この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
道の駅 びえい「丘のくら」は、車中泊旅行者には期待外れの道の駅
道の駅 びえい「丘のくら」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第23回
登録日/2007年3月1日
筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2008.07.03
2011.09.21
2012.07.23
2015.07.20
2018.07.08
2020.07.27
2022.07.22
道の駅 びえい「丘のくら」【目次】
『道の駅 びえい「丘のくら」』
の最寄りの温泉&周辺買物施設
『道の駅 びえい「丘のくら」』のロケーション
美瑛といえば、やはりパッチワークの雄大な農場風景が思い浮かぶ。
ゆえに、どこかの小高い丘の上に野菜直売所や温泉施設が隣接する今風の道の駅がありそうなものだが、JR美瑛駅の隣にある『道の駅 びえい「丘のくら」』は、その想像とはあまりにもかけ離れている。
こちらが美瑛の駅前風景。
ここに位置する『道の駅 びえい「丘のくら」』は、隣にあるラヴニールという名前のホテルと中で通じており、前はちょっとしたガーデンテラスになっている。
察するに…
『道の駅 びえい「丘のくら」』は、都会から電車で来てペンションなどに泊まる旅行客をターゲットにしているのだろうが、車中泊旅行者には、さすがにこれのどこが「道路利用者の為の休憩施設」なのか? と疑問に思わざるを得ない。
『道の駅 びえい「丘のくら」』の施設
『道の駅 びえい「丘のくら」』のネーミングは、大正時代に美瑛軟石を使用して建造された倉庫をリノベーションして作られたことに由来しており、当時はここに主に豆類が貯蔵されていたという。
スケルトンになった駅舎の中は、雑貨中心のお洒落なショップ風に作られており、観光用にパンフレットも置かれているが、観光案内所はない。
飲食スペースもあるにはある。
ただ土地が余りある美瑛で、なにもこんな狭い思いをしなくてもいいだろうという程度の席数しかなく、日中は常時混雑している(笑)。
メニューは軽食が中心だ。
なお2階は無料のアートギャラリーになっており、美瑛の美しい写真と映像を見ることができる。
この道の駅で「美瑛らしさ」を感じられる場所はここだけだった。
当然ながら、駐車場は殺風景なコンクリートに囲まれており、車中泊ができるような雰囲気ではない。
道路を挟んだ線路側にある第2駐車場。
こちらも多少経験のある車中泊旅行者なら、「わざわざ北海道まで来て、何もこんなところで車中泊をする必要はない」と思うのが普通だ(笑)。
ちなみに24時間トイレは、建物の玄関を開けた中にある。
もちろん、個室にはウォシュレットを完備している。ここでトイレまでただの水洗だったら、もう褒めるところがなくなる(笑)。
だがいずれにしても、このような市街地では騒々しく、また温泉までは30分近くかかる為、どの方向に行くにしても車中泊には適さないと思う。
銭湯は近くにあるものの、温泉天国の北海道で銭湯を利用するのは、どうなんだろう。筆者ならよほどの理由がない限り、そんなバカバカしいことはしない。
しかし、美瑛には既に展望台的な施設は何ヶ所もあるわけで、それが新たに増えるよりは、街に不足気味の宿泊施設を作る方がトータルでは良かったのだろう。
最後に。
アテが外れたという人は、ここから20分くらいのところにある「上富良野町日の出公園オートキャンプ場」の記事をチェックしてみよう。
そこならひとり800円で快適に車中泊ができる。
またどうしても無料に執着したい人は、上富良野まで行けば農家の迷惑にはならないところがある。
なお、新しくできた「道の駅 白金ビルケ」は、美瑛というより十勝岳にほど近い白金地区にあり、こちらでも「美瑛らしさ」は感じられない。
『道の駅 びえい「丘のくら」』の車中泊好適度
ゴミに対する対応
可燃ゴミ:なし
缶・ビン・ペットボトル:なし
【プロの寸評】
車中泊に適さないと分かりつつ、何度もこの道の駅を訪ねている理由は、まずパノラマロードに行く際に道の駅の前を通るからだが、その際には「多少はマシになってないかな」という期待感があった。
だがそれも今回まで。もうええわ(笑)。
びえい「丘のくら」 オフィシャルサイト
『道の駅 びえい「丘のくら」』の最寄りの温泉&周辺買い物施設
松の湯
☎0166-92-2647
おとな450円
14時30分~21時・月曜定休
コンビニ
セブン・イレブンまで約400メートル。
スーパーマーケット
スーパーFujiまで約500メートル。