この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。

黒岳登山は、不規則な段差とオーバーペースにご用心
黒岳は大雪山国立公園の北部に位置する山で、層雲峡温泉からロープウェイとリフトを乗り継げば、7合目までは殆ど歩くことなく辿り着ける。
憧れのカムイミンタラには幾つかの登頂ルートがあるが、初心者にはやはり黒岳からがお勧めのようだ。
それでも7 合目から頂上に至るには、早い人でも1 時間15 分程度を要する。日帰りコースとはいえ、道中はデコボコした岩に足を取られやすく、トレッキング・シューズで臨まないと足を挫く可能性は高い。
大雪山・黒岳 日帰り登山コースガイド【目次】
出発前に、まずは層雲峡ビジターセンターで情報収集
ロープウェイ乗り場と隣接するウッディーな建物が、層雲峡ビジターセンター(入場無料)だ。
黒岳から石室周辺の高山植物や紅葉の情報をほぼリアルタイムで把握しており、登山者に適切なアドバイスをしてくれる旅行者にとって心強い存在だけに、積極的に活用しよう。
ただし、6月~10月の開館は午前8時からなので、朝一番から登りたい場合は、前日に訪ねておこう。
無料駐車場あり。
☎01658-9-4400
層雲峡ビジターセンター 公式サイト
黒岳ロープウェイ 公式サイト
黒岳登山コースガイド
①層雲峡・黒岳ロープウェイとペアリフトで7合目へ
まず、温泉街にある層雲峡駅から黒岳ロープウェイで5合目の黒岳駅へ。5合目でペアリフトに乗り換え、標高1520メートルの7合目に到着する。
夏のロープウェイの始発は午前6時、往復料金はリフトとあわせて、大人ひとり2550円。ここまでの所要時間は空いていれば40分ほどだろう。
登山道の7 合目付近には、人馴れしたシマリスが棲みついており、ベンチのすぐそばまでやってくる。
ヒマワリの種を持っていくと目の前で食べてくれるだけでなく、運が良ければ掌から直接取って食べることも。
②登山届を出して、いざ出発
7合目に建つ登山事務所に着いたら入山届けを書いて提出し、トイレを済ませたらいよいよ登山開始だ。
山頂にはトイレがないので、さらに45分ほど先に進んで石室までいくか、再びここに戻るまでは用を足すことはできない。
ちなみにここから山頂までの往復時間は約3時間。
登山道には7月まで残雪があり、雪がなくなる8月まではルートの殆どがぬかるみ状態になっているので、足元にはそれを想定した装備が必要だ。
③不規則な段差とオーバーペースに注意して登る
7合目から山頂までは、ほぼ一本調子でジグザグの登山道が続くが、傾斜がきついうえに段差が大きく、ペース配分を誤ると確実にバテる。
30分ほど登ると第1花園に到着し、7月には高山植物が一面に咲き乱れるので、花の写真を撮るなどして、呼吸を一度整えるといい。
④視界良好の9合目
前方にマネキ岩が見えてくると、山頂までは残り10分ほど。
ここからは視界が開けてくるので、気分も爽快になり疲れを忘れる。
⑤山頂に到着
山頂付近は広い台地状なので、腰を下ろし雄大な大雪山を堪能しよう。
7合目から家内と写真を撮影しながら山頂到着までに要した時間は、約1時間30分。けっこう遅めのペースだと思う。
PS 石室へ
時間に余裕があったので、筆者たちは更に進んで山小屋の石室まで足を伸ばした。左は新しいトイレ。
石室小屋の中。
本州ではなかなか見られない簡素な山小屋だが、屋久島もこんな感じだった。
無事の登頂に乾杯。
ビールは石室小屋まで行かないと手に入らない。雪渓ビールは「大雪山の雪渓で冷やしたビール」という意味らしい(笑)。
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