北19号(ミルクロード)は、開陽台へと続くアップダウンの一本道

北19号(ミルクロード)北海道のお勧め観光スポット
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この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。
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北19号(ミルクロード)と開陽台はワンセット

開陽台

北19号(ミルクロード)と開陽台【目次】

ミルクロードとは

開陽台

開陽台のロケーション

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ミルクロードとは

ミルクロード

もともと「ミルクロード」とは、牛乳を積んだ大型タンクローリーが頻繁に通る農道の通称で、特定の道を指す言葉ではないらしい。

確かに酪農が盛んな中標津や別海に行けば、デッカイ大地に定規で線を引いたような直線道路がたくさんあって、そう呼びたくなるのも頷ける(笑)。

ただ、そんな話が囁かれるようになったのは、ここ10年くらいのことだろう。

筆者が北海道に通い出した20世紀当時は、「ミルクロード」といえば地元で「新酪道路」とも呼ばれる「北19号」の、このダイナミックなうねりを伴った開陽台手前あたりの道を指す”固有名詞”だった。

開陽台

そして「開陽台」は、この道を登り切った誘導路の先にある。

つまり、本州の人間が憧れるアップダウンの一本道と、展望台から地平線が望めるライダーの聖地は、事実上同じところにあると云っても過言ではない。

たぶん、これでスッキリした人は多いと思う。シンプルにこう書いてくれれば、誰も悩むことはないのだが…(笑)。

北19号 ミルクロード

なお、登っている時にはこうは見えない。写真は帰りに楽しむことができる光景だ。

ジェットコースターの道

ちなみに道内には、「ジェットコースターの道」「パノラマロード江花」「天に続く道」等々、それぞれ名前のつけられたこの手の道がいくつもあるが、筆者が知る限りダントツに素晴らしいのはココだ。

極端に云えば、「北19号」さえ走れば、あとはわざわざ行く必要はなく、偶然通ればラッキーくらいでいいと思う。

北海道では、3日走れば直線道路に飽きると聞くが、まさにその通りで、いちいち訪ねていたらキリがない(笑)。

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開陽台

開陽台

開陽台は中標津の町から北西方面に12キロほど走ったところにある展望台で、「多和平」「900草原」と並ぶ道東3大展望台のひとつに数えられている。

開陽台

標高約270メートルの高台から見る光景は、まさしくパノラマ。

広角レンズを使えば地平線が丸く写る。

開陽台にはキャンプサイトがあり、昔から「羅臼温泉野営場」と並ぶライダーの聖地と呼ばれてきた。

料金は無料で、施設はトイレと水場のみ。

開陽台

ただしクルマは乗り入れられないので、車中泊場所はこの駐車場になる。

さて。ここから先は余談になるが、「開陽台」がライダーの聖地と呼ばれるようになった経緯を簡単に記しておこう。

こういう事実を知っていると、飲んだ時の旅の話にコクが出る(笑)。

開陽台

開陽台一帯は、開拓期から農地・牧場としての永い歴史を有しており、当初このあたりは「武佐台」と呼ばれていた。

昭和36年、その「武佐台」にNHKがテレビ中継局を設置する。

それを契機に「武佐台」は「開陽台」と改名されたのだが、この「開陽台」という言葉の響きが、当時のライダーたちのハートに共鳴した。 

都会では1970年代後半から1980年代にかけて、作家・片岡義男のオートバイ小説が人気を博していた。

そして1982年に、夕張市出身で中標津町在住の佐々木譲の小説「振り返れば地平線」が発表されると、その影響を受けたツーリングライダーたちが、次々にこの地へやってくるようになる。

それから数年… 今度はミツバチ族と呼ばれるライダーたちが、こぞって「開陽台」を訪れるようになった。

ミツバチ族とは夏にバイクで北海道に渡り、ツーリングをする人たちのこと。

彼らが乗っていたバイクの排気音が、ミツバチの羽音に似ていることから、そう呼ばれるようになったそうだ。

開陽台

そしてこの頃「開陽台」は町の主要な観光スポットしての整備が進み、1990年代初頭には駐車場の拡張と、公衆トイレの水洗化が図られ、95年には現在の新展望台が完成する。

この展望台の1階に、以前は外にあった「ハイジーの家」という軽食・土産物の店が入り、店主の「かあさん」はさらに多くのミツバチ族から愛される存在となった。

しかしバブルが崩壊する90年代半ばから、北海道を訪れるミツバチ族は、少しずつ減少。「ハイジーの家」も2006年10月末を以って閉店となった。

「ハイジーの家」と当時の懐かしい画像は、現在も残るこのオフィシャルサイトで確認できる。

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開陽台のロケーション

養老牛温泉

オーソドックスな観光ルートからすると、「開陽台」は「野付半島」と「さくらの滝」で有名になった清里町を結ぶ道中に位置しており、「開陽台」を含む”ワンデイ観光ガイド”は、清里町からスタートすると、以下のようなモデルプランを組むことができる。

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ミルクロード&開陽台

さて。ここからは「摩周温泉」方面に戻るか、「道東セカンドルート」を離脱して「道東ファーストルート」に乗り換えるかの選択になる。

ポイントは、この日の車中泊地をどこにするかだが、時間的には「開陽台」よりも先に進むことは難しくない。

しべつ「海の公園」キャンプ場

だが有料でよければ、同じく中標津市街から約18キロ離れた標津に、利便性が良くて駐車場で車中泊ができる「しべつ海の公園キャンプ場」がある。

料金はフリーサイト310円+清掃協力金200円/人)、夫婦なら1泊710円だ。

その場合は、この日はゆっくりに動いて「開陽台」の無料駐車場で車中泊をするのがお勧めだ。

ただし周りには店がまったくないので、飲食物はあらかじめ用意して行こう。

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