この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。

久種湖畔キャンプ場は、礼文島唯一の高規格サイト
久種湖畔キャンプ場【目次】
久種湖畔キャンプ場のロケーション
「久種湖畔キャンプ場」は、花の浮島として名高い礼文島の北部、スコトン岬に近い船泊地区に設けられた高規格オートキャンプ場だが、その詳細説明に入る前に…
礼文島は稚内港からフェリーで2時間ほどのところにあるが、マイカーで渡ると5メートル未満の車両運搬料金(運転手込み)だけで3万円をゆうに超える。
しかし、人間だけだと2人でも約8000円でおさまるため、車中泊の旅行者の中には、稚内にクルマを置いて日帰りもしくはキャンプ、あるいは民宿泊まりで訪れる人も少なくはない。
筆者はこれまで3度に分けて礼文島を1周しているが、2008年は経費を抑えるためにバックパッキングで渡っている。
ただ実際は不便なだけでなく、島内の移動にコストがかかるため、2011年と2016年はクルマとともに上陸した。
なお礼文島には、フェリー・ターミナルがある香深の近くに、もう1つ緑ヶ丘公園キャンプ場があるのだが、そちらには駐車場がなく、ライダーやバックパッカー向けの作りになっている。
久種湖畔キャンプ場の設備
写真の駐車場で車中泊をする場合、利用料金は入場料のひとり600円だけで済む。ただしキャンプサイトとは離れているため、カーサイドに椅子やテーブルを広げることはできない。
つまり、スタイルとしては無料駐車場で車中泊をするのと何ら変わらず、キャンピングカーでなければ、ここでのんびり寛ぐことは難しい。
加えて、生鮮食品の買い出しと入浴には、クルマで1時間近く離れたフェリーターミナルのある香深の町まで行かなければならない(船泊湯は閉鎖)。

その場合は、サイトにシェルターかタープを張って「居場所」を作るほうがいい。
テントサイトは全面芝生張り。テントを張っても料金は先ほどの車中泊と同じなので、ライダーが数多く利用している。
なお、15Aの電源サイトはバンガローの手前に16区画用意されており、こちらは2000円のサイト料金が入場料とは別に必要だ。
面白いのはその区画サイトとご覧のバンガロー(左手の小さな建物群)が同じ料金であること。
北海道のバンガローは総じて安く、雨なら断然バンガローの方がいい。
またこのキャンプ場は晴れても強風がツキモノだけに、1泊でテントやシェルターを立てる手間とリスクを考えるなら、最初からバンガローを借りるほうが賢明かもしれない。
さて。隣接する久種湖には周回できる遊歩道が整備されており、キャンパーはサイトからそのまま散策に出かけられる。
レブンアツモリソウの咲く頃には、久種湖畔でクロユリも見られる。
ただし、頑張って探さないと容易には見つからない(笑)。
クロユリが咲いてるのは、この木道の脇の茂みだ。
なお、礼文島でアツモリソウとクロユリが見れるのは5月下旬から6月初旬なので、夜はけっこう冷え込む。
その時期に行くなら防寒用品を忘れずに持参しよう。
【正式名称】
久種湖畔キャンプ場
【サイト数】
オートサイト 16区画
フリーサイト 約50張り
【営業期間】
5月1日~9月30日
【料金】
入場料、大人1名600円/1日 ※夫婦1泊1200円
オートサイト(15Aの電源付き) 2000円
バンガロー(4人用)2000円
コテージ(5人用)15000円
【フィールド】
湖畔の芝生サイトでほぼフラット・直火不可・ペットは駐車場内ならOK。
チェックイン 13~17時
チェックアウト 7~10時
【トイレ】
水洗(キレイ)
久種湖畔キャンプ場 最寄りの温泉と買い物施設
以前は久種湖畔キャンプ場から歩いて行けるところに、銭湯の「船泊湯」があったが、現在は閉鎖され、代わりに久種湖畔キャンプ場にシャワー室が設置されている。

最寄りの食料品店「よこの商店」までは約200メートル。
久種湖畔キャンプ場 アクセスマップ
礼文島 車中泊旅行ガイド
道北 車中泊旅行ガイド



