25年のキャリアを誇る車中泊旅行家がまとめた、「道の駅 美ヶ原高原」の車中泊に関する情報です。
「正真正銘のプロ」がお届けする、リアル車中泊スポットガイド
この記事は、1999年から車中泊に関連する書籍を既に10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「車中泊旅行家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。


~ここから本編が始まります。~
標高1938メートル地点にある「道の駅 美ヶ原高原」は、”とびっきりの涼しさ”が味わえる真夏にお勧めの車中泊スポット

道の駅 美ヶ原高原 DATA
道の駅 美ヶ原高原
〒386-0507
長野県上田市武石上本入2085-70
☎0268-86-2331
営業時間
直売所 9時~17時
4月25日~11月15日(期間中無休)
※11月16日~4月24日 (ビーナスライン閉鎖の為、休館)
標高 1938メートル
夏に快適!
「道の駅 美ヶ原高原」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第24回
登録日/2007年8月10日
「道の駅 美ヶ原高原」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2010.05.16
2012.09.15
2016.07.14
2021.06.27
2024.07.20
2026.07.23
※「道の駅 美ヶ原高原」での現地調査は2026年7月が最新です。
道の駅 美ヶ原高原

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「道の駅 美ヶ原高原」のロケーション

「美ヶ原高原」は、「八ヶ岳中信高原国定公園」の最北に位置する日本一広い高原台地で、奥に見える標高2034mの「王ヶ頭」は、日本百名山に名を連ねる、「美ヶ原」の最高峰だ。

周辺では牧歌的な風景を望みながら、散策や本格的なトレッキングが楽しめる。
とまあ、この写真だけを見れば、のどかでいかにも爽やかな場所に思えるのだが、標高2000メートル地点まで、クルマがすんなり走れる道はない(笑)。

まず「ビーナスライン」は、「霧ヶ峰」を超えて「美ヶ原」まで残り3キロ付近まで来ると、ご覧の強烈なワインディングの上り坂が連続する。
車体の重いキャンピングカーや、トルクが小さい軽自動車にとっては、まさに試練が待つ道だ(笑)。
おまけに筆者はドコモキャリアだが、なんと道中は携帯の電波が届かない。
「美ヶ原」まで行けば復活するが、人が通らないような時間帯に途中で事故でも起こした日には、もうお手上げになる。

いっぽうこちらは「美ヶ原」と「上田」を結ぶ県道464号だが、走りにくさではビーナスラインのうえを行く。

それでも多くの車中泊の旅人が、「道の駅 美ヶ原高原」を目指す理由はただひとつ。
ここには、まさに圧倒的と云える「涼しさ」がある。

出典:日本気象協会
実際にこの日に筆者は、「道の駅 美ヶ原高原」で車中泊をしてきたのだが、明け方の気温はなんと19度。

薄いスウェット上下に、フリースブランケットをかけてちょうどいいくらいの快適さだった。
車中泊禁止情報の経緯

最初に確実な情報から記そう。
2026年7月現在、「道の駅 美ヶ原高原」の駐車場は他の道の駅と同じように、”旅の宿”として車中泊に利用することができる。
ではなにゆえ、「車中泊禁止」の情報がネット上で散見されるのか…

美術館に隣接する「道の駅 美ヶ原高原」は、2007年にオープンした道の駅で、当初は「道の駅 美ヶ原高原美術館」の名称で営業していたが、2017年に「道の駅 美ヶ原高原」に改称している。
そしてもちろん、ビーナスラインが有料だった頃から足を運んできた筆者は、「道の駅 美ヶ原高原美術館」の時代から、この道の駅のことはよく知っている。
名称はともあれ、
この素敵な環境が、家にいることが退屈で仕方がないシニア世代の車中泊愛好家の目に留まらないはずはなかった(笑)。
道の駅の職員たちは、夏の涼しい間「避暑地の別荘気分」で駐車場に居座る車上生活者に手を焼き、あれこれ対策を講じてきたのだが、その注意書きの表現方法が都度都度変わる中で、とうとう「車中泊」という言葉を使ってしまった。
下が問題のテキスト。
これは道の駅のオフィシャルサイトの中にある「駐車場ご利用についてお願い」の「~その他お願い~」に記載されていた。

読めば利用者が「車中泊禁止」と受け取るのも無理はない。
当然情報はSNS上で拡散され、多くの車中泊旅行者に「道の駅 美ヶ原高原」では車中泊ができないという認識が広まった。

