北海道に20回以上の車中泊旅行を重ねてきた、車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家が、2023年6月現在の「道の駅 南ふらの」の車中泊情報をご紹介。
この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
「道の駅 南ふらの」は、ラベンダーの咲くかなやま湖と、映画「鉄道員」ロケ地の近くにある道の駅
「道の駅 南ふらの」 DATA
道の駅南ふらの
〒079-2400
北海道空知郡南富良野町 字幾寅687-1
0167-52-2100
営業時間
9時~19時(6月~9月)
※10月~5月は17時まで
年末年始(12/31~1/2) 休館
「道の駅南ふらの」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第1回
登録日/1993年4月22日
2022年4月、第一次増床リニューアルオープン
「道の駅 南ふらの」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2009.07.10
2010.09.10
2012.10.23
2013.07.29
2014.07.25
2018.07.08
2020.07.24
2021.07.13
2022.07.22
※「道の駅 南ふらの」での現地調査は2022年7月が最終で、この記事は友人知人から得た情報及び、ネット上で確認できた情報を加筆し、2023年6月に更新しています。
道の駅南ふらの【目次】
「道の駅 南ふらの」のロケーション
「道の駅 南ふらの」は、「富良野」から「狩勝峠」を越えて「帯広」方面に通じる、国道38号線沿いにある道の駅。
現在は、アップダウンのきつい「狩勝峠」をトンネルで回避できる、中高年に優しい「道東自動車道」を通ることが多くなったが、かつては筆者もよく利用した道で、通る時は「道の駅 南ふらの」のお世話になることが多かった。
1999年に上映された「鉄道員(ぽっぽや)」の舞台となった「幌舞駅」は、「道の駅 南ふらの」からほど近い「幾寅駅」のことだ。
また「道の駅 南ふらの」のそばにある金山湖畔は、7月にラベンダーの花で埋まる。
富良野や美瑛の人混みを避けてラベンダーが見たい人には、こちらのほうがいいかもしれない。
ちなみに夕張に近い南富良野はメロン栽培が盛んで、富良野市街に向かう国道38号沿いには、何軒かの直売所が並んでいる。
「道の駅 南ふらの」の施設
2021年7月、富良野から霧多布に移動する途中に立ち寄ってみると、「道の駅南ふらの」は大掛かりな工事に入っており、なんとこの時期にピークを迎えるラベンダー畑も消えていた。
情報によると、南富良野町は道の駅再編整備計画を進めており、21年度から着工し、22年度の完成を目指しているとのこと。
ただ筆者が訪ねた時は、道の駅の駅舎は従来どおり営業していた。
町が示した計画によると、レンタルショップやアウトドア商品を取り扱う複合型商業施設が新たに配置され、西側には臨時駐車場と、町民向けの木製アスレチックや親水機能を備えた公園が設置されるようだ。
最終完成予定 2024年
2022年7月 更新
その翌年の7月に、同年4月に第一次増床リニューアルオープンを果たした「道の駅 南ふらの」を訪ねてきた。
かつての屋台村だった場所に建っていたのはモンベルショップ。
これまでにも「道の駅 ひがしかわ」や「道の駅 オホーツク小清水店」に出店しているが、「かなやま湖」があり、周辺の空知川と併せ、夏はカヌーやキャンプ、ラフティング、ロードバイク、冬はワカサギ釣りやスノーシューなどが盛んに行われている南富良野だけに、まさにモンベルは”ジャストフィット”。
スノーピークやノースフェイスのショップよりも似合っている(笑)。
店内には登山用品やキャンプ用品、各種ウェアなどを揃えているほか、高さ約8mのクライミングピナクルも設置されている(1回20分、料金は税込み1500円)。
さらに増床された施設内には、JR占冠駅前の物産館で営業していた「レストラン・メープル」が移転開業し、ウッドデッキの広場前にあるフードコートには5軒の小さな飲食店が並んでいる。
