「クルマ旅専門家」・稲垣朝則が、10年以上かけてめぐってきた全国の温泉地を、「車中泊旅行者の目線」から再評価。車中泊事情や温泉情緒、さらに観光・グルメにいたる「各温泉地の魅力」を、主観を交えてご紹介します。

「川北温泉」は、驚くべき悪路の先にある乳白色の極上温泉

筆者は「からまつの湯」のお湯が柔らかくて大好きなのだが、おじさんによると泉質は「川北温泉」の方が上だという。
そこで、さっそく確かめに行ってみることにした。
「川北温泉」へは、国道244号を標津市街から斜里町方面へ進み、写真の看板で左折し、未舗装の笹の沢林道を約5キロほど走る。
もちろん林道は除雪されないので、冬からGW頃までは通行できない。
笹の沢林道はご覧の通りデコボコだらけで、ところどころには覆い被さるように梢が伸びている。
そのため、高さの面でもキャブコンは諦めた方がよさそうだ。ハイエースでも対向にはかなり厳しい箇所がある。
さて。明治時代に開湯した「川北温泉」は、大正時代には温泉宿もあったという。
その後、村営の温泉療養所や町営の保養センターとして利用された経緯があるが、台風で崩壊して以降は浴場を残して取り壊された。
現在はそこに、地元の有志によって建てられた、簡易の脱衣所と休憩所、そしてトイレが設けられている。
積雪で倒壊する恐れがあるため、あえて屋根は作らず、露天風呂にしてあるそうだ。浴槽は男女別になっているが、仕切り壁は申し訳程度で、一応表からは見えなくしてあるが、裏に回ればノーガード(笑)。
ちなみに、川北温泉の泉質は、塩分と硫黄分が多く、カラダに優しいというよりは効きそうだ(笑)。
ワイルド感では勝るものの、筆者はやはり「からまつの湯」派でいい。
最後に。川北温泉は、2012年の林道崩落以降長らく閉鎖されていたが、2015年にようやく復旧工事が完了し再開された。
とはいえ、脆弱な地盤であることに変わりはなく、特に集中豪雨などの後は、営業しているかどうかを役場に確認してから出かけるほうがいいだろう。
場所 : 北海道標津郡標津町川北1番地の3
料金 : 無料
営業 : 24時間
休み : 年中無休
泉質 : 含硼酸食塩硫化水素泉
備考 : 男女別湯船・男女別脱衣所あり
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