北海道に20回以上の車中泊旅行を重ねてきた、車中泊旅行歴25年のクルマ旅専門家が、2023年8月現在の「道の駅 ぐるっとパノラマ美幌峠」の車中泊情報をご紹介。
この記事は車中泊関連の書籍を10冊以上執筆し、1000泊を超える車中泊を重ねてきた「クルマ旅専門家・稲垣朝則」が、現地取材を元に「車中泊旅行における宿泊場所としての好適性」という観点から作成しています。
※ただし取材から時間が経過し、当時と状況が異なる場合がありますことをご容赦ください。
美幌峠の本当の絶景が見られるのは、道の駅からではなく、国道243号から。
「道の駅 ぐるっとパノラマ美幌峠」 DATA
道の駅 ぐるっとパノラマ美幌峠
〒099-2356
北海道網走郡美幌町古梅
☎0152-75-0700
営業時間
4月下旬~10月:9時~18時
11月~4月下旬:9時~17時
定休日なし・12/31~1/3は休館
「道の駅 ぐるっとパノラマ美幌峠」の登録日
※これを知ることで、施設の古さやリニューアルの有無などがわかります。
登録回/第18回
登録日/2002年8月13日
※2022年 レストハウスをリニューアル
「道の駅 ぐるっとパノラマ美幌峠」の筆者の歴訪記録
※記録が残る2008年以降の取材日と訪問回数をご紹介。
2008.07.10
2011.07.07
2011.09.16
2013.07.19
2016.09.25
2017.08.12
2018.07.13
2022.07.28
※「道の駅 ぐるっとパノラマ美幌峠」での現地調査は2022年7月が最終で、この記事は友人知人から得た情報及び、ネット上で確認できた情報を加筆し、2023年8月に更新しています。
道の駅 ぐるっとパノラマ美幌峠
「道の駅 ぐるっとパノラマ美幌峠」の
最寄りの温泉&買い物施設
「道の駅 ぐるっとパノラマ美幌峠」のロケーション
阿寒摩周国立公園の屈斜路カルデラ外輪山にある、標高約525メートルの「美幌峠」は、北は美幌・南は弟子屈にアクセスする国道243号の途中に位置している。
頂上には「道の駅 ぐるっとパノラマ美幌峠」があり、展望台からは屈斜路湖はもちろん、摩周岳や斜里岳までが一望できる。
そのため昔から”天下の絶景”と謳われ、道内屈指の絶景スポットとして知られてきた。
だが、本当の絶景はこちら。
「美幌峠」の最大の魅力は、屈斜路湖に向かってダイブするかのような錯覚を覚える国道243号の下りの車窓風景にある。
ゆえに弟子屈方面に向けて走らなければ意味がない。
ただしその感動的な時間は僅か数秒…2回のカーブを描けばショータイムは終わる。
また、いったん下り出すと近くにUターンのできる場所はなく、後戻りするには相当な距離を走ることになる。
そのため先に道の駅に立ち寄り、展望台からの景色を写真に納めておくほうがいい。
それから、カメラやビデオの走行撮影準備を整え、駐車場を出発しよう。
なお一部のガイドブックやウェブサイトには、「美幌峠」の雲海が美しいと書かれているが、それはちょっと「眉唾」だ。
この写真は、さらに500メートル近く標高の高い「津別峠」から撮影したもの。
雲海を期待するなら、さきほどのマップに出ている「津別峠」のほうが遥かに確率は高いと思う。
屈斜路湖・雲海展望スポット ベスト3
※いずれも現地で車中泊ができる。
「道の駅 ぐるっとパノラマ美幌峠」の施設
こちらが「道の駅 ぐるっとパノラマ美幌峠」のイラストマップ。
道の駅から展望台までは、なだらかとはいえ、歩きごたえのある距離だ。
駐車場は国道243号を挟んで2ヶ所に分かれているが、車中泊に適しているのは駅舎側の大きな駐車場だ。路面は多少うねってはいるが、平坦で車中泊に支障はない。
24時間トイレは上の写真の低い方の建物で、中はウォシュレットに改修されており、すこぶるキレイ。
なのだが…
実は筆者は「道の駅 ぐるっとパノラマ美幌峠」で車中泊をしたことはない。
最大の理由は「不便」だからだが(笑)、それに加えて、早朝ほどガスが出やすく、車中泊することによって逆に素晴らしい景観を見損なう可能性も高い。
ゆえにここには、日が高く昇ってガスが消え、道の駅が営業を始める午前9時以降に行くほうがいいと思う。
さて。
こちらは2022年の4月に、”地域を食べる”をコンセプトに、リニューアルオープンを果たしたレストハウスの館内だ。
パン店の「小麦の奴隷」・アイヌ民族伝統料理の「海空のハル」・パフェの「ディップ&メリー」・そしてセレクトショップ「可不可」の4店が入り、以前とは大きく様変わりした。
これぞまさに、リニューアル!(笑)。
その中で興味深かったのは、東京と札幌でアパレル&雑貨ショップを展開するセレクトショップの姉妹店「可不可」だ。
とりわけ種類豊富なレトルトカレーは、目を引いた。
“道東のいいもの集積地”をテーマに、オホーツクエリアの選りすぐり商品を中心に、日本のみならず世界からもセレクトしたという、こだわりの商品がずらりと並ぶそうだが、これもかな(笑)。
確かにライダー諸君には受けると思うが、「美幌峠」の主役は、たぶん今も今後も観光バスでやってくる団体様だと思う。
中には相変わらず農協ツアーのじいちゃん・ばあちゃんもいるわけで、少しは以前のような”世俗的な土産物”があってもいいようには感じた。
さすがに、この展開は”背伸び感”が露骨に伝わるだけに、数年後が楽しみだ。
なお取材した時は、2階は広々とした休憩スペースになっていた。
ただここはいずれ変わるのかもしれない。
総括すると
「道の駅ぐるっとパノラマ美幌峠」は、晴れた日の景色は絶品だが、「旅の宿」としては、不便さのほうが先に立つ。
立ち寄るのはマストだが、車中泊には「道の駅 メルヘンの丘めまんべつ」か、「道の駅 摩周温泉」のほうが無難だろう。
「道の駅 ぐるっとパノラマ美幌峠」の車中泊好適度
峠の湯びほろ
クルマで約30分
☎0152-73-2121
おとな500円
10時~22時(最終受付21時45分)・第2水曜定休
コンビニ・スーパーマーケットともに、30キロ近く離れた美幌市街までいかないとない。ここで車中泊をするなら、美幌か摩周温泉の市街で入浴と買い出しを済ませておこう。
「道の駅 ぐるっとパノラマ美幌峠」のアクセスマップ