪苗代の見どころと車中泊スポットを紹介しています。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊旅行ガイド
この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
~ここから本編が始まります。~
裏磐梯をクルマで旅する際の、猪苗代エリアの位置づけは”エントランス”
筆者の猪苗代の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2009.07.23
2009.12.14
2010.08.24
2020.07.14
2024.10.12
※「猪苗代」での現地調査は2024年10月が直近になります。
猪苗代の見どころ&車中泊スポット
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猪苗代のロケーション
「会津若松市」に隣接する「猪苗代町」と「磐梯町」をあわせた「猪苗代エリア」は、福島県のほぼ中央に位置する「猪苗代湖」の北岸に面し、東西北の三方を「磐梯山」を筆頭とする山々に囲まれた、風光明媚な田園地帯だ。
その「猪苗代エリア」から、「磐梯山」の北側斜面に広がる高原リゾートの「裏磐梯」までは、無料の「磐梯山ゴールドライン」で約18キロ、クルマならノンストップで走り切れば30分ほどで到着できる。
そのため筆者は、行動範囲の広いクルマ旅に対応すべく、「五色沼」に加えて、さらにそこから2本の「山岳観光道路」で結ばれた「吾妻連峰」を含む広い範囲を、あえて「裏磐梯」と呼んでいる。
「裏磐梯」の観光時における、猪苗代エリアの位置づけ
「猪苗代エリア」は地元の人々から、アウトドアやウインタースポーツが楽しめる、身近なネイチャーフィールドとして親しまれている。
しかしクルマで旅する県外者の目線に立てば、平野部にあって町が広がり、高速道路も通る「猪苗代エリア」は、紅葉の名所として全国に名の通る「裏磐梯」の”エントランス”、と位置づけるほうがシックリくる。
遊びに行く人の家の玄関周りを、深堀りする人はいない。
それは旅でも同じで、この記事は『裏磐梯に到着予定の時間まで』、「猪苗代エリア」を軽く観光したい人が対象だ。
ネットで「猪苗代の見どころ」と検索すると、「猪苗代で絶対外せない観光スポットトップ10」みたいな仰々しいタイトルの記事が先を競うように並び、それを見ただけでもくたびれる(笑)。
ニーズにマッチするガイドというのは、なかなか見つからないものだ。
猪苗代湖でハクチョウが見られる場所
「猪苗代湖」には、毎年10月になるとロシア東部の北極圏からハクチョウが渡来し、その数はピーク時には約5,000羽にものぼるという。
日本に飛来するハクチョウの大半は3月までに北帰するが、ここでは4月までの半年以上を過ごすことから、『猪苗代湖のハクチョウおよびその渡来地』として、国の天然記念物に指定されている。
とはいえ…
「猪苗代湖」は、琵琶湖、霞ヶ浦、サロマ湖に次ぐ日本で4番目に大きい湖だ。
池ではないのだから、適当に湖畔に出られる場所に行ったところで、ハクチョウに出会えるわけじゃない。
つまり知りたいのは、ここがどこかだ。
琵琶湖でもそうだが、ハクチョウに会える確率が高いのは『餌をくれるところ』。
なんだ餌付けのハクチョウかよ。
と思うかもしれないが、今や全国各地のハクチョウ飛来地で、水に浮かぶ『完全なる野生の個体』を探すというのは、バーダーだってほとんどやっていない。
ハクチョウは、昼間は田んぼで落穂を食べていることが多いからね(笑)。
筆者が写真を撮った「猪苗代湖」でハクチョウに出会える場所は、長浜にある遊覧船発着所近くの「レイクサイドホテル みなとや(☎0242-65-2111)」の前。
この日は朝の8時30分頃に給餌していた。
やっぱり猪苗代と云えば「野口英世」
昭和生まれならよくご存知だと思うが、「猪苗代」出身で旧1,000円札に描かれていた「野口英世」博士は、アメリカの「ロックフェラー医学研究所」を拠点に世界で活躍し、ノーベル賞の候補にも挙がった黄熱病の権威。
しかし研究中に自らが感染し、1928年に西アフリカのアクラ(現ガーナ共和国)で51歳の生涯を閉じた。
その業績を現代に伝える記念館が、博士の生家があった場所に建てられている。
記念館は「野口英世」の生家と資料の展示ブースに分かれ、生家には「英世」が左手に火傷を負った囲炉裏や、決意を刻んだ床柱などが、当時のままに残されている。
また展示室には、遺品や文書が数多く展示されているが、アニメや蝋人形などを駆使して、子供が興味を持てるように工夫されている。
ここは大人だけでなく、小学生にもお勧めのミュージアムだと思う。
泊まってよし、見てよしの「道の駅 ばんだい」
「道の駅 ばんだい」は「磐梯山ゴールドライン」のゲートウェイから3キロのところに位置する、「裏磐梯」観光の前泊にうってつけの道の駅だ。
ただし前日に高速道路で移動してくる人は、途中のSAかPAで車中泊をするほうがETCの割引が得られるメリットがある。
また「道の駅 ばんだい」は、2024年4月に売店内にモンベルショップがオープンするなど、物販飲食も充実しており、車中泊をしなくても「裏磐梯」に行く前に立ち寄ってみる価値はあると思う。
なおRVパークが希望の人には、「道の駅 猪苗代」がお勧めだ。