25年のキャリアを誇る車中泊旅行家がまとめた、箱根の車中泊事情と無料車中泊スポットに関する情報です。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊スポットガイド
この記事は、1999年から車中泊に関連する書籍を既に10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「車中泊旅行家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
~ここから本編が始まります。~
総合的に見て箱根のベスト車中泊スポットと呼べるのは、芦ノ湖畔にある「箱根町園地」の無料駐車場
箱根の車中泊事情と無料車中泊スポットガイド
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1.箱根の車中泊事情 総括
首都圏から近い箱根には、避暑や観光を含めて、多くの目的を持った老若男女の車中泊旅行者がやってくる。
筆者はその主だった目的を、「大人が箱根を楽しむために、知っておきたい4つのキーワード」という記事にまとめているが、少なくとも良識ある中高年の旅人が、数日間のんびり腰を据えていられる場所は見当たらない。
もし箱根でそれを望むなら、オートキャンプ場へ行くか、ちゃんとした宿をとるべきで、北海道と同じように過ごそうというのは虫が良すぎる話だ。
そもそも箱根は、徳川家康が「他に逃げ場がなく、関所を置くのに最適」と判断した険しい土地。
その中の猫の額のような芦ノ湖周辺に、いまさら車中泊に適した平坦で静かな土地が遊んでいるはずがない。
下調べもせず、ぶらりと出かけるのがお好きという旅人は別として、事前に箱根のことを少し勉強すればすぐに理解できる話だし、「道の駅 箱根峠」がそれを見事なまでに証明している(笑)。
「トイレがある無料の駐車場なら、どこででも車中泊ができる」と考える人がいるかもしれないが、少なくても筆者は昔からそうは思ってない。
この世界には、はるか以前から車中泊をしない旅行者にも違和感を感じさせない場所の選び方やスタイルが確立されており、筆者はそれを「ワンランク上の車中泊」と呼び、書籍やオリジナルサイトにそのノウハウをまとめている。
このページではそれを前提に、箱根で他のブロガーも紹介している車中泊スポットをエリア別に検証してみたい。
2.芦ノ湖北部の車中泊スポット
芦ノ湖の北部は、鉄道やケーブルカーでのアクセスがしやすいことから、リゾート開発が進んでおり、若い女性やカップルをターゲットにした美術館やホテルが目立ついっぽう、大涌谷や仙石原といった昔からの箱根の姿も残っている。
ここでの車中泊スポットといえば、やはり箱根ビジターセンターの無料駐車場になるだろう。また、箱根で唯一のオートキャンプ場「Fun Space芦ノ湖キャンプ村 レイクサイドヴィラ(芦ノ湖キャンプ村)」もこのエリアにある。
2-1.箱根ビジターセンターの無料駐車場
箱根ビジターセンターの無料駐車場は、2013年に出版した「車中泊コースガイド東日本編」で紹介したことがあるのだが、御殿場から箱根を目指してくる人には近くて便利だ。しかも5分ほどのところにコンビニとAコープがある。
また箱根の中でも最大規模の駐車場を持ち、650円で利用できる共同温泉「宮城野温泉会館」まで、約8キロ・クルマで10分なのもありがたい。
こちらが24時間使える野外トイレ。夜間は照明が切られるが、多目的トイレだけは手動で明かりがつけられるようだ。
翌朝いちばんで「大涌谷」を目指す人には、悪くない選択肢だと思うが、本来はビジターセンターの利用客用に設けられている駐車場なので、開館後も駐車場に居座り、そこで車中泊した様子が丸わかりなようでは、まず「いいこと」は云われないと思う(笑)。
そんなわけで、ここは閉館後に到着して開館までにはスッと立ち去る、スマートな車中泊旅行者にのみ適している。
3.芦ノ湖南部の車中泊スポット
北部に比べて、箱根関所や恩寵箱根公園といった古い史跡が目立つ芦ノ湖南部には、3ヶ所の無料車中泊スポットがある。
その中で一番わかりやすいのが「道の駅 箱根峠」だと思うが、前述した通り、ここで快適に車中泊できる場所は限られている。
「道の駅 箱根峠」から国道1号を5分ほど下ったところにも、トイレ付きの無料駐車場「箱根エコパーキング」があるのだが、大半の利用者は大型トラックで、夜は「いわずもがな」だろう。
ただ、だからといって長期滞在が許されるわけではない。
基本的に箱根は1泊、精力的に観光やハイキングをしても2泊までというのが「常識の範囲」になるはずだ。
4.箱根湯本の車中泊スポット
これまでの説明だと、「箱根七湯」の温泉めぐりを楽しみにしている車中泊旅行者には納得がいかないかもしれないが、そもそも急峻な山中に江戸時代に開けた古い温泉地だけに、クルマで行こうという方に無理がある。
4-1.函嶺洞門(かんれいどうもん)駐車場
そんな中で、唯一無料の観光駐車場として用意されているのが、この「函嶺洞門(かんれいどうもん)駐車場 」だ。
ここから先は「箱根温泉の共同温泉と車中泊事情」で書いた内容と重複するが、目の前を国道1号が走り、裏側を「箱根登山鉄道」が通る、賑やかなロケーションにあるため、いくらトイレがあって無料だとはいえ、ここで泊まる気にはなれなかった。
東京方面から来る人は、途中でこの「函嶺洞門駐車場 」にクルマを停めて、箱根湯本温泉を楽しみ、それから芦ノ湖まで登ってくることができるが、関西・東海方面から箱根に来る旅人は、箱根湯本温泉にはわざわざ山を降らなければ行けない。それなら翌朝芦ノ湖を出発し、小田原方面に行く際に立ち寄るほうがスマートだと思う。
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