ただ筆者は2010年に現地で、「4.車両等で宿泊される方は、一泊とすること」と明記されたこの看板を読んでいた。
ここからも、道の駅側が当時から「車上生活者」を強く意識していたフシが伺える。
そのため筆者は道の駅の指定管理者が、「車中泊」の意味を「車上生活」と履き違えているのだろうと静観していた。
そしてそれを裏付けるサイトが見つかる。
これはYoutuber「にんにん氏」のウェブページだが、中には道の駅サイドが言葉遣いの誤りだったことを弁明している内容が記されている。
ということで2021年6月に「道の駅 美ヶ原高原」のオフィシャルサイトに記載された、修正後の「駐車場ご利用についてお願い」を転記しておこう。
駐車場ご利用についてお願い
「道の駅」は休憩施設であるため、駐車場など公共空間で宿泊目的の利用は遠慮いただいています。
もちろん、「道の駅」は、ドライバーなど皆さんが交通事故防止のため24時間無料で利用できる休憩施設であるので、施設で仮眠していただくことはかまいません。
※この文章は、国土交通省HP 道の相談室 意見質問 休憩施設「道の駅」質問欄に「道の駅」駐車場での車中泊は可能ですか?の回答として掲載されています。
※下記の禁止事項にご留意いただき、マナーを守ってご休憩ください。
~禁止事項~
①長時間のアイドリング。
②イス・テーブル・ベット等の車外での使用。
③サイドオーニング、テント、シェルター、シートの設営。
④トイレ手洗い場での洗濯や、タオルや衣類などの天日干し。
⑤バーベキュー、煮炊き、炊飯、湯沸かし等(火気厳禁)
⑥水道を使用しての洗車等(山の水は貴重です)
⑦発電機の使用及び当道の駅建物から電源をとること。
⑧トイレ手洗場で食器を洗うこと
⑨トイレ前、大型バス駐車区域、車道、奥側未舗装区域への駐車
~その他お願い~
※付近は山林が多いので、たき火や花火などは絶対にしないでください。
※駐車場周辺にゴミや残飯を捨てないでください。(野生動物が寄ってきます)
※美術作品展示場と隣接していますので、ドローンでの無断空撮は禁止しています。
※トイレからトイレットペーパーを持ち出さないようお願いいたします。
※事故・盗難等について当方は責任を負いかねます。十分ご注意ください。
2021年6月24日更新

上記のことを自分の目で確認すべく、梅雨の合間を狙って「道の駅 美ヶ原高原」に足を運んできた。
そしてその結果、驚きの看板を目にしてしまった。

2行目には
休憩・仮眠以外の長期滞在や車中泊目的の駐車はご遠慮ください。
と記されている。
なるほど、どうしても「車中泊」という言葉が使いたいようで(笑)、また混乱を招くことになりそうだ。

云いたいのは、真っ昼間から来てこの駐車場にクルマを停め、網戸をかけてスライドドアを開けっぱなしにしたり、山に向かってバックドアを開け、雑誌やウェブサイトでよく見かける『VAN-LIFEの写真みたいに黄昏るのはやめてよね』ってことなのだろう(笑)。

早い話が、その大半は車中泊版のソロキャンそのものであって、オートキャンプ場でなら許容されるし絵にもなる。
しかしそれを昼間から道の駅の駐車場でやられるのは、車外にキャンピングギアを出さなくても、他の観光客の手前上、野放しってわけにもいかないのは当然だ。
2024年7月20日更新

2021年に「車中泊禁止」と明記されていた赤い縁取りの看板は撤去され、前述した「VAN-LIFEちゃん」たちのお気に入りのスペースは、バイク専用の駐輪場にレイアウト変更されていた。
うまく考えたものだ。
確かにこうすれば、彼らにとって「道の駅 美ヶ原高原」の魅力は激減する。
2026年7月23日更新

いっぽう今度は、そのことに目を付けた「Carstay株式会社」が、2025年8月から”実証実験”と銘打って、「道の駅 美ヶ原高原」の一画にRVパークのような有料車中泊スペースを展開していると聞き、1年遅れで見学に足を運んだ。

もちろんカーサイドタープやテーブル・イスを外に並べてもかまわない。
確かにここならフェンス越しに山並みと朝日がよく見え、「VAN-LIFE」スタイルにもフィットする。

しかし一般駐車場で”ゼロ円車中泊”をしても、100メートルも歩かずにこうして朝日を眺めることは可能だ。
しかも有料車中泊スペースはトイレまでもっとも遠く、電源なしで普段は1泊3000円、8月は5000円になる。
オートキャンプ場に慣れ親しんできた人には、それでもリーズナブルなのだろう。

しかしこの日は、今や1000万円以上が当たり前になったキャブコン・キャンピングカーは、1台も利用していなかった。
筆者にはそれが偶然だとは思えない。
この日の道の駅の駐車場には、少なからずそのキャブコン・キャンピングカーも泊まっていたのだが、

筆者と同程度かそれ以上のキャリアを持つベテランのキャンピングカー乗りは、いい意味で計算高いというか、目が肥えているし、何より車中泊スポットというものをよく心得ている。
本当の車中泊の旅というのは、机上で論じられるほど単純なものではないし、いくら災害対策で政府や企業相手にキャンピングカーの利用促進を行うのが得意であっても、身銭を切って遊びに使う個人とは、判断基準や価値観が違うのは当たり前だ。
その観点に立てば、この記事の”視点のズレ”が見えてくる。
ここに食いついているのは、本命のキャンピングカーではなく、先ほど見せたコロナ禍によりバブルのように膨れ上がったキャンプブームの亜流として台頭し、若い世代の車中泊の新たな潮流にも見えた「VAN-LIFEちゃん」だ。
その大半の潜在的な願望は『やっている姿やクルマの中を他人に見てもらうこと』なので、YouTubeやInstagramにさかんに投稿してきたわけだが、マスコミが飽きて取り上げなくなれば、たちまちその姿を見ることもなくなるだろう。
自分のためだけに好き放題お金が使える世代が、自由にどこへでも行けるようになった今も、こんな面倒なことにいつまでも熱中するとは思えない(笑)。

それにそもそもこの手のスタイルは、もっと自然豊かな場所でやってこそオシャレなわけで、地に足をつけてアウトドアに親しむコアなユーザーが、「道の駅 美ヶ原高原」に足を運ぶことは初めからあるまい。
もっともこれで、車中泊旅行者を長きに渡って惑わせ続けてきた、「道の駅 美ヶ原高原」の車中泊環境が、ようやく他の道の駅と同じ正常レベルになるのなら、それはそれでけっこうだと思う。
ちなみに、

2025年の日本のキャンピングカーの総保有台数は、約17万3千台(日本RV協会 2026年3月発表データ)。
少なく見積もっても、300万台はくだらないと筆者が予想する車中泊人口に比べれば、たったの5.7%に過ぎない。
SEOに多大なるお金をかける企業が、こぞってネット上を席巻しているので勘違いしそうになるが、正しい数値はその程度なので、どんなに煽ってRVパークを宣伝したところで、車中泊市場に影響を与えることなどできるはずがない。

現地を見れば一目瞭然だが、排ガスまみれで騒々しく、サービスエリアよりも環境の悪い「コンビニ車中泊」など、今の日本で定着すると思うこと自体が車中泊旅行者を小馬鹿にした発想で、まさしく他人事。
『このくらいのレベルで、いいんじゃないの』って、ベンツより高い1000万もするクルマを売っておいて、お客に失礼すぎるにもほどがあるよ(笑)。
たった1件の道の駅の車中泊数にも及ばないような数のサンプルデータを並べ、さももっともらしく説明しているようだが、ローソンは車中泊がどうだろうと、それで名前がマスコミに出れば御の字程度にしか思っちゃいない。
広告宣伝費からすれば『坊主丸儲け』そのもの。そりゃ「セブン」でも「ファミマ」でも、もっと云えば「イオン」だってやりかねない。
これらはすべて、『一円にもならない道の駅での車中泊』をパラダイムチェンジさせたいがためだけの企業戦略であって、真から車中泊旅行者の幸せを考えたものではないのは明らかだ。
『笛吹けど踊らず』というが、吹くなら踊りたくなる曲を鳴らしてくれたまえ。
たとえば、道の駅の営業時間をせめて夜8時くらいまでにするよう働きかけるとかね。ここのように5時閉店って、なんなんそれ?だよ(笑)。
「道の駅 美ヶ原高原」の施設

出典:美ヶ原高原美術館
さて。
前置きが長くなったが、ここからが施設の紹介になる。
まず「道の駅 美ヶ原高原」は、ご覧のような広大な敷地を有しており、そもそもが滞在型の施設である。

800台を収容する駐車場は広いものの、ゴルフ場のグリーンのようにうねっているため、フラットな場所はほんの少しだ。
そのため、傾斜が確認できるうちに到着されることをお勧めする。

トイレは道の駅の入口近くにある。

中はウォシュレット付きで非常にきれい。

ただし前の駐車場には、観光バスなどの大型車レーンがある。

特筆すべきは爽快な風が流れる「展望テラス」だ。テーブル&チェアに加え、可燃物のゴミ箱まで設置されている。

ゴミ箱はかつてに比べると小さくなったが、それでも撤去していないのは助かる。
※2026年7月は閉店後に到着したため、存在は確認できていない。

ただ営業時間外は立入禁止。しかも夏でも午後5時にはチェーンがかかる。

ちなみにこの売店のソフトクリームはとても美味。写真はシナノスイートと牛乳バニラのミックスで2016年当時は350円で買えたが、2024年には450円だった。

デッキテラスから続く売店。
土産品もよく揃っていると思うが、さすがは美術館という商品もある。

この手帳はそのひとつで、「北のモナリザ」と呼ばれるオランダの画家・ヨハネス・フェルメールの代表作「真珠の耳飾りの少女」や、ムンクの「叫び」といった名作も並んでいた。

その中で筆者が選んだのは、ゴッホに影響を与えたことで有名な日本の絵師、「葛飾北斎」の「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」。
NHK大河ドラマ「べらぼう」のイントロにも使われていたので、記憶に新しい人もいるはずだ。

しかもこの「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」は、ホノグラムになっていて動く。
写真では伝わりにくいが、下の富士山がブレているのは遠近感が変わっているからだ。これで418円ってのはいいね!

これらは2024年も健在で、今回は旅の途中に家内が使えるアートフルなビニール傘を購入。これだけ派手だとパクりにくいだろうからね(笑)。
最後に。
ご承知の通り筆者は、道の駅に”旅の宿”としての利便性を強く求めており、温泉と買物施設から遠く離れた「道の駅 美ヶ原高原」は、そのニーズにそぐわない。
蓼科・ビーナスラインをめぐる際の”旅の宿”には、美ヶ原から小諸方面に26キロほど走った、温泉とコンビニが併設する「道の駅 マルメロの駅ながと」のほうがお勧めといえるだろう。
標高は633メートルだが、それでも平地の道の駅に比べれば格段に涼しい。
「道の駅 美ヶ原高原」の車中泊好適度
「道の駅 美ヶ原高原」のゴミに対する対応
可燃ゴミ:屋外にあるが閉店後館内に収納されるため、営業時間中のみ利用可。
缶・ビン・ペットボトル:自動販売機の横に設置。

近くのスーパーで買ってきた「弁当」は、道の駅についた時点では「ゴミ」ではなく「食品」だ。 しかしそれを道の駅で食べると、残った容器はゴミになる。
ということは、正確には「道の駅で発生したゴミ」であって、 道の駅のスタッフが、出勤前にコンビニで買ってきた弁当を昼食に食べた後、その容器を事務所のゴミ箱に捨てるのと同じ話で、誰が食べたかは関係ない。 すなわち、「事業ゴミ」として道の駅が処分するのが筋ということになる。
明日自宅に帰る車中泊の旅行者が、それを「持ち帰り」するのは自由だが、それは「マナー」と呼ぶものではなく、あくまでも「道の駅の負担を軽減してあげるための協力」であって、基本は堂々と捨てさせてもらってかまわない。
車中泊旅行中のゴミの処分については、以下にもっと詳しい記事を掲載しているので、時間があればぜひ。上に記した話が「自分勝手」かどうかは、法律に照らし合わせれば一目瞭然だ(笑)。

「道の駅 美ヶ原高原」に最寄りの温泉&買い物施設

和田宿温泉 ふれあいの湯
道の駅から約16キロ。「道の駅 和田宿ステーション」のすぐ近く。
☎0268-88-0001
おとな600円
10時~21時(受付最終20時30分)
月曜 定休
コンビニ
「セブン-イレブン 長和町和田店」まで約15キロ
スーパーマーケット
「ツルヤ 立科店」まで約30キロ
「道の駅 美ヶ原高原」のアクセスマップ
蓼科・ビーナスライン 車中泊旅行ガイド

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