この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊ならではの旅」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

夏の幌加内は、まさに見渡す限りの「そば畑」
幌加内のそば【目次】
日本一のそば畑
筆者がこの広大なそば畑を初めて目にしたのは、2002年の夏だった。
旭川から北に1時間ほど走った士別の近くにある幌加内(ほろかない)町に、「日本一のそば畑」があると聞き、朱鞠内湖から帰る途中に、この素晴らしい景観をフィルムカメラに収めている。
もっとも… 当時はこんな見晴らしのいい展望台などは見当たらなかった。
本州のそばはヒガンバナが咲く9月下旬から10月初旬頃に花を咲かせるが、北海道では7月下旬から8月中旬に花期を迎える。
実は、8月中旬の北海道は「観光の端境期」に当たっており、この時期に「旬」を迎える見どころは少ない。
その中で、富良野のラベンダーがピークを迎える頃から咲き始め、北竜町のひまわりが満開になっても、まだその美観を維持している幌加内のそば畑の存在は大きい。
幌加内町は、そばの作付面積・生産量ともに日本一を誇るだけあって、国道237号線の「道の駅・森と湖の里ほろかない」が建つ周辺には、まさに見渡す限りの「白いじゅうたん」が広がっている。
幌加内町の観光案内を見ると、そば畑のビューポイントは「そばの花展望台」を含めて4ヵ所あると紹介されているが、展望台以外はどこを見てもほとんど同じだ(笑)。
幌加内は美瑛のパッチワークの丘とは違い、景色そのものは変わらない。
ゆえに同類の情報に振り舞わされるよりも、ゆっくりクルマを走らせ、通行や農作業の邪魔にならない程度に、お気に入りのフォトスポットを探すほうがいい。
幌加内そば
今度は食べる話をしよう。
日本で蕎麦といえば信州を思い浮かべるかもしれないが、北海道は長野県の実に4倍以上、そして幌加内町単独でも長野県のそばの生産量を上回っている。
信州がそば処と云われる所以は、写真のようにそばを麺にする「そば切り」を編み出したからに他ならない。
その技術が江戸時代の「国替え」で伝播し、有名になったのが「出雲そば」であり「出石そば」だ。
そばといえば、寿司・天ぷらと並ぶ代表的な日本料理だが、その国内収穫量は34,400t(平成29年度)で、なんと国内自給率は三割にも満たっていない。
各地に行列店がたくさんあり、鉄道駅や高速道路のSA、さらにはショッピングセンターのフードコートでも、そばを置いてないところはほとんどない。
ゆえに白米同様、その大半が国産と思っていただけに、この話には驚いた。
半生そば
さて。幌加内で筆者の目に留まったのは「半生そば」だ。
宣伝をみると、「生麺の風味」と「乾麺の保存性」を併せ持っており、いつでも美味しいそばが食べられることから人気が高いというが、そう聞かずに食べると、乾麺との違いは分かりづらい。
ただ製造日から常温で2か月は保存可能ということなので、買っておいて旅の中で一度ご賞味してみてはいかがだろう。
ただ、そうする場合の留意点は「そばつゆ」にある。
関西人には北海道で手に入る「そばつゆ」を辛く感じると思うので、できれば自宅から持参することをお勧めする。


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