この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
「然別湖北岸野営場」は、夏季限定の本当の自然好きが集まるキャンプフィールド
然別湖北岸野営場【目次】
「然別湖北岸野営場」の施設
「然別湖北岸野営場」は、然別湖の湖畔に設けられた炊事棟とトイレしかない、実にシンプルなフリーサイトで、夜8時を過ぎると灯が消える。
なぜなら…電気が来ていない。
まさにドラマ「北の国から」を彷彿とさせる北海道らしいキャンプ場だ。
料金はおとな1泊250円で、管理人さんは夕方4時から6時までしかいない… かわりに早朝にはキタキツネやエゾジカが現れる。それもまた北海道らしいと感じる所以だろう。
「然別湖北岸野営場」では、キャンプサイトと駐車場が完全に分離されており、車中泊はできるが、サイドオーニングやバックドアを使うことはできない。
従ってサイトにシェルターを出すなどして寛ぎ、寝る時だけクルマに戻るといった使い方が理想的だ。
そう書くとキャンプ道具を持っていなかったり、したことがないという人には、その良さがわかりにくいかもしれないが、ご覧の通りトイレはきれいで、下の写真のように車中泊でも寛げるスペースは確保されている。
残念なのはゴミの持ち帰り。
「然別湖北岸野営場」のロケーション
周囲を原生林が取り囲み、太古の自然を今に伝える然別湖は、標高810メートルと道内では最も高い場所にあり、最深部は約100メートルにも及ぶ大雪山国立公園唯一の自然湖だ。
国立公園に認定以降、開発に歯止めがかけられ、周囲にはナキウサギや、オジロワシ、クマゲラ等の貴重な野生動物たちが生息している。
また湖には、陸封されオショロコマの固有種となったミヤベイワナのほか、サクラマス、ニジマス、ワカサギなどが生息しており、北端に注ぐヤンベツ川は、その主な産卵河川となっている。
また秘湯「鹿の湯」がある然別峡は、距離は近いが道筋が違うため、「然別湖北岸野営場」から行くには約30キロ・40分ほど走らなければならない。
いずれにしても、然別湖はカヌーや釣り、あるいはネイチャーフォトなどのアウトドア系コンテンツを楽しむ人にフィットするエリアで、「観光地」としての要素は極めて薄い。
「然別湖北岸野営場」 最寄りの温泉と買い物施設
然別湖畔温泉ホテル風水
キャンプ場から約5キロ
☎0156-67-2211
おとな1000円
12時~17時・無休
付近にお店は一軒もなし。鹿追市街まで17キロ。