この記事は、車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、全国各地からセレクトした「クルマ旅にお勧めしたい100の旅先」の紹介です。

「十勝岳望岳台防災シェルター」の無料駐車場は、誰もが車中泊のできる穴場スポット
筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2008.07.12
2010.09.11
2012.10.28
2013.07.15
2015.08.03
リニューアル後
2018.07.08
十勝岳望岳台【目次】
十勝岳望岳台のロケーション
標高930メートル地点にある十勝岳望岳台は、大雪山国立公園十勝岳本峰の真下にあり、夏は十勝岳周辺の登山基地となっているが、定期バスの運行はなく、公共交通機関で行くことはできない。
そのため、やってくるのはマイカーの登山客と、パノラマロードから白金方面をドライブする観光客、そして筆者と同じナキウサギ目当てのアニマルウォッチャーがほとんどだ。
ナキウサギは、日本では北海道だけに生息する小さなウサギで、大陸と北海道が陸続きになった氷河期に移動してきたといわれ、大雪山系、日高山脈から夕張山地、北見山地を中心に生息している。
望岳台のナキウサギは、登山道ではなく、駐車場の逆サイドにあたる望岳台探勝路の溶岩地帯に棲んでいる。
探勝路といっても、道は未舗装でブッシュが覆い、人がひとり通れるだけのようなところもある。
その探勝路を駐車場から15分ほど歩くと、大きな溶岩の山が見えて視界が広がり、ナキウサギの声が聞こえてくる。
なお、長くなるのでナキウサギの生態と観察に関する詳細は、然別湖と合わせてこちらの記事にまとめてある。
十勝岳望岳台の施設
もともと駐車場はフラットで、きれいに舗装されていたのだが、古びたかつてのレストハウスは、2016年に「十勝岳望岳台防災シェルター」に生まれ変わった。
せっかくなので、改装前の様子も紹介しておこう。
この当時も車中泊はできたが、如何せんトイレが汚く、山ガール以外の女性に受け入れられるものではなかった。
それが今は、こうなっているのだから驚くのも無理はない(笑)。
室内は24時間使え、車中泊者にはとてもありがたい環境だ。
もちろん館内にあるトイレはウォシュレットで、Free-Wifiまで利用できる。
ただし防災施設なので、食堂はなく食べられるのはアイスクリームだけのようだ。
車中泊をするなら飲食物の持参をお忘れなく。もちろんゴミは持ち帰りになる。
最後に。
建物がきれいになっても、ここが登山口であることに違いはなく、登山者と同様に駐車場で車中泊をしても、ど派手にキャンプ行為を行わない限り咎められることはないと思う。
ただフィールドでの車中泊経験のない人に、ここは勧めない。
何は良くて、何が悪いのか。
本来それは、看板に事細かく書かれた禁止事項を見るまでもなく、自らから判断できるのが筋だ。それには現場で経験を積んでいただくしかない。
北海道は「練習の場」ではなく、その修練の成果を試すところだと思う。
十勝岳望岳台の最寄りの温泉&周辺買い物施設
吹上露天の湯
望岳台から約4キロ・クルマで5分のところに、「北の国から」のロケ地に使われた、無料の混浴露天風呂がある。
またきちんとした温泉施設が良ければ、その近くにある「白銀荘」がお勧めだ。
なお10キロ圏内にスーパー、コンビニはない。
十勝岳望岳台のアクセスマップ
車中泊で行く富良野と美瑛


日本全国 車中泊旅行ガイド
クルマ旅のための車中泊入門サイト
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