北海道に20回以上の車中泊旅行を重ねてきた、車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家が、2023年の「大通公園ビアガーデン(さっぽろ夏まつり)」の愉しみ方をご紹介。
「クルマ旅専門家」・稲垣朝則が、20年以上かけて味わってきた全国のソウルフード&ドリンクを、そのレシピと老舗・行列店を交えてご紹介。
「いかにも北海道!」という気になれる都会遊び。
「大通ビアガーデン」目次
札幌には2つの愉しみ方がある。
「札幌はクルマ旅の対象外」と思っている、車中泊の旅人はいないだろうか。
確かに札幌の中心街ではクルマを持て余すし、有名な観光スポットには、国内外のツアー客が溢れている。
何も北海道にまで来て、人混みと慣れない街歩きで疲れる必要はない。
だが、それは「昼間」の話。
そもそも、札幌には「ふたつの愉しみ方」がある。
ひとつは「観光客としての楽しみ方」、そしてもうひとつは「市民の愉しみ方」だが、ツアーではなく自由奔放な車中泊の旅を謳歌する人々の希望は、聞くまでもなく後者だろう。
そこで短い夏の週末に、札幌市民がこぞって繰り出す、空前絶後のビアガーデンを紹介しよう。
大通ビアガーデン
「大通ビアガーデン」は「さっぽろ夏まつり」の一環として、1959(昭和34)年に始まった恒例の野外イベントで、収益金の一部は福祉団体に寄付される。
期間中は大通公園に、国内主要ビールメーカーと輸入ビールのブースがセットされ、総延長約1キロ・1万3000席とも呼ばれる国内最大級のビアガーデンが出現する。
コロナ前の2019年には、ひと月足らずの開催期間中に、117万人がここで喉を潤したというのだから驚きだ。
テレビ塔から見た「大通ビアガーデン」。
写真中央の緑地帯が大通で、各社のブースが断続的に遥か彼方まで続いている。
「さっぽろ夏まつり」が70周年を迎える2023年は、7月21日(金)~8月16日(水)に開催される予定だが、夜は肌寒い日もあるので、上着を持参して行くほうがいい。
なお営業時間は12時~21時(受付は18時まで)。日が暮れてから行くと入場できないのでご用心を(笑)。心配なら席の予約ができるブースもある。
また会場内ではキャッシュレス決済が基本で、電子マネー・クレジットカード・QRコード決済で飲食物が購入できる。
一番人気の席は、テレビ塔下にある「サッポロクラシック」のブースで、「さっぽろテレビ塔ビアガーデン」と呼ばれている。
またここは「大通ビアガーデン」より営業期間が長く、5/27~9/3の間利用できる。
筆者はこれまでに2度、運よく席にありつけたが、通常は予約なしだと2時間近く待ち時間があるそうだ。
なお、サッポロビールのブースはまた別のところにある。
2017年のサントリーブース・体験レポート
ここから先は2017年の体験談になるのだが、既に5年近くが経過しているため、現状とは少し違っているかもしれないことをご容赦願いたい。
これまでに3度訪ねた筆者のお勧めは、テレビ塔から比較的近くて席数も多いサントリーのブースだ。飲めるのはプレミアムモルツの2種類だ。
2017年は友人4人とともに出かけたので、3リットルのサーバーをオーダー。
これで4000円とお値段はやや高めだが、プレモルの生はそれ相応にウマい。この上には10リットルのサーバーもある。
大通ビアガーデンのシステムは、前払いチケット制。まずは席を確保し、それからチケット売場に行って、ビールとフードのチケットを買う。
フードのチケットは3つのカテゴリーに色分けされており、受け取りカウンターもチケットのカラーごとになっている。おそらく、長蛇の列ができないようにするための工夫なのだろう。
ちなみにビールがなくなりそうになると、可愛い女子がタイミングを見計らって、愛想よく席まで注文伺いにやって来る。
それは我々がお金持ちの素敵な親父たちに見えるからではなく、スタジアムと同じような歩合制だからに違いない(爆)。
ベスト車中泊スポットは「札幌レールパーク」だったのだが…
車中泊で「大通ビアガーデン」に繰り出したい人は、徒歩かタクシーで戻れる、近くのコインパーキングが理想的なスポットになると思うが、夜間は公衆トイレが閉鎖される「大通公園」周辺には、なかなかいいコインパーキングが見当たらない。
それを考えると、1キロほど歩かなければならないが、札幌駅南口にある「レールパーク」の有料駐車場が便利だ。
トイレはないが、5分ほど歩いたところにセブンイレブンがある。
この日は夕方6時過ぎから翌朝7時まで駐車して約2000円。ジルクラスのキャブコンも停められる。
だが「レールパーク札幌」は、北海道新幹線延伸に伴う北海道新幹線駅舎建設のため、2023年10月9日(月)24時をもって、閉業されることが決まっている。
利用できるのは2023年のシーズンが最後になるので、ぜひラストチャンスをご活用いただきたいと思う(笑)。
筆者も次回からは、ポータブルトイレを持参して行くことになるだろう。