なお新館にもトイレはあるが、夜間は閉鎖されるとのこと。車中泊時には従来の24時間トイレを利用しよう。
ただ…
昔の「道の駅 南ふらの」を知る車中泊の旅人の中には、以前の屋台とラベンダー畑が広がる、どこかほのぼのした姿を恋しく思う人もあると思う。
リニューアルが進んで垢抜けていく「道の駅 南ふらの」を見て、筆者はふと、太田裕美が歌った「木綿のハンカチーフ」を思い出した。
♪恋人よ 僕は旅立つ
東へと向かう列車で
華やいだ街で
君への贈り物
探す 探すつもりだ
いいえ あなた
私は欲しい物はないのよ
ただ都会の絵の具に
染まらないで帰って
染まらないで帰って
さて。今度は駅舎と駐車場について。
従来の「道の駅 南ふらの」は、町内のかなやま湖や空知川でカヌーが盛んなことから、外観がカヌーの軸先をイメージしたユニークな形になっている。
ロビーの正面には、かなやま湖や空知川に生息するイトウ、アメマス、ウグイなどの淡水魚が悠々と泳ぐ大型の水槽があり、訪れる人々の注目を集めている。
残念なのは2階が閉鎖されてしまったこと。
というのは、以前は2階にモバイル・インターネット環境が設けられていた。
道の駅の中には、他にもフリースポットに登録している施設はあるが、デスクと電源が無料で使えるところはあまり見たことがなかっただけに惜しい。
ただ2022年7月時点の2階は、おそらく「仮の姿」なのだろう。
2024年のグランドオープン時には、また何か違う展示や販売のスペースに利用されると思う。
今度は売店の様子。
「道の駅南ふらの」は、ユニークな雑貨の品揃えが充実している。
オカリナ。「旅人に合う」かも(笑)。
リニューアル前の「道の駅南ふらの」の食事施設は、レストランというよりは食堂。丼と麺類中心でライダーを強く意識している感じだった。
しかし2022年7月の訪問時は、新館にレストランとフードコートができたため、駅舎内のレストランは仮設の観光案内所に変わっていた。
最後は車中泊について。
こちらがメインの駐車場。平坦で車中泊に支障はないが、トイレが遠い。
車中泊に適しているのは、この野外トイレ横の駐車場になる。
もちろんトイレは、ウォシュレットに改修されている。
「道の駅 南ふらの」車中泊好適度
「道の駅南ふらの」のゴミに対する対応
可燃ゴミ:館内入口付近にあり
缶・ビン・ペットボトル:同上
ずいぶん小さくはなってしまったが、とりあえずまだ入口の近くには電子レンジと可燃物のゴミ箱が置かれている。
これは車中泊旅行者やライダーにとっては嬉しいサービスだが、完全リニューアルが終わる2024年にはどうなっているか分からない。
ちなみに、車中泊の旅行中に発生するゴミは「家庭ゴミ」ではない。
しかるに「家庭ゴミの持込み禁止」は地域住民に向けた正しい勧告ではあるが、車中泊の旅行中に発生するゴミは該当しない。
こう説明すれば分かりやすいと思う。
近くのスーパーで買ってきた「弁当」は、道の駅についた時点では「ゴミ」ではなく「食品」だ。
それを道の駅に駐めたクルマの中で食べると、残った容器がゴミになる。
ということは、正確には「道の駅で発生したゴミ」であって、
道の駅のスタッフが、出勤前にコンビニで買ってきた弁当を昼食に食べた後、その容器を事務所のゴミ箱に捨てるのと同じ話で、誰が食べたかは関係ない。
すなわち、「事業ゴミ」として道の駅が処分するのが筋ということになる。
明日帰る車中泊の旅行者が、それを「持ち帰り」するのは自由だが、それは「マナー」と呼ぶものではなく、あくまでも「道の駅の負担を軽減してあげるための協力」であって、基本は堂々と捨てさせてもらってかまわない。
車中泊旅行中のゴミの処分については、以下にもっと詳しい記事を記載しているので、時間があればぜひ。上に記した話が「自分勝手」かどうかは、法律に照らし合わせれば一目瞭然だ(笑)。
「道の駅 南ふらの」 最寄りの温泉&周辺の買物施設
【最寄の入浴施設】
かなやま湖保養センター
北海道空知郡南富良野町東鹿越 ℡:0167-52-2223
入浴時間: 10:00~21:00
定休日: 無休
料金:おとな410円
コンビニ
セイコマートまで約400メートル。
スーパーマーケット
Aコープ南ふらの店が1キロほどのところにある