「クルマ旅専門家」・稲垣朝則が、20年以上かけて味わってきた全国のソウルフード&ドリンクを、そのレシピと老舗・行列店を交えてご紹介します。
「民宿まるみ食堂」は、もともとライダー御用達の食堂だった
今でこそ「るるぶ」や「マップルマガジン」に登場するが、この店はライダーや車中泊の旅行者には、古くからボリューム満点の食事ができると定評の高い店で、筆者も家族で来ていた2000年からその存在は知っていた。
しかし家族4人で外食するのは、当時の我家にすれば一大出費。そのお金は帰りの小樽の「回らない寿司屋」のためにキープしておく必要があった(笑)。
それから10数年が経過し、今度は取材で知床を訪ねるチャンスに恵まれた。
このサイトで紹介している様々なグルメスポットは、この時に初めて取材したところも多い。
現役漁師が経営する宿だけに食材にはこだわりがあり、とにかくイクラヤウニはどこよりも量が多いのが自慢というので、試しにウニ丼を注文してみた。
なるほど、ボリュームが北海道の水準を満たしているのは確かなようだ。
ただ、ウニ丼については鮮度とボリューム以外に評価のしようがない(笑)。
そこで、同伴していた家内に羅臼名物の「ホッケ定食」を食べてもらうことにしたのだが、確かに脂がよくのって塩加減もいい…
中高年にはご飯満載のウニ丼より、こちらのほうがはるかに良かった。
まるみ食堂では、観光客向けの料理のほかにカレーや麺類といった日常のメニューも取り揃えている。
近頃はどうやらそれが地元の漁師さんたちから人気を得ているようだ。
ちなみに2018年のオフィシャルサイトには、もう以前のような海鮮メニューの写真は掲載されていない。もしかしたら、道の駅にある「知床食堂」にお客を持っていかれたのかもしれない。
ただ、知床でどうしても美味しい海鮮料理が食べたい人は、漁師町の羅臼ではなく、うとろの温泉街にある高級ホテルに行くといい。羅臼はそういうものを期待できるところじゃない。
民宿まるみ食堂
〒086-1842 北海道目梨郡羅臼町麻布町27
☎0153-88-2146
営業時間:8:00~20:00
定休日:不定休
駐車場:有り(40台)