この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
まさに、有り余る旅先の宝庫。
東北の旅と云えば、「夏祭り」に「温泉めぐり」、さらには「桜前線」「紅葉前線」と、ひとたびそのコンテンツを語り始めると話は尽きない。
関西以西の旅人には縁遠く思えるかもしれないが、北海道と抱き合わせ、フェリーを使うという手もある。
そもそも東北は、北海道のように長期滞在でまわるより、季節を変えてピンポイントで攻めるほうが面白い。
どのみち「一度で全部」は、到底叶わぬ話だから(笑)。
下北半島&津軽半島(青森県)
ランドマーク・スポット#011
仏ヶ浦
白緑色の奇岩が、切り立つ断崖沿いに連なる下北半島の名所で、日本の秘境百選のひとつ。観光船からも見学できるが、高台からのほうがよく見える。
【旅先の概要】
一見すると蟹爪のようなかたちをしている津軽半島と下北半島だが、実はフェリーで結ばれおり、利用すれば旅の効率が飛躍的にアップする。
【主な見どころ】
大間崎・恐山・尻屋崎・仏ヶ浦・薬研温泉・竜飛崎・今別・十三湖
【車中泊旅行ガイド】
青森県南部(青森県)
ランドマーク・スポット#012
奥入瀬渓流
新緑と紅葉がシルクのような川の流れとともに撮影できる、人気のネイチャーフォトスポット。ただしその時期はクルマで撮影ポイントをめぐるのは不可能に近いだろう。
【旅先の概要】
青森の観光エキスが、ぎっしり詰まっているのは県南エリア。映画の舞台になった八甲田山から酸ヶ湯温泉、そして十和田湖に流れ込む奥入瀬渓流。また「ねぶた」で有名な五所川原・青森・弘前など、魅力溢れるコンテンツが満載だ。
【主な見どころ】
八甲田山・十和田湖・青森タウン・五所川原・弘前・黒石
三陸海岸(青森県・岩手県・宮城県)
ランドマーク・スポット#013
浄土ヶ浜
北山崎と並ぶ三陸海岸の代表的な景勝地。荒々しい流紋岩と、穏やかな砂浜が同居する風光明媚な光景が、エメラルドの海によく映える。
【旅先の概要】
三陸海岸とは青森県から宮城県に至る東北地方・太平洋岸の通称。南部は東日本大震災で大きな被害を受けたが、北山崎や浄土ヶ浜は壊滅的な被害を逃れ、岩手県側は概ね震災以前の活況を取り戻している。
【主な見どころ】
八戸・久慈・田野畑・宮古・陸前高田・石巻
【車中泊旅行ガイド】
盛岡・花巻・遠野(岩手県)
ランドマーク・スポット#014
賢治自耕の地
賢治と交友があった高村光太郎が彫ったとされる「雨ニモマケズ」の詩碑は、宮沢賢治が農家の若者たちと交流を深めた、羅須地人協会のあった場所に立つ。
【旅先の概要】
宮沢賢治ワールドともいえるこのエリアは、文化的な見どころと温泉に大別されるが、盛岡には戸隠・出雲とともに「日本三大そば」に数えられる、郷土料理の「わんこそば」もある。
【主な見どころ】
盛岡タウン・花巻・花巻温泉郷・遠野
【車中泊旅行ガイド】
平泉(岩手県)
ランドマーク・スポット#015
毛越寺
中尊寺と並ぶ世界遺産の中核的存在。平安時代後期の浄土思想に基づいて造られた浄土庭園と伽藍遺構が、ほぼ完全な状態で保存されている。
【旅先の概要】
平泉観光の秘訣は、金色堂のある「中尊寺」に囚われすぎないことだ。「極楽浄土」に目を向けると、平泉の本当の面白さが見えてくる。
【主な見どころ】
平泉 ─ 仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群 ─
【車中泊旅行ガイド】
八幡平・乳頭温泉・角館(秋田県)
ランドマーク・スポット#016
玉川温泉
「日本一の湧出量」と「日本一の強酸性」を誇る玉川温泉の地獄谷では、地熱を利用した天然の岩盤浴が楽しめる(営業期間は例年4月中旬~11月下旬)。
【旅先の概要】
鹿角から十和田八幡平国定公園を南下し、途中乳頭温泉に立ち寄り、田沢湖から武家屋敷の残る角館へと至る、北東北の名湯ロードを辿る。
【主な見どころ】
八幡平温泉郷・乳頭温泉・田沢湖・角館
【車中泊旅行ガイド】
松島・仙台・秋保温泉(宮城県)
ランドマーク・スポット#017
大高森
「日本三景」に数えられる松島には、「四大観」と呼ばれるの展望地があるが、中でも際立って美しい多島美が見られるのが大高森だ。
【旅先の概要】
江戸時代に60万石を配し、みちのくの盟主と讃えられた「独眼竜」こと、伊達政宗の膝下をめぐる。
【主な見どころ】
松島四大観・瑞巌寺・仙台城跡・瑞鳳殿・秋保温泉
【車中泊旅行ガイド】
山形県山間部(山形県)
ランドマーク・スポット#018
銀山温泉
まるで映画のロケ地のような風情を持つ銀山温泉は、道路から見えないところにあり、温泉街までクルマで行くことができない「秘湯」の温泉地。
【旅先の概要】
南東北の背骨とも云える山形県の山間部を縦走する。松尾芭蕉・奥の細道との関連性も深いエリアだ。
【主な見どころ】
蔵王・上山温泉・山寺・天童温泉・尾花沢・銀山温泉
【車中泊旅行ガイド】
酒田・鶴岡(山形県)
ランドマーク・スポット#019
羽黒山
羽黒山にひっそりと建つ五重塔は、国宝であるだけでなく、この塔に至る杉の並木道に「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」が3つ星をつけている。
【旅先の概要】
南東北の背骨とも云える山形県の山間部を縦走する。松尾芭蕉・奥の細道との関連性も深いエリアだ。
【主な見どころ】
鳥海ブルーライン・酒田タウン・鶴岡タウン・スタジオセディック庄内オープンセット・羽黒山
【車中泊旅行ガイド】
裏磐梯・猪苗代・喜多方・会津
ランドマーク・スポット#020
磐梯吾妻スカイライン
磐梯山から登る朝日を浴びるヘアピンカーブは、磐梯吾妻スカイライン屈指の撮影スポット。だが日中の紅葉撮影には適さない。明るい時間帯は「天狗の庭」がもっとも美しくなる。
【旅先の概要】
会津から猪苗代、喜多方を経由し、五色沼から裏磐梯の3つのドライブウェイを駆け抜ける旅路。見どころにもグルメにも恵まれた南東北イチオシにエリアで、お勧めの時期は10月半ばの紅葉シーズンだ。
【主な見どころ】
会津若松・猪苗代・喜多方・裏磐梯
鹿島・水戸・那珂・いわき(福島・茨城県)
ランドマーク・スポット#021
スパリゾートハワイアンズ
石炭産業の斜陽に苦しむいわきの町を、艶やかなダンスで再興する映画「フラガール」は実際にあった話。再び訪れた窮地を救うのは、その血を引き継ぐ彼女たちかもしれない。
【旅先の概要】
福島県・太平洋沿岸地区の観光スポットは、いわきに集中しているため、旅をするなら、三陸海岸と同じように県境をまたぎ、茨城県の鹿島から水戸、ひたちなかを経由して、いわきを結ぶ直線ルートがスムーズでコンテンツも豊かになる。
【主な見どころ】
鹿島神宮・水戸タウン・国営ひたちなか海浜公園・小名浜・スパリゾートハワイアンズ
【車中泊旅行ガイド】